所沢市の防音校舎エアコン設置…住民投票で賛成半数も結果に拘束力なし

 埼玉県所沢市では2月15日、防音校舎のエアコン設置に関する住民投票が行われた。同市が発表した開票速報によると、賛成56,921票、反対30,047票。賛成が多数となったが、投票率は31.54%に留まった。今回の住民投票結果に拘束力はない。

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開票速報(賛成票数、反対票数)
  • 開票速報(賛成票数、反対票数)
  • 投票日当日の投票資格者数と投票率
  • 請求の要旨(全文)と市長の意見(要旨)
  • 所沢市ホームページ
 埼玉県所沢市では2月15日、防音校舎のエアコン設置に関する住民投票が行われた。同市が発表した開票速報によると、賛成56,921票、反対30,047票。賛成が多数となったが、投票率は31.54%に留まった。今回の住民投票結果に拘束力はない。

 今回の住民投票は、議会や執行機関が多数意見を知るために行われる「諮問的住民投票」。投票結果に拘束力はないが、住民投票条例で「投票した者の賛否いずれか過半数の結果が投票資格者総数の3分の1に達したときは、その結果の重みを斟酌(しんしゃく)しなければならない」と定めていた。投票率は31.54%に留まり、賛成票は有権者の3分の1まで届かなかった。

 この住民投票は平成26年12月、住民の直接請求に基づいて提出されていた「防音校舎の除湿工事(冷房工事)の計画的な実施に関する住民投票条例」が修正可決され、実施が決定。住民投票条例の指す「防音校舎」とは、市内47校(小学校32校、中学校15校)のうち、小学校18校、中学校11校の計29校のこと。航空自衛隊入間基地を離着陸する航空機の騒音を防止・軽減するため、防音仕様にするとともに、暖房設備などを設置した校舎となっている。

 同市は、これまで発達段階にある子どもたちの身体への影響を考えて、市内小・中学校に冷房設備を整備しないという方針を採ってきたが、平成18年には防音校舎に冷房設備を整備する方針へと転換した。しかし、平成23年の東日本大震災と原子力発電所の事故を契機に「自然と調和を図っていく方向に進路を転換すべき」とし、また同市の財政状況を勘案し、防音校舎への冷房設備を整備しないとした。

 請求を行った住民側は、騒音により国の環境基準が達成されていないことを指摘。以前にも請願書の提出が行われており、「平成17年(齊藤博前々所沢市長在職時)から、計画的に進められてきた本工事を一方的に中止し、多数市民の要望後も方針を戻さないことは、市長の掲げる『教育日本一、子どもを大切にするマチ所沢』とも相反する」と、方針を変更する前に定めた整備方針に基づいて、防音校舎に冷房設備を計画的に設置することを求めていた。

 市長側の意見では、平成19年度をピークに市税収入は減収しており、現在の財政は厳しいと述べている。「冷暖房設備を防音校舎28校(1校は設置済み)に導入するには総額約78億円、市費だけでも約30億円が必要」「狭山ケ丘中での試算では耐用年数10年と仮定した場合、冷房稼働1日あたりの市税投入額は48万円にのぼる」など、設置費用や維持管理費の問題をあげた。また、「もっとも暑い教室でも授業日における30度を超える日数は年間10日以下」と主張し、「知恵と工夫で乗り越えたい」としていた。
《黄金崎綾乃》

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