【AO入試の基礎12】AO入試で行うべき自己分析。それに必要な観点は?

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 AO入試や推薦入試を受ける予定の子どもの保護者の質問に、教員経験をもち、総合キャリア支援団体「MyCareerCenter」を運営する岡村洋平氏が答える連載「AO入試の基礎」。第12弾では、自己分析で必要な観点について話を聞いた。

◆自己分析の際に意識したい3つの観点

 第11回の連載で、AO入試に必要な自己分析で重要なことが「今の自分」と、この「やりたいこと」「なりたい自分」との差を知り、これからの課題を具体的にしていくことだと述べました。今回は、そのために必要な3つの観点をお伝えします。

 その3つとは、「Want」「Can」「Must」。それぞれ説明すると、「Want」はやりたいこと。「大学で」というだけではなく、将来を含めて自分がどんなことをやりたいのか、ということです。これをできるだけたくさん挙げようということが、前回の趣旨でした。

 それ以外に重要なのが「Can」、すなわち「できること」と「得意なこと」という視点。やりたいことを挙げる作業が「目標」や「願望」のようなものだとすると、これを考えることは、今の自分の状態を見つめること。

 そして「Must」は、やりたいこと(Want)を実現するために、身につけておかなければならない・できるようにならなければならないこと。いうなれば、WantをCanにするために必要なことがこの「Must」です。これは、就職活動を控えた大学生には必ず考えてもらっていることですが、AO入試をめざす高校生の場合、どのように考えればよいかを具体例で説明してみましょう。

◆課題を把握し、その克服のために行動するところまでが自己分析

 たとえば、やりたいことが具体的には「高校の英語の先生」だとします(「やりたいこと」にたどり着くまでの過程については今回は省略)。それが決まったら、これも思いつくままで良いので、そのために身につけておかなければならないこと(=Must)をイメージし、挙げさせます。たとえば「スキル」や「知識」という面では、英語の知識や英語を話せること、あるいは、生徒を引きつけられる授業ができるようになることなど。スキルや知識だけでももっと多くがありますが、それ以外の「態度」や「経験」なども含んで考えることが重要です。

 というのは、そうでないと、単にこれから勉強すべきことがわかるだけで「身につけるべきこと」を、非常に狭く捉えることになってしまうからです。これについて、高校の英語の先生だとすると、生徒指導なども重要な仕事なので「いろんな生徒の気持ちを理解しようとすること」「さまざまな立場の人と話ができるようになること」や「人前でも堂々と話せること」なども含むでしょう。

 このように、目指すべきところを理解し、そのうえで身につけるべきことを理解したら、今足りない部分を補うことと強みを伸ばすことの両方のために、今の自分にできることや長所を考えましょう。これについては、自分が思っていること・自覚していることも重要ですが、自分では気付かないようなことを指摘してもらうことが必要なので、周囲の友人や保護者から客観的にどのように思われているかも聞くようにしましょう。

 以上のようにして「Must」と「Can」を知ったら、必要なのは以下の2つのことを考えること。

 1つ目は、そもそもやりたいことについての実態をきちんと知らないと、Mustをイメージすることが十分にできません。今の例で言うと、「やりたいこと」が高校の英語の先生だったので、比較的イメージがしやすかったですが、これがもしも「弁護士」となったとしたら、その仕事をどこまで具体的にイメージできるかは、非常に難しいと思います。そうなった場合は、より具体的なイメージのために話を聞きに行ったり、それに近い体験をする機会をすることです(弁護士となると難しいですが)。

 2つ目は、「Want」「Must」「Can」を把握して今の自分の状態がわかったら、そのなかで自分の課題を意識して、課題の解決のために行動をすることです。というのも、AO入試では、大学に入学する目的や学ぶ意欲を伝えるだけではなく、将来のために今も努力をし、課題を克服しようとしていることを伝える必要があるからです。

 「自己分析」というと、現在頭の中にあることを整理したり掘り起こしたりするだけのようにイメージされがちです。しかしそうではなく、課題を見つけ、行動を起こすことに繋げていくことが本来の自己分析です。そして、具体的なイメージを持ったり課題を見つけて行動を起こしたりすることや、その結果、そもそも目指すべき大学や学部が違っていて軌道修正をするようなこともありえます。それが、AO入試の対策を早めに行うべき所以です。

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 連載「AO入試の基礎」は、AO入試や推薦入試を、学生やその保護者が受験をする際の「前向きな選択肢のひとつ」にするべく掲載されるシリーズ。次回以降も、AO入試について役立つ情報を取り上げていく。


《編集部》

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