私立高校生低所得世帯の就学支援金、32都道県で補助減額

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全国私立学校教職員組合連合
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  • 増額した自治体とその対応
 全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)は4月18日、私立高校生低所得世帯に対する就学支援金の加算が各自治体の減免制度にどう反映したかについての調査結果を発表した。増額は14府県、減額は32都道県、制度なしは1県であったことが明らかになった。

 平成26年度より国公私立を問わず、高校の授業料支援として、市町村民税所得割額が30万4,200円(年収910万円程度)未満の世帯に「就学支援金」が支給されることとなった。私立高校生の世帯には、収入に応じて国から就学支援金の加算がある。

 私立高校の低所得者層にとっては「学費負担の公私間格差の是正」に繋がるものと大きな期待が寄せられている。しかし、自治体によって補助額が異なり、埼玉県では今年度予算で低所得層に学費無償を実現している一方、「国の加算によって本県の学費減免制度を廃止する」として新入生の県単独予算をゼロにする自治体もあるという。

 全国私教連は、各自治体の平成26年度予算書について、加盟する各都道府県私教連が入手し集計したものや、全国私教連がホームページからの情報入手、担当部局への直接聞き取りを行いながら調査し、まとめた。

 調査の結果、都道府県単独予算を増額した自治体は14府県(全体の30%)で、増額割合の高い順に、「長野県」38.3%、「埼玉県」7.7%、「徳島県」6.8%、「京都府」5.2%、「福岡県」4.5%。県単独補助額を増額させた14府県の合計額は、6億7,220万9千円であった。

 長野県は、新入生だけでなく、2・3年生にも590万円までの世帯に県単独補助での加算を行い、制度を拡充。埼玉県は、これまでの「授業料全額」補助に加え、「その他の授業料」補助として、生活保護世帯は実額、250万円未満世帯では20万円、350万円世帯に10万円の県単独補助で加算する。

 一方、減額した自治体数は32都道県(全体の68%)、以前同様に県単独補助制度なし1県で、減額割合が高い順に、「山梨県」-34.6%、「沖縄県」-28.9%、「栃木県」-28.4%、「茨城県」-25.3%、「福島県」-24.8%、「愛媛県」-23.8%、「秋田県」-23.3%、「熊本県」-22.0%。減額した32都道県の合計減額分は8億3,837万1千円であった。

 岩手県と沖縄県は、国の就学支援金の加算措置により自治体単独の減免制度を新入生から廃止。また、20%以上削減した上記8県は、このまま県単独減免予算を大幅に減額させることによって、2年後には県単独減免措置を形骸化させ、実質廃止する方向に繋がることになる。

 全国私教連は、「私立高校生低所得世帯に対する就学支援金の加算が低所得世帯の生徒の負担軽減に繋がらず、多くの自治体で自治体財政を助ける結果になってしまい、政府の就学支援金制度変更の趣旨と大きく異なる」と指摘。「国が就学支援金制度の補助対象を学費(学納金)全体にするか、私立高校が施設設備費を授業料に加えた新たな授業料を設定するしかない」と考えを述べている。
《工藤めぐみ》

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