東大が2015年度に導入する4ターム制、その狙いとは

 来年度から新に導入される4ターム制。文系学部(法・文・経済・教養・教育)は8月と1~3月が休業期間に、理系学部(工・理・医・農・薬)は6~8月と3月が休業期間となる。

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東京大学総長の濱田純一氏
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 10月15日、「濱田総長と語る集い―教育改革と新学事暦で学生は変わるか―」と題するパネルディスカッションが開催された。東京大学が2013年7月に決定した「学部教育の総合的改革に関する実施方針」について、総長・各学科教授と学生間で意見を交わすことが目的だ。

 開催場所は東京大学駒場キャンパス21KOMCEE Westレクチャーホール。

 2015年度、新に導入される4ターム制。文系学部(法・文・経済・教養・教育)は8月と1~3月が休業期間に、理系学部(工・理・医・農・薬)は6~8月と3月が休業期間となる。「長期の休業期間を設けることで海外への短期留学や社会体験への参加がしやすくなるだけでなく、ターム単位の留学も可能となる。」(東京大学による「東京大学における学部教育の総合的改革の推進」資料より)

 また2015年4月1日からの施行が目指されている学則改正大綱には「留学に関する単位認定については、規定の認定科目の範囲(専門教育科目)及び単位数(上限30単位)を適切に見直し、前期課程、後期課程を通じて認める。」との内容も。

 これらから「4ターム制の目的は、とりあえず海外に行けということなのか?」との印象をもたれがちだが、必ずしもそうではないという。

 東京大学生産技術研究所の藤井輝夫教授は、「目的は海外に行くことだけではない。大学を離れて海外、それ以外でも国内でのボランティアなど、自分で考えた活動をすることが重要。主体的活動を通じていろいろな価値観や場に身を置いてほしい。」と説明する。新制度を通じて活動の範囲を広げられる機会になれば、という。

 矢口祐人教授(総合文化研究科)は、コンフォートゾーン(快適な領域)からできるだけ離れることが重要と指摘する。

 「たとえば、東大に来た留学生が一番ビックリすることはなんだと思いますか」矢口教授は会場に問いかける。

 「学生の画一性?」「やる気の低さ?」

 「やる気のある学生もいるからね(笑)。でも画一性というのはちょっと近くて。答えは“どうしてこんなに男子ばかりなんだ”です。こんなに男子が多い世界の一流大学はほとんどない。海外の大学生から、日本のエリートを生む大学がこれでいいの? 80%が男性で日本の将来はどうなるの? と驚かれるのです。

 中にいると“これが自然だ”と思ってしまうことでも、外に出たらこういう大学の男女比から社会科学的なことや、ジェンダー論などを考えるキッカケになるでしょう。

 これは一例に過ぎないけれど、自分のいる環境をクリティカルにみる視点を養うためにも、ここにいるだけではダメでしょう。」

と、例を挙げながらアンコンフォータブルになることで新しい知見が得られることを優しく説き、海外留学や、それを制度的に整える新学事暦は“新しい知見を得ることを可能にするための”よいキッカケではと結論づけた。
《北原梨津子》

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