アメリカ留学が私を変えた…国連・EF主催のサマースクールに参加した大学院生

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サマースクールでHuman Rights Nowを紹介する後藤真実さん
  • サマースクールでHuman Rights Nowを紹介する後藤真実さん
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  • サマースクールでのグループワークの様子
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  • 国際連合本部ビルでの後藤真実さん
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 70か国から75名の若者が参加した国連・EF主催のサマースクールにカタール大学大学院に在籍する日本人女性が参加した。大学院で研究を続けながら日本発の国際人権NGO「Human Rights Now」でボランティアとして活躍する後藤真実さんに留学体験などについて聞いた。

--カタール大学大学院湾岸地域研究科に入学した日本人は後藤さんが初めてだそうですが、カタール大学を選んだ理由を教えてくだい。

後藤さん:大学3年生の時にアメリカに留学した時の経験が大きく影響しています。留学したのは2009年4月から12月までの約9か月間、オレゴン州の大学附属語学学校で英語を学びました。特にアラブ人と仲が良かったのですが、当時のアメリカでは同時多発テロの影響もあり、アラブ人に対する固定観念ひどく、扱いも衝撃的でした。仲が良かった友人たちの扱われ方を見るだけで、言語を学び中東の人々のために何かしたいと考えるようになりました。それほど衝撃的でした。

 まずは言語を学ぶため、大学卒業後クエート大学で9か月アラビア語を学びました。カタール大学大学院では英語が基本なのですが、現地の人とコミュニケーションをとる上でアラビア語も必要だと感じ勉強しました。現在は修士課程の2年目です。

--アメリカ留学前と留学後で自分の将来についてどのように考え方が変わりましたか。

後藤さん:成蹊大学に入学した時は、女性警察官になりたいと思っていました。留学を通じて中東の人々の生活について考えさせられ、自分ができることは何かと悩みました。外交官を目指すのもひとつの選択肢ではないかとも思いましたが、国同士という大きなレベルではなく、私個人がしたいことを表現できる仕事がよいと思い、言語の習得から入りました。

 今は、国のような大きな組織がサポートしきれていない生活レベルの課題を解決できる活動に携わりたいと感じています。

--アラビア語だけでなく、英語、中国語もできる後藤さんですが、英語はどのように習得されたのですか。

後藤さん:私は中学、高校と公立校に通い、どちらかというと英語は苦手な教科で成績もあまりよくありませんでした。ただ、友達の1人が留学し、自信をつけて戻ってきた時の様子を見て刺激を受けました。私が留学したいと思うようになったきっかけですね。

 その後アメリカに留学した時は、ネイティブだけでなく、英語が母国後ではない人と英語で会話することに楽しみを感じました。お互いに英語を学んでいる立場にあるので、躊躇せず話をすることができたのが良かったと思っています。

--アメリカでの経験を踏まえ、英語を勉強する上でのアドバイスはありますか。

後藤さん:とにかく話すことです。授業中でもプライベートでもうまく英語で伝えられなかったことは多々ありましたので、家に帰ってから1人で声に出して会話をやり直していました。今度同じ場面があったらこう話せば伝わる、という意識をもって声に出していましたね。声に出すことは大切だと思います。

--現在は、カタール大学大学院で勉強を続けながら日本を拠点に活動する国際人権NGO「Human Rights Now」でボランティア活動をされています。NGOについて教えてください。

後藤さん:Human Rights Nowは2006年に発足したNGOで、法律家、研究者、ジャーナリスト、市民などが中心となり世界中の人権問題の解決に取り組んでいます。主な活動内容は、人権問題の存在を世間に知っていただき、問題意識をもっていただけるよう促すこと。そして日本国内の弁護士の方々の力を借りることで、人権問題を解決に結びつけることです。

 私はカタールで研究を続けながら、中東における人権問題の実態を明らかにし、レポートする活動を行っています。Human Rights Nowの活動は、人権問題の現状を把握し、問題解決に適した弁護士を探すことでもありますので、現地での現状打開に貢献しているという意味でやりがいを感じています。

--修士課程の2年目となると、卒業後の進路も考えていらっしゃると思うのですが、いかがでしょうか。

後藤さん:人権問題に対し影響力をもつNGOが中東には少ないのが現状です。そのため、現在は中東問題を専門的に扱う大学で博士課程に進みたいと思っています。進学先としては、イギリスまたは中東の大学院を考えています。

--ありがとうございました。

 高校時代の友人が留学したことに刺激されアメリカに語学留学し、その体験を通じて感じた課題の解決のためにカタール大学大学院に進学した後藤さん。国連機関とEFはその行動力と熱意を評価し、次世代のリーダーとして活躍できる人材としてサマースクールに招いたのだろう。

 サマースクールで行ったインタビューの1週間後、後藤さんはケンブリッジで開催される会議に出席するためにイギリスにいた。世界をまたにかけ活躍する大学院生、言語や国境を飛び越えて活躍する後藤さんの今後に期待が集まる。
《湯浅大資》

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