2016年度受験までラスト1年、合格までの親の心得

 受験シーズンがピークを迎えている。中学入試は2月中旬までにほとんどが終了するが、高校は地域により2月~3月、大学は1月~3月に入試が行われる。今年の入試が終わると、2016年の受験生のラスト1年がスタートする。

教育・受験 受験
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  • 大学卒業までにかかる教育費(文部科学省:教育費負担資料より)
  • 高校の教育費に関する保護者の意識(文部科学省:2013年2月調査資料より)
◆親がやってはいけないこと

 長い受験勉強期間、模試等で実力を出し切れないこともあるだろう。お子さんのことを考えるあまり、感情移入してしまうのは親として仕方がないことではあるが、成績不振の際に、叱ったり一緒に落ち込んだりすることがないように気をつけたい。また、受験生に気を使い過ぎるのも禁物だ。親がストレスを抱えると、子どもにも影響するので、適度に発散するよう心がけたい。

 ある塾講師は、子どもの成長には「リミッター(限界)を設定しないことが大事」だと語っていた。お子さんの限界を決めつけない、苦手科目をつくらない(苦手を肯定しない)ことが成績を伸ばすことにおいて重要だ。試験の成績が悪いときに、つい「君は◎◎科目が苦手だね」などと言ってしまうことはないだろうか。本人が苦手意識に逃げ込むと、「やる気が起きない→成績が上がらない」の負の連鎖に陥る可能性がある。克服すべき弱点の把握は必要だが、周囲も一緒になって「苦手を作る手伝い」をすることは避けていただきたい。

◆親の理想を押し付けない

 子どもの進路において、多くの親は理想をもっているもの。特に中学受験は、スタートは親の希望という家庭が大半だ。高校、大学への進学においても、親の出身校に進学させたい、あるいは叶えられなかった夢を我が子で実現したいという想いはどの家庭でもあるのではないだろうか。

 とはいえ、実際に受験をするのは子ども本人。モチベーションをもって受験勉強に励み、結果を出すためには本人の希望を優先させることが大切だ。親が強い希望をもっている場合には、まずは親子でしっかり話し合ったうえで志望校を決めるようにしたい。そのうえで、最後にはお子さんの希望を優先させる家庭が多いようだ。

 どうしても折り合いがつかない場合には、塾の講師など第三者を交えて話し合うことをお勧めしたい。

◆教育資金の準備

 お子さんの進学において、保護者の一番大きな役割は、何といっても教育資金の準備ではないだろうか。日本は先進国の中でも子ども一人当たりの教育支出が高い反面、教育に対する公的支出の水準が低く、教育費の家計負担が重いといわれる。

 そのうえ、授業料も年々値上がりしている。たとえば国立大学の授業料は親世代の1982年(216,000円)から2012年(535,800円)の30年間で倍以上に値上がりしており、この間の個人の平均給与の増加率が1.2倍(国税庁資料より)にとどまることを考えると、保護者の負担は重い。文科省がまとめた「大学卒業までにかかる教育費」によると、高校まで公立で大学が国立の場合は766万円、幼稚園から大学まですべて私立の場合は約2,228万円にのぼるという。

 文部科学省が2013年2月に調査した結果によると、6割以上の保護者が高校の教育費を負担に感じているという。高校では就学支援金制度が導入されているが、保護者は志望校で必要な授業料以外も含めた費用や受験費用を把握し、準備をするとともに、奨学金などの利用できる制度も調べておきたい。
《編集部》

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