【自ら学ぶ力が伸びる子育て術 4】バランスよい本選びと受験期の読書

 こんにちは、SS-1の小川です。前回の「本好きな子が育つ読み聞かせ」に続いて、保護者の方々からご質問の多い「どんな本を選んだらいいのか」というお話をしていきたいと思います。

教育・受験 その他
イメージ写真です(本文とは関係ありません)
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  • 中学受験専門プロ個別指導教室SS-1代表の小川大介氏
◆1か月に何冊くらいの本を読む?

 「本はどれぐらい読めばいいのでしょう?」というご質問をいただくこともよくあります。これには、「お子さんによる」とお答えしたいと思います。

 月に10冊も20冊も読むお子さんもいますし、月に2冊読んだらいい方というお子さんもいます。もちろんたくさんの本を楽しんで読むことができていれば、その状態を保たせてあげたいですが、季節や状況によって変わってもいいのです。気分が乗っている月はどんどん読むけれど、友達との外遊びに気持ちが傾いている月は1~2冊しか読まない。そういうことだってあります。

 コンスタントに本に触れさせたいと思われる場合は、家庭の生活リズムの中に「読書タイム」を設けると良いでしょう。家族みんなが思い思いに読書する時間を作るのです。お父さんは新聞を読んでいるかもしれませんし、お母さんは料理の本を見ているかもしれません。ファッション誌でもいいのです。ともかく家族がリビングに集って、何かしらを読んでいる時間と空間を共有するのです。

 このように生活リズムの中に「読書タイム」を組み込めば、お子さんも自然と本を読む習慣が身につくでしょう。

◆受験期の読書

 また先々高学年になって、中学受験をしている真っ最中ですと、どんなに本好きな子でも月に3冊以上読む余裕はなかなかもてないのが普通です。しかし、受験生だからといって読書を禁じてしまうのは考えものです。

 受験生の場合だと、読書を通じて何かを育むというより、気分転換として自分が好きな本の世界に一時的に浸るという要素が大きいからです。ご家庭によっては「本を読む暇があったら勉強しなさい」と言いたくなることもあるようですが、日に15分×2~4回ぐらいの「読書休憩」はあってもいいでしょう。

 ピアノを習っている子が、気分転換に10分ほどピアノを叩くのと同じで、本がリフレッシュを生んでくれるととらえてください。

 いかがでしょうか。読み聞かせの話から最後は受験生の話になってしまいましたが、お子さんが自発的に本を楽しめるような導き方について、参考にしていただければ嬉しいです。

 次回は「テレビとの付き合い方」についてお話ししたいと思っています。こちらもご相談の大変多い話題ですから、どうぞお楽しみに。

<著者紹介>小川大介(中学受験専門プロ個別指導教室SS-1代表)
 1973年生まれ、京大法学部卒。関西最大手塾の看板講師として活躍後、2000年から現職。一般の個別指導教室とは一線を画し、発問応答指導、毎月の学習カウンセリング、塾の使い方指導を導入。教育コンサルティング機関へとSS-1を育て、毎年、御三家、灘中他有名中学合格者を多数輩出する。生徒自身と家庭の学習力を最大限引き出すノウハウは、学年を問わず定評があり、近年は、子どもたちが幼児低学年のうちに「自ら学ぶ力」を授ける活動に力を入れている。
《小川大介》

教育家・見守る子育て研究所所長 小川大介

京大法卒後、中学受験個別塾を創設。子ども本来の力を見つけ出し、最大限の能力発揮を実現する独自ノウハウを確立する。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業、教育系企業への助言と多方面で活動している。テレビ他メディア出演多数・著書26冊。

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