英語授業は「身近な話題」が鍵、ベネッセ英語指導実態調査

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 ベネッセ教育総合研究所は、2015年8月~9月にかけて実施した「中高の英語指導に関する実態調査2015」の報告書を公表した。中高での英語授業における課題や教員自身の課題が浮き彫りになっており、合わせて結果から考察する今後の英語指導のあり方も示している。

 調査は8月~9月にかけて全国の中学校・高校の校長1,152人および中学校・高校の英語教員3,935人を対象に行ったもの。2015年12月にはアンケート結果をもとにした速報結果を発表していたが、今回細かな詳細まで取りまとめたダイジェスト版報告書をホームページに公表した。

 調査からは、中高の英語指導において「音読」「発音練習」「文法の説明」におよそ9割と多くの時間が割かれている一方、「即興で自分のことや気持ちを英語で話す」や「英語で教科書本文の要約を話す・書く」などの実施率は低く、「読む」「聞く」が中心で「話す」「書く」活動が少ない傾向があることがわかった。

 「ディスカッション」「ディベート」の実施についても中高ともに1割未満と低く、指導をするうえでおよそ7割~8割の教員が「生徒が自分の考えを英語で表現する機会を作る」ことが重要だと考えているのに対し、実際の実行は中学校19.2%、高校9.9%にとどまるなど、指導現場において理想と現実のギャップや課題が見られた。

 また、中高ともに「生徒に学習習慣が身についていない」「コミュニケーション能力の育成と入試のための指導を両立させることが難しい」との悩みを多く抱えているほか、「自分自身の英語力が足りていない」「英語教師に求められることが多く負担」「授業準備の時間が十分に取れない」など、教員自身の課題や悩みも浮き彫りになった。

 報告書では、詳細な調査結果のほか、結果から考察する今後の英語指導のあり方として東京外語大大学院の根岸雅史教授による特別インタビューなども掲載。根岸教授は英語の指導方法について、高校では大学入試対策を重視して指導する現在の指導方法から、今後の大学入試改革の方向性を踏まえた言語活動のいっそうの充実が必要だとしている。

 また、ディスカッションやディベートの実施率の低さについては、言語活動を難しく捉えず生徒にとって身近なトピックをテーマにすることを提案。社会問題など難しい問題を取り上げ生徒の発言を慎重にさせるよりも英語の授業を「楽しい雑談の時間」と捉え、生徒の英語力に関わらず身近な話題で会話をするサポートを行い、英語力を高めることが重要だとしている。
《畑山望》

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