3つ目は「主に身体障害のある学生・教職員を対象とした支援システムから、発達障害などがある学生・教職員をも包括した新たな支援システムへの転換」だという。精神障害と身体障害を別の部署が担当してきたこれまでの体制から、障害種別に囚われない包括的で統一的なシステムへの移行を促進するべきだと説明した。◆学部から独立した機関がサポートする重要性 大学側からの方針が発表される一方で、障害者として大学生活を送った卒業生からの声はシビアだ。卒業生の一人である中條美和氏(法学政治学研究科博士課程修了)は、障害者への支援費用を大学全体予算からで賄うべきだと主張。各学部の予算として計上されている現状では、障害者がお荷物扱いされかねないと中條氏は訴える。 その一方で、障害者と大学当局が関わる「バリアフリー支援室」は潤滑油として重要な役割を果たしてきたという意見もある。所属学部の指導教官は移動する可能性があるが、バリアフリー支援室が継続して精神的なよりどころとなることで、さまざまな相談がしやすくなるという。 大学におけるバリアフリー支援室にあたる機関は、大学関係者のみならずその地域全体にかかわる情報センターとしても機能する。中條氏は自身の海外での経験などから、大学内にとどまらないバリアフリー支援室があたえうる影響の大きさを語った。 大学のバリアフリー支援機関は今後、大学のみならず地域の情報集約場所として、地域にある団体や自治体支援の情報なども用意することでより多くの障害者をサポートしていける可能性を秘めている。