イヌは「飼い主に協力しない人物」を嫌う…京大の研究から判明

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援助条件・援助拒否条件・統制条件の演技
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 イヌは飼い主に対して協力的でない人物を嫌うことが、京都大学の研究から明らかになった。自身の利益につながらない場面で、イヌが感情的な社会的評価をすることが今回初めて示されたという。

 ヒトの最良の友ともいわれるイヌ。京都大学の千々岩眸文学研究科博士後期課程学生、藤田和生教授ら研究グループは、イヌが自身の利益に直接関係しない場面で、他者をどのように評価するかを調べた。

 調査では、イヌの前で3人の人物が演技をした。中央に座る飼い主を挟み、一方の端に飼い主が援助を求める「応答者」が、反対側には「中立者」が座る。飼い主は、イヌにとって価値のない物体を入れた透明な箱のフタをなかなか開けることができない演技を8~10秒行い、応答者に援助を求める。応答者は援助・援助拒否・統制の3つの異なる条件で行動。援助条件では、応答者は箱を支えて援助をし、その結果フタを開けて物体を取り出すことができた。援助拒否条件では、応答者は顔を背けて援助を拒否。統制条件では、飼い主は援助を求めず、しばらくして手を止め、その間応答者は理由もなく顔をそむけた。いずれの場合も、中立者はなにもしない。

 家庭犬54頭を3群に分け、各群にこれら3つの条件を見せ、演技終了後に、応答者と中立者は手のひらにおやつを載せてイヌに差し出す。1頭につき4試行テスト行った結果、援助条件と統制条件では、イヌはでたらめに人物を選んでいたが、援助拒否条件では、応答者を避けて中立者からおやつを取っていたという。つまり、直接自身の利益には関わらない場面で第三者の感情的な評価をし、嫌な人物を避けるという行動が示された。

 今回示された行動は、援助要請に応じない人物に対する負の感情的評価で、協力的な人物に対する選好は見られなかった。これは3歳児やフサオマキザルと同じだという。こうしたネガティヴ・バイアスは、協力することが、ヒト・サル・イヌといった高度に社会的な動物共通の基本形であることを示唆している。

 今回の研究は、協力社会の進化の解明に重要な一石を投じるとともに、イヌとヒトのよりよい関係を構築するうえでも、重要な資料となるとしている。今後は、親切な人物に対する正の感情的評価が生じるか否かを明らかにすることを課題にあげている。
《黄金崎綾乃》

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