3キャリアのiPhone 5s/5c、下取りプログラムがキャリアの差別化ポイント

 13日、iPhone 5s/5cの料金プランが各社から発表された。各社のプランが出揃ったところで、一度まとめてみたいと思う。

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iPhone 5s
  • iPhone 5s
  • 5色のカラーが選べるiPhone 5c
  • ドコモ GALAXY S4から、iPhone 5s(64GB)へ変更する場合
  • au iPhone 5(64GB)から、iPhone 5s(64GB)へ変更する場合
  • ソフトバンク iPhone 5(64GB)から、iPhone 5s(64GB)へ変更する場合
  • その他参考点
 明日20日に発売を控えたiPhone 5s/5c。NTTドコモを含めた3キャリアから同一の端末が発売されるということで、料金プランや割引施策でどういった差が出てくるのか注目されていた今回の新型iPhone。発売目前ということで、各社のプランについてまとめてみたいと思う。

■端末の実質負担額は?

 まず、基本的なところだが、各社の発表した料金プランはいずれも2年縛りが前提となっている。端末料金については、この2年契約を前提に各社が割引きを行うため、割引適用後の料金が“実質負担額”として指標になる。ドコモの場合、機種・契約変更/新規契約/MNPのいずれの場合も“実質負担額”に変化はなく、「5c」の16GBモデルおよび32GBモデル、「5s」の16GBモデルが実質0円。「5s」の32GBモデルが実質10,080円(月額420円)、64GBモデルが実質20,160円(月額840円)という料金設定。「5c」の16GBモデルと32GBモデルはどちらも0円だが、16GBについてはさらに月々サポート増額キャンペーンが適用でき、12ヵ月間は月々525円が請求額から引かれる。

 KDDI(au)とソフトバンクモバイルに関しては、端末の実質負担額は全く同じになっている。この2キャリアで注意したいのは、MNPまたは新規契約の場合と、機種変更の場合で負担額が異なることだ。まずMNP/新規契約の時は、「5c」の16GBモデルが実質0円、32GBモデルが実質4,800円(月額200円)。「5s」の16GBモデルが実質0円、32GBモデルが実質10,320円(月額430円)、64GBモデルが20,640(月額860円)円。機種変更の場合だと、「5c」の16GBモデルが実質3240円(月額135円)、32GBモデルが実質14,160円(月額590円)。「5s」の16GBモデルが実質14,160円(月額590円)、32GBモデルが実質24,480円(月額1020円)、64GBモデルが34,680円(月額1445円)。

■月額料金、ポイントは固定セット割

 次に端末以外の月額料金について、機種変更の場合、基本料金/ネット接続料/パケット定額料の合計はドコモが6,555円、KDDI・ソフトバンクが6,755円と僅差でドコモが有利となっている。但し、ここからは様々な割引プランも考慮に入れる必要がある。ドコモ以外の2キャリアが展開するのが固定回線とのセット割。KDDIの「au スマートバリュー」とソフトバンクの「スマホBB割」があり、どちらも最大2年間、毎月1,480円が割り引かれる。このセット割を適用すると、パケット定額料が少し変動するが、合計額は5,800円と、ドコモより月々755円、2年間では18,120円お得となる。特に、「au スマートバリュー」は対象となる固定回線が非常に豊富で、全国のケーブルTV局も含め対象事業者は200以上。選択肢が多いのが魅力だ。また、2年を過ぎた後も永年で毎月980円の割引が受けられる。対して「スマホBB割」は3年目以降の割引はない。

 MNPの場合は、各社とも基本使用料の割引プランが用意されている。この場合、ドコモは月々780円が最大13ヵ月、KDDI・ソフトバンクは月々980円が2年間割り引かれる。MNPの場合は、KDDI・ソフトバンクに割引額で分があると言える。ただ、ドコモは「ドコモへスイッチ学割」というプランも用意しており、対象は学生に限られるが、他社からのMNPで基本使用料が最大3年間無料かつ、パケット定額料から月々1050円(最大3年間)無料になる。

■下取りプログラムにも各社で差異が

 その他、今日別の記事で言及しているが、各社で差が見られるのが「下取りプログラム」。ドコモは、他社のiPhoneユーザーがMNPでドコモのiPhoneを購入し、さらにドコモプレミアクラブもしくはドコモビジネスプレミアクラブに加入した場合に下取りの対象となる。下取りはドコモポイントの付与と引き換えとなり、iPhone 5 64GBモデルで20000ポイント(1000ポイント×20ヵ月の分割付与)が付与される。KDDIは、au iPhoneからの機種変更時に下取りが可能で、iPhone 5 64GBモデルの場合、28,000円相当(一括還元)のauポイントが還元される。ソフトバンクは、iPhone 5 64GBモデルの場合、25,000円(1000円×25ヵ月間割引)が通信料より割り引かれる。ここでは割引額でKDDIが頭一つ抜けている印象。下取りの割引が一括還元であり、その場ですぐに使える点も大きい。一括購入を考えている人や、万が一途中で解約することになった場合なども最大限割引の恩恵を受けることができる。

 こうして見てみると、ドコモは端末の実質負担額の部分で機種変更、MNPなどに差を設けず、思い切った価格を出してきたと感じる。但し、「au スマートバリュー」のような固定セット割、を考えた場合、その差は相殺されるだろう。また一括支払いの場合、はドコモの端末価格が最も高くなってしまう。MNP・新規契約の場合は端末の実質負担額にさほど差がないため、KDDI・ソフトバンクが有利に見える。さらにKDDIは下取りプログラムなどで他社に比べてアドバンテージを持っている。

 参考までに、ドコモXi端末ユーザー、au iPhone 5(64GB)ユーザー、ソフトバンクiPhone 5(64GB)ユーザー、それぞれの立場から、iPhone 5sの64GBモデルに買い替えた場合の料金シミュレーションを表にしてみた。端末の実質負担額に関してはほぼ横並びで、基本使用料の割引や固定セット割の利用有無、下取りキャンペーンなどで差が出ている印象。

 料金面以外では、キャリアメールに関してドコモのSPモードメールが10月1日まで使えないといった差異もある。端末の修理補償については、KDDIがauスマートパス(月額390円)加入で最大15,600円分を負担するサービスを実施している。ネットワークについてはRBB TODAYでも何度か言及してきたが、800MHzのプラチナバンド帯LTEに対応したKDDIが今のところ一歩リードしている。KDDIは13日に開いた記者会見でもこの点を強調。現時点での実人口カバー率を97%であると発表し、さらに2014年3月末には99%を目指すと宣言。この2%は面積比にすると約1.5倍。エリアカバー面でかなり大きな影響があるとのことだ。ドコモは同じく800MHz帯のLTEを利用しているが、LTEに使用している帯域幅が5MHz幅と小さく、基地局数も出遅れている。現状3Gで利用している1.7GHz帯をLTE利用へ早急にシフトできるかがポイントとなる。ソフトバンクについては、こちらもプラチナバンドである900MHz帯をいかに早くLTEで利用できるかが重要だろう。

 今回からドコモが参入したことに加えて、「5s」と「5c」の2モデルが発売されるため、さらに複雑になったiPhoneの料金体系。今後も追加で新しいキャンペーン等が発表される可能性もあるだろう。「5c」は事前の予約受付を実施したが、「5s」については初回販売分に関しては明日店頭に行ってみるしかない。3キャリア三つ巴のiPhone対決。最初の山場となる明日、ユーザーはどこに流れるのだろうか。

iPhone 5s/5c、各社の料金プラン最終まとめ!差別化ポイントは?

《白石 雄太@RBB TODAY》

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