【高校受験2016】千葉県公立前期<国語>講評…スピードとバランスが必要

 平成28度千葉県公立高等学校の前期選抜が2月9日(火)、全日制課程の129校209学科で実施された。予定人員22,752人に対し志願者数は39,715人、平均倍率は1.75倍だった。SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。

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2016年度 千葉県公立 前期 国語 講評
  • 2016年度 千葉県公立 前期 国語 講評
 平成28度千葉県公立高等学校の前期選抜が2月9日(火)、全日制課程の129校209学科で実施された。予定人員22,752人に対し志願者数は39,715人、平均倍率は1.75倍だった。リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

◆<国語>講評(SAPIX中学部 提供)

 2013年以降8題構成が続いています。放送問題、漢字、対話文、論説文、小説文、古文、作文と多岐にわたる出題が特徴です。限られた時間で多くの問題に対応するためのスピードと、取りこぼしをしないためのバランスのよい学習が求められます。記号選択だけでなく記述も出題されていて、ポイントをおさえた解答を書かなければなりません。千葉県特有で配点の大きい放送問題や短い時間で的確にまとめる作文問題には対策が必要です。

1 放送による聞き取りテスト
 中学生の職場体験におけるインタビューとそれに対する問いが放送されました。メモ欄を利用して内容を的確につかむことが正解につながりました。
2 漢字の読み取り
 標準レベルの出題だったため、しっかり学習していれば全問正解することもできたでしょう。
3 漢字の書き取り
 部首に留意して書く必要がありました。口語ではあまり用いられない漢字も出題されています。
4 国語に関する知識・表現
 「学校だより」の原稿を読んで問いに答える形式の出題でした。行書(ぎょうしょ)と楷書(かいしょ)の筆順の違いを答える見慣れない形式の出題がありましたが、出題の意図が理解できれば正解することは難しくありませんでした。また、多くの中学生が苦手とする敬語表現も問われました。
5 山田英二『新しいグローバルビジネスの教科書』
 グローバル化に伴う新たな価値観を論じた文章が出題されました。記述問題では使用する言葉が条件として提示されていますが、本文をつなぎ合わせれば書けるような単純な出題ではなく、文章内容を的確に把握する必要がありました。
6 森谷明子『春や春』
 俳句甲子園における一幕を描いた小説文が出題されました。文章は平易な表現で、内容の理解は難しくなかったようです。心情描写が多い場面なので、登場人物の気持ちを追うことで高得点を取ることも可能な大問でした。
7 『仮名世説』
 自分の技量におぼれることなく切磋する(=努力して励む)画人の姿を描いた古文の出題でした。現代語訳がすぐ隣に記されているため、読みやすく、取りこぼしてはいけない大問と言えます。
8 作文
 新聞の投書を読んで「あなたの考え」を書く作文で、投書とは別に資料1(辞典の記載)と資料2(世論調査のグラフ)が示され、これらを根拠として論じるという出題でした。誤字脱字に気をつけて書けば、高得点も狙える出題でした。
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 このレポートは2016年2月10日に速報としてSAPIX中学部により作成されたもの。

解答を見る
 なお、SAPIX中学部は新小学6年生、新中1~3年生と保護者を対象とした「高校入試分析会2016」を3月12日より順次実施する。東京、神奈川、埼玉、千葉、兵庫の5会場で実施され、各地域の公立高校や難関国私立高校について、数値を交えての具体的な体験談など、地域に合った説明を行う。分析会の参加申込みおよび会場別の実施日程は、SAPIX中学部のWebサイトを確認する必要がある。

協力:SAPIX中学部
《編集部》

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