2022年度から高校の必修科目になる「公共」ってどんなもの? その頃にはいまのティーンたちは大学生か、あるいは就職しているかもしれません。でも、妹や弟がちょうどこの科目を勉強することになるかも。どんなことを勉強するのか、簡単にまとめてみました。 ■「公共」とは?「公共」では、選挙など政治参加について、そして社会保障や雇用、契約など社会に必要なことも学びます。これは選挙権が18歳以上に引き下げられたことと、ブラックバイトなどで被害にあった学生が増加したことが大きく影響しているようです。従来の学習指導要綱は、「何を学ぶか」を重視するものでした。新しい学習指導要綱は「どのように学ぶか」を重視するとのこと。重視とすることが全く違うものになったのです。■「公民」との違い「公民」は暗記をすればいい科目でした。国会の仕組みだとか、何年にこれがこうなったとか、そういったことを覚えることが求められ、自分の意見を述べたり、考えをまとめる必要はなかったのです。一方、「公共」では、「あなたはどういう考えですか?」という問いかけがあります。常に「自分だったらどうするか?」を考えなければいけない、それが「公共」なのです。社会の一員として「自分ならばどうするか?」を考える力をつけましょう、ということですね。■今後の課題日本は、多様な価値観やマイノリティーの人を受け入れることがまだまだ苦手な傾向があります。でも、1人ひとりの考えが違ってもいいというのが「公共」であり、そのためにも自分の考えをしっかりと持ち、発表できる力・ディベートする力を身に付けないといけません。たとえば、特定のテーマを前もって発表され、「これについての自分の意見をまとめておきなさい」だとディベート力はつかないでしょう。当日そのときになって、初めてテーマがわかり、それについて考え、意見をまとめることができたら、なかなかのもの。そこまでのレベルにすべてのティーンがなるのは、そう簡単ではないかもしれませんが、「公共」はそれだけやりがいのある科目になることは間違いありません。しかし、この科目は先生にとっても課題が山積み。というのは、ただ黒板に板書して説明したらいいわけではないからです。生徒1人ひとりの意見をどうすくいとってまとめていくか? 先生の考えた方向に持っていくのでなく、生徒の声を引き出す必要があるので、先生の腕次第なのです。 選挙権引き下げに伴い、ティーンも「自分で考え、その考えを発表できる」力が求められるようになりました。今後の学校がどう変わっていくのか、そして「公共」の授業がどんな感じになるのか楽しみですね。オタフクマメコ(フォークラス)