衣料用スプレーに呼吸器系中毒事故の恐れ…国民生活センター

 国民生活センターは4月4日、汗ジミ防止や静電気防止などをうたった衣類用スプレーや防水スプレーに、フッ素樹脂やシリコーン樹脂といった成分が配合されているものがあり、呼吸器系の中毒事故を引き起こす恐れがあるとして、消費者に注意を呼びかけている。

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 国民生活センターは4月4日、汗ジミ防止や静電気防止などをうたった衣類用スプレーや防水スプレーに、フッ素樹脂やシリコーン樹脂といった成分が配合されているものがあり、呼吸器系の中毒事故を引き起こす恐れがあるとして、消費者に注意を呼びかけている。

 2012年8月に、室内で子ども用のバスタオルにUVをカットするという衣類用のコーティングスプレーを缶の半分程度使用したところ、肺障害等を発症し、入院するという事故が発生した。この商品は、はっ水剤成分の一つであるシリコン樹脂が配合されており、呼吸器系の中毒事故を引き起こす可能性がある。しかし、一般的な防水スプレーのように注意表示が目立つようには記載されておらず、消費者が表示を見逃し、十分な注意を払わずに使用してしまう恐れがあるという。

 国民生活センターの調査によると、7銘柄中4銘柄で、吸入により肺深部に到達し、沈着する率が高いとされる10マイクロメートル以下の粒子の存在率が高く、中毒事故のリスクが高い。また、7銘柄中5銘柄で噴霧直後の付着率が低く、中毒事故のリスクが高いと判断された。使用時の注意表示があったのは7銘柄中1銘柄のみで、吸入に関する注意表示が全くないものや、目立つように表示されていないものがあったという。

 衣料用スプレーを使用する際は、使用前に成分を確認し、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含むスプレーを使用する場合は吸い込まないように注意が必要である、と同センターは消費者へアドバイスしている。特に乳幼児には使用させず、乳幼児の近くでは使用しないこと。

 また、同センターは、事業者や行政に対して安全対策を行うよう要望している。
《工藤めぐみ》

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