答えは、「体が大きく、自然界にこれといった天敵がないいきもの」ということ。 体が小さく、いつも強い敵に囲まれて暮らしているいきものは、警戒心が強く、なかなか人になつきまへん。 そう考えると、トレーニングによってパフォーマンスができるようになる水族館の人気者、イルカやシャチやって、自然界においては食物連鎖のかなり高いポジションにあって、これといった天敵に出くわす機会はそうありまへん。 体がそんなに大きゅうなくても、特殊な天敵を避ける特徴をもってるいきもの、たとえばフグの仲間やハリセンボンなども、比較的なつきやすい気がします。「強い奴ほど人懐っこい」「強い奴ほど優しくなれる」「強い奴ほど素直になれる」 なんか「人間社会の縮図」を見てるようで、身につまされるものもありますが、それが「自然の摂理」なんかなあ、とも思えてきます。 そして、人に優しくできへん、素直になれへん自分のことにも思いをいたしてしまう今日この頃です。<著者プロフィール>下村実1965年大阪府高槻市生まれ。幼少期から魚や水辺の生物に親しみながら育つ。大阪・海遊館の開業時から、ジンベエザメの飼育を中心に20年以上同館で勤務。2012 年の京都水族館・すみだ水族館の開業時から飼育業務全体を統括している。