【大学と就職】就活開始時期の「繰り下げ」、企業はスケジュールを守らない

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2016 年度採用活動の開始予定時期、ディスコ調査
  • 2016 年度採用活動の開始予定時期、ディスコ調査
  • 就職決定企業を決めた背景、ディスコ調査
 2016年3月に大学を卒業する学生の就職活動は、スケジュールが大きく変わる。3月に説明会などが解禁、8月に選考開始と、時期が大きく繰り下がるのだ。これは政府の要請を受けて経団連が決定したものだが、メディアではこの賛否を巡ってさまざまな議論が交わされている。

 ここでは主に就活生の立場から、この「繰り下げ」が就職活動にどのような影響を与えるのかを見ていきたい。

◆大半の企業がスケジュールを守らない

 日経就職ナビの運営事務局であるディスコが行った「2015年度・新卒採用に関する企業調査 - 内定動向調査」によると、実に8割近い企業が、8月よりも前に面接を開始すると回答している。8月以降に開始すると回答したのは24.4%であり、残りの企業は7月以前に開始するようだ。ピークは4月の24.8%で、3~5月の3か月で50%以上の企業が面接を実施する予定となっている。

 3月活動解禁・8月選考開始のスケジュールは、あくまでも経団連に所属する企業だけに向けられたものであるため、それ以外の企業は任意の時期に採用活動を行える。そのため、こうした結果になっていると思われる。

◆中小ベンチャー企業はさらなる前倒しが予想される

 中小ベンチャー企業の場合、大手企業と採用活動時期が被ると学生が集まりにくくなる。そのため、早期に活動を開始して優秀な学生を囲いこもうという意図があると思われる。

 同じくディスコの調査「2014年度 日経就職ナビ 学生モニター調査結果(2013年 6月発行)」によると、早期に内定を出すと学生の入社意欲が高まる傾向にあることが明らかになっている。

 調査結果を見ると、早い時期に内定をもらった8割近い(79.7%)学生が「自分を高く評価してくれた」と感じ、その企業に就職を決定するようだ。また「早く就職先を決めて、自分自身が安心したかった」という回答も7割近く(66.0%)におよぶ。

 こうした点からも、中小ベンチャー企業は早期に動き出して、優秀な学生に接触を図ることが予想される。

◆大手企業ばかり見ていると危険?8月以降に募集企業がない可能性も

 これまでの就職活動では、4月に集中していた大手企業の選考が全滅しても、そこから中小ベンチャー企業やほかの進路に目を向けることが可能だった。大手企業の選考が終わってから採用活動を開始する中小ベンチャー企業があったからだ。

 だが、前述のディスコの調査によれば、9月以降に面接を開始する企業は、僅かに4.9%。自分に合った企業と出逢える可能性は限りなく低くなると言わざるを得ない。従来のスケジュールでは可能だった「大手企業がダメだったから、中小ベンチャー企業に切り替える」といった路線変更は難しくなると思われる。
《高嶌悠人》

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