10代女子が議員を直撃「18歳選挙権、自分の一票の価値は?」(後編)

いよいよ盛り上がる「18歳選挙権」についての議論。聞いてみたいけど言いにくい…。そんな疑問まで、ズバリぶつけてみました。衆議院議員の中野洋昌議員と真山祐一議員が、今だからこそ女子高生たちに伝えたい、熱

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「18歳選挙権」について衆議院議員の方にインタビュー(後編)
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いよいよ盛り上がる「18歳選挙権」についての議論。聞いてみたいけど言いにくい…。そんな疑問まで、ズバリぶつけてみました。衆議院議員の中野洋昌議員と真山祐一議員が、今だからこそ女子高生たちに伝えたい、熱くて深い思いとは!?

◆「投票しても何も変わらないんでしょ」って思っちゃう…。
――みなみ:自分が投票するにあたって、よくニュースで話題になっている「一票の格差」の問題が気になるようになりました。あれって、どういうことなんですか?
――真山祐一議員(以下、真山):一票の格差の問題というのは、たとえば東京で当選する議員と、たとえば私が住んでいる東北で当選する人議員では、票の価値が違うっていう問題なんです。東京で20万票で当選、東北地方では9万票で当選。でも、議席は同じ1です。そうすると一票の価値が違ってきて不平等じゃないか、という議論なんです。

これはもちろん直していかないといけないのですが、一方でこれを直すと地方の議員さんが少なくなっていってしまう可能性があるんですね。そうすると、都会の人に有利な政策になってしまう危険がある。バランスを考えないといけないなと思っています。
――みなみ:そうなんですね。自分の一票にどのくらいの価値があるかって、すごく大事なことだと思うんです。若い人があまり投票に行かないのって、「投票しても、どうせ何も変わらないんでしょ」と思っているからっていうのもあると思うんですよね。
――中野洋昌議員(以下、中野):そうですよね。でも、ひとりの声で政治が動くことって、意外とあるんですよ。実は引っ越してすぐというのは、選挙権があってもその地区では投票できなかったりするんです。ある人から「うちの息子が投票するのを楽しみにしていたのに、できなかった」という声をいただいたんです。そこから僕もいろいろ動かせてもらって、結果的に法律が変わりました。
ひとりの声によって、周りの人が影響を受けているということもかなり多いと思うんです。僕も日ごろから、そういった声に耳を傾けて聞くように注意しています。一票を投じてそれがすぐに政治に反映されるということはたしかにないかもしれない。けれど、政治にアプローチする方法はたくさんあるんだということも知ってほしいですね。
今日の皆さんのように政治に関心をもって僕らと話してくれたりすることも、かなりの影響力があるんですよ。
――えりな:私たちが今知っておくべき知識や、学んでおかなければならないことは何ですか?
――真山:これは難しいですね。学んでおいてほしい知識は本当に山のようにあるんですが、全部を勉強するのは、きっと無理ですよね。
そういう意味で言うと、見出しを流し読みするだけでもいいので、新聞を読むというのはいいかもしれません。今世の中で何が動いているのかという、大きな流れがわかります。そういうことをインプットしておくと、いざ投票する、というときに役立つと思うんです。
逆に言うと「これをやっておけば大丈夫!」みたいな答えはない。だから、何が必要なのか、それぞれ考えてみてほしいと思います。
――中野:学校で何を勉強しておいたほうがいいのか、ということで言うと、語学をよく勉強しておくと、将来の進路に広がりが出るかもしれませんね。僕は一度、アメリカに留学したことがあるのですが、国外に出てみたほうが、日本のことがよくわかると思いました。それって、日本の政治について考えるときにも役に立つと思うんです。

◆これから始まる「主権者教育」って、何のことなんだろう?
――もか:18歳選挙権の実現にあたって「高校生が政治活動に熱中しすぎて勉強しなくなるのでは?
」とか、「政治教育のときに先生が自分の個人的な思想に偏った授業をしてしまうのでは?」といった声もありますが、どうでしょうか?
――中野:たしかに先生の中には、「私はこの党が好きだ!」みたいな偏ったことを無意識にでも言ってしまう人はいると思います。外国だと担任制ではないことが多く、そのことはあまり問題視されないですけどね。
だから先生たちには、ひとつの考え方に偏らないようにしましょう、というのは伝えています。どんな問題でも、見方によって意見はわかれるものですよね。どちらが正しいということはないので、教える立場にある先生が自分の意見を押しつけてしまうというのは、教育とは言えないと思います。
――真山:これはまさに今、国会でも議論されていることです。どんな意見にもいい面と悪い面の両方がありますよね。そういった両面を洗い出して議論するというのが本来の目的です。先生が「この考え方が正しいです」と言うのは違うと思います。
――ひなた:これまでのお話を聞いて政治に興味はわいてきたのですが、いざ調べようとするとやっぱり難しいなあというのが正直なところです。そんな若者でも政治に積極的に参加してくには、どうしたらいいのでしょうか。
――中野:たしかに政治って、わかりにくいし細かいし、なんか難しいですよね。でも、「わかりやすすぎる説明」というのも、問題があることが多いんです。なぜかというと、みんなの将来がかかっているような重大な問題だから、そう簡単なはずがないんですよね。
本来難しい問題なのに、いいところだけを見せてわかりやすく説明すると、本当に大事な問題を見逃したり、間違って理解させてしまう危なさもあると思います。みんなのほうでも、単に聞きやすい意見だからと言って流されたりせず、見極める目を持ってほしいですね。
それには、いろんな意見を聞いてみるのが一番いいと思います。いろんな意見を比べることで、軸ができていくと思うんですね。われわれもそういう環境を作っていけるように、がんばろうと思います。
――真山:私も大学生のころから公明党で活動していて、携帯電話のナンバーポータビリティ制を申し出て採用されたことがあるんです。それが「自分の活動で変わることもあるんだ」っていうことを実感した、最初の体験でした。
そういうふうに、自分の声で政治が変わることって、あると思うんです。そういった思いを胸に、これからも積極的に政治にかかわっていってほしいと思います。

「18歳選挙権」について衆議院議員の方にインタビュー(後編)

《マイナビティーンズ》

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