2026年度東大入試の展望…駿台の最新データが示す傾向と対策の要点

 駿台予備学校は全国13校舎とオンラインで「東大入試情報講演会₋冬編₋」を実施した。毎年圧倒的な東大合格者を輩出している駿台は、独自のデータをもとに、2026年度の東大入試の動向を分析した。本記事では2025年12月14日、東大専門校舎であるお茶の水校3号館で開催された同講演会の概要をレポートする。

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2025年12月14日に、駿台予備学校 お茶の水校3号館(東大専門校舎)で開催された『東大入試情報講演会 ₋冬編₋』のようす
  • 2025年12月14日に、駿台予備学校 お茶の水校3号館(東大専門校舎)で開催された『東大入試情報講演会 ₋冬編₋』のようす
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  • 駿台予備学校 お茶の水校3号館校舎責任者・瀧敬悟氏
  • 「東大入試情報講演会-冬編-」資料より
  • 「東大入試情報講演会-冬編-」資料より
  • 「東大入試情報講演会-冬編-」資料より
  • 「東大入試情報講演会-冬編-」資料より
  • 「東大入試情報講演会-冬編-」資料より

 駿台予備学校(以下、駿台)は2025年12月14日、東大専門校舎であるお茶の水校3号館にて、「東大入試情報講演会₋冬編₋」を開催した。「東大成績開示データからみる東大入試」を副題に掲げ、校舎責任者である瀧敬悟氏が登壇。毎年圧倒的な東大合格者を輩出している駿台が、独自のデータをもとに、東大入試の動向を分析。東大人気の背景や志願者数の推移をはじめ、東大入試実戦模試データから予測する2026年度東大入試の傾向、合格に必要な勉強法まで網羅した充実の講演を行った。

重要性増す共通テスト、合格者平均得点率は9割

 瀧氏はまず、東大新入生アンケートの結果を取り上げた。初めて東大受験を意識した時期については、「中学入学以降~高2まで」が8割を占めており、志望理由では「研究・教育水準が高いから」が毎年圧倒的な1位であると説明した。東大が教育・研究機関として国内最高峰であることが、大きな魅力になっている。

駿台予備学校 お茶の水校3号館校舎責任者・瀧敬悟氏

 その裏付けとして、国の科学研究費補助金の配分額で東大が毎年1位であること、研究施設が全国に設置されていること、主要な世界大学ランキングのすべてで国内トップに位置していることを示した。また、東京大学附属図書館には1000万冊を超える膨大な蔵書があり、貴重な資料も多い点をあげた。さらに、国家公務員(総合職)試験の合格者数が最多であること、有名企業への就職に強いこと、大学発ベンチャー企業数でも東大がトップであることにも触れた。

 加えて、もうひとつの大きな魅力として「学友」の存在を強調した。日本トップレベルの学生が集まり、人生を変えるような出会いがある大学であり、「目指す価値がある大学」であると評した。

 こうした東大の優位性を示したうえで、瀧氏はその門をくぐるために突破しなければならない東大入試の内容について紹介した。

 まず東大入試における大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の教科・配点は、文科類・理科類とも英語・数学・国語・理科・地歴公民・情報の1000点を110点に圧縮して換算。

 2025年度の東大合格者の共通テスト平均得点率を見ると、文科三類をのぞき9割を超える。文科類では1次通過ラインは71~77%台と低いものの、「合格を狙うなら最低でも8割必要。できれば8割後半超を目標に定めてほしい」と説いた。理科類においては「文科類よりも1次通過ラインが厳しく、理科一類・二類とも8割超えとなっている。最低でも85%、できれば9割を目標にしてほしい」と語った。

 というのも、東大を目指すうえで、実は共通テストは非常に重要なのだと瀧氏は指摘する。「東大の入試配点は共通テスト110点、2次試験440点で『1:4』。一見共通テストの配点が低いように見えるかもしれないが、合格者平均点を見ると、共通テスト100点(約90%の得点率)、2次試験250点(約60%)で実質的な比率は『1:2.5』となっている。つまり、東大は共通テストで高得点を取れば有利になる」と述べ、共通テストは幅広く基礎が身に付いているかが問われる試験のため、基礎からの積み上げが大切だと強調した。

 さらに、東大入試における共通テストを科目別に見ると、「得意科目でリードできる試験ではない」と言及。2025年度東大合格者の平均得点率は、英語は文理とも96%を超えており、数学も高かったという。瀧氏は、「共通テストレベルであれば得意科目は満点が基本。苦手科目の失点を減らして、総合で9割超えを目指す。特に文科類では数学、理科類では国語と地歴公民で失点を抑えること」と指南した。

2次試験は文理とも英語と数学が重要科目

 続いて、東大2次試験についての解説があった。東大の2次試験は2日間にわたり、1日目に国語・数学、2日目に地理歴史または理科と英語となっている。「1日目後半の数学は自己評価がしやすく、できなかった場合に落ち込みがちだが、2日目の方が配点は大きい」と瀧氏はいう。「受験生は1科目ごとに気持ちを切り替え、失敗を引きずらず、最後まで全力を尽くすべき。保護者はメンタルを支えてあげてほしい」と呼びかけた。

 駿台では毎年、東大が受験生に開示している科目別得点数のデータを集計している。2025年度東大成績開示データを見ると、文科類では2次試験の合格者平均点がもっとも高いのが文科一類で、ついで文科二類、文科三類の順であった。理科類は、理科三類は別次元であり、理科一類・二類だと一類の方が2次試験の合格者平均点が高く、数学・理科で得点率の差が出た。

東大文系の教科・科目別得点状況は?

 次に、直近3か年分のデータをもとに、文系の教科・科目別得点状況が示された。まずは英語。英語は、合格・不合格者の平均点の差が大きく、差の付きやすい重要科目であることがわかる。英語は例年合格者平均は70~80点で、「力がある生徒は安定して高得点を取れるようになるが、力を伸ばすのに時間がかかる科目」だと瀧氏は分析する。そのため、「東大の文系は、2次試験の英語で半分は取れないと合格は厳しい。少しでも英語の点数を伸ばせるようにコツコツと頑張ってほしい」と呼びかけた。また、地理歴史は英語と反対に短時間で伸ばしやすい科目だとし、「入試直前の最後まで1点2点を拾いに行く覚悟で」と強調した。

 一方で数学は、「年度によって難易度の差が大きく、近年の文科類では点差が付きにくい科目」であり、特にここ2年間は難化傾向で、難易度が高い場合高得点をねらうのは厳しい状況といえる。そのため瀧氏は、「文系数学ができれば有利ではあるものの、入試本番で苦戦してもすぐに気持ちを切り替え、他科目できちんと点数を稼ぐことが重要」だとした。また、国語も「得意でもリードするのは難しい」といい、2025年度は初めて出題された小説が難題ではあったが、全体としては合格者・不合格者とも平均点が上がり、例年同様点差が付きづらい結果となっている。

東大理系の教科・科目別得点状況は?

 では、理系の教科・科目別得点状況はどうなっているのか。瀧氏は、「東大理系での最重要科目は数学だ」と断言。やはり数学でもっとも点差が付きやすく、合否を大きく左右するという。しかし、東大レベルの難易度だと数学が得意な生徒でも安定して点数を取りづらいことから、「数学に頼りすぎるのも良くない」と瀧氏は指摘する。そこでカギとなるのはやはり「英語」だ。「東大理系の英語は数学よりも平均点が高く、得点の柱になっている」と瀧氏はいう。「合否の分かれ目は、英語と数学で安定して得点できるようになるかどうか。近年は英語で半分以上得点できないと厳しい。国語も差が付かないとはいえ、2025年度は40点以下の合格者はほとんどいない。つまり理系でも、数学と理科がどんなに得意でも、英語、国語を含めてバランス良く仕上げるべき」とアドバイスを送った。

解くべき問題を見極めて時間配分を意識する

 加えて瀧氏が示したのは、東大受験した駿台生アンケートから抽出したデータだ。まず、自己採点で想定した得点と、開示された実際の得点を比較したところ、文系・理系とも、入試の手応えと実際の結果が異なることが多かったという。このことから、自身の手応えだけで一喜一憂せず、気持ちを切り替えて1点でも多く取りにいく粘り強さと諦めない心が大事だと瀧氏は訴えた。

 次に示したのは、2次試験本番の解答順番と解答時間だ。文系・理系ともに重要な科目である英語では時間配分に苦労する人が多く、こうしたデータが参考になると瀧氏はいう。

 文系数学においては、どの問題にどれくらい時間をかけるかが決め手になることがわかる。「2025年度の文系数学は難しい問題が多かったが、そのうち大問4は東大の数学としては標準的な難易度だった。高得点を取った人はこの大問4に時間をかけていた。逆に低得点者は大問1から解いて大問4には未着手だったり、十分な時間をかけられていないケースも見られ、解くべき問題を見極めてきちんと点を取れることが重要になる」と瀧氏は指摘した。

 続いて、理科数学の解答順番と解答時間について見ると、高得点を取った生徒には、比較的易しい問題は時間をかけずに解く、標準的な問題は時間をかけてしっかり正解する、難しい問題は時間をかけすぎずに部分点を取るという傾向が見られた。瀧氏は「問題の難易度の見極めと時間配分を意識した解き方が重要になる」と語った。

高1・2から英語と数学を積み上げる習慣を

 瀧氏は、高校1・2年生向けても、東大合格に向けた勉強法のアドバイスを伝えた。アンケート結果によると、現役合格者における各学年の平均学習時間は、高1・2生は平日1.7~2.5時間、休日3~4.6時間となっており、低学年から毎日時間を確保して机に向かう習慣を付けることがいかに重要かわかる。

 中でも英語と数学は入試本番で点差が付く科目だが、実力を伸ばすのに時間がかかる。まずは学校の課題を通じて基礎をきちんと理解して身に付けること。そのうえで応用・発展問題に取り掛かるべきだとし、「東大を目指すからといって、基礎→応用→東大レベルの順番を間違えてはいけない」と注意を促した。そして、高3の夏には過去問研究に取り組み、自分の実力と東大レベルの問題を縮めていくイメージで分野ごと演習を重ね、力がついてきた科目から本番の時間を意識した本格的な演習を進めていくというロードマップを示した。

秋の模試は苦手つぶしに活用、最後まで諦めない

 最後に、2026年度の東大入試の傾向と展望を伝えた。東大の志願者数推移を見ると、2025年度入試では全体で1011名(約11%)減少した。この背景には、共通テストの平均点が上昇と、第1段階選抜実施基準倍率が厳しくなったことから、共通テストの点数が足りなかった人が東大出願を避けた動きがある。瀧氏は、「共通テストの重要性がますます増しており、この傾向は2026年度も同じと見られる。ただ、11月の第2回東大入試実戦模試における志望者指数は理科三類をのぞいて文理とも前年度並みとなっており、入試難易度に大きな変化はないだろう」との見通しを示した。

 11月に開催された2025年度第2回東大入試実戦模試のデータからは、科類ごとの志望者偏差値分布の推移が見え、そこから2026年度入試の難易度予測を導き出せる。文科一類は偏差値50台の層が前年度より減少しているが、上位層の数は変わらないため、2026年度入試における難易度は大きな変化はなさそうだ。文科三類では、偏差値50台が増加しつつも上位層は増えていないため、こちらも難易度の大きな変化は見込まれない。対して、文科二類は上位層の志望者がやや増えており、やや難化傾向がうかがえる。

 理科一類は、ほとんど昨年並みだが上位層の増加がやや見られることから、若干難化傾向といえそうだ。理科二類もほとんど昨年並みであるものの、理科二類は理科一類を第一志望にしている上位層の生徒が共通テスト後に志望を変更してくる可能性もあるので注意が必要だ。理科三類は偏差値65以上の層が減少しているため弱気にならず志望を貫いてほしい。

 こうした模試のデータに、受験生も保護者も敏感になりがちだが、瀧氏は、特に気になる判定についての見方を示した。瀧氏によると、昨年も秋の模試でC・D・E判定をとっていてもかなりの人数が合格しているという。特に現役生は入試直前の最後まで伸び続けるとし、「模試は自分に今足りないものをあぶり出すもの。秋の模試の結果が出てからが頑張り時だ」と強調し講演を締めくくった。


 駿台が積み上げてきた膨大なデータ量から導き出された、最新の東大入試の動向と2026年度入試への展望が披露され、深い納得感が残った講演会だった。日本最高峰の研究機関であり高い人気を誇る東大に合格するには、データをベースとした緻密な動向分析と、それに対するしっかりとした対策が必要になることが示された。この講演会はアーカイブ動画も配信中(2026年1月16日まで視聴可能・「オンライン(映像視聴)」から前日までに申し込む)なので、詳細はぜひ動画で確認してほしい。

 また、駿台は、2026年1月25日(日)に「東大入試情報講演会 -特別編-」を開催する。1月17・18日に実施される共通テストの動向をもとに、今年の合格ラインの分析および2次試験を突破するカギなど、最新の入試情報を解説する。さらに、2次試験直前の講習として、高3生限定の「東大本番実戦テスト」の申込みも受け付け中だ。目標を定めた効率的な学習が重要となる東大入試。予備校の力を大いに活用して、タイパの良い受験準備を進めてほしい。

高校生・保護者対象
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高3生限定 2025/2026 入試直前講習(特別企画)
「東大本番実戦テスト」
《羽田美里》

羽田美里

執筆歴約20年。様々な媒体で旅行や住宅、金融など幅広く執筆してきましたが、現在は農業をメインに、時々教育について書いています。農も教育も国の基であり、携わる人々に心からの敬意と感謝を抱きつつ、人々の思いが伝わる記事を届けたいと思っています。趣味は保・小・中・高と15年目のPTAと、哲学対話。

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