◆千葉先生のポイント
学び旅では、できるだけ時間に余裕をもった旅のスケジュールでコース設定をしましょう。内容を詰め込み過ぎると、特に、低学年の子どもは集中力が続かなくなるので要注意です。また、旅のテーマにそって交通手段が決まったら、子どもがイメージしやすいように広域地図にルートを記してあげてください。鉄道やバスを乗り継ぐのであれば時刻を調べ、「旅程表」を1枚の紙にまとめるのも良いでしょう。
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観光ジャーナリストの千葉千枝子先生
【1日目】
福岡到着→(天神から電車で約40分)→太宰府天満宮→(電車で約50分)→柳川→(西鉄特急で約70分)→
夜グルメ(子連れのため、屋台は避けて、もつ鍋や水炊きの店へ)→福岡市内宿泊
■太宰府天満宮で、学業上達祈願を
「学び旅」で外せないのが、“学問の神様”菅原道真公を祀る、全国1万2,000社の総本宮・太宰府天満宮。「文化」や「芸術」の神様としても崇拝されており、文化の発信地として現代アートの発表の場「太宰府天満宮アートプログラム」も展開している。また、梅の刻印が入った鉄板で焼く名物の「梅ヶ枝餅」も人気で、毎月25日には「天神様の日」としてヨモギの梅ヶ枝餅も楽しめる。
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太宰府天満宮本殿。まずは学問の神様に参拝しよう
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境内の至る所に配置されている現代アート作品 写真:Like the air that we breath
(c) Ryan Gander, 2011 Courtesy of Dazaifu Tenmangu Shrine, TARO NASU Photo by Yasushi Ichikawa
(c) Ryan Gander, 2011 Courtesy of Dazaifu Tenmangu Shrine, TARO NASU Photo by Yasushi Ichikawa
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初夏の紫陽花。境内では四季折々の花が楽しめる
◆千葉先生のポイント
受験生は合格祈願の絵馬奉納を忘れずに。菅原道真公についての予習には、伝記マンガも多数あるので、低学年でも気軽に学べます。小学校高学年であれば関連書籍を読むのも良いでしょう。
・太宰府天満宮
福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号 太宰府天満宮社務所
JR博多駅より西鉄太宰府駅までの直行便バスで45分
■「どんこ舟」に乗って柳川散策
柳川藩主立花氏の城下町として栄えた水郷・柳川では、「どんこ舟」に乗って城の堀をめぐる「川下り」が有名。柳川は、詩人・北原白秋の生誕地としても知られ、生家は現在も保存され公開されている。また、「柳川市立歴史民俗資料館」には、直筆の原稿や貴重な資料の数々も展示。柳川の伝統工芸や文化を知る展示もあり、柳川の歴史や文化を知るのにもぴったり。北原白秋も食べていたと言われる柳川名物の「うなぎのせいろ蒸し」もぜひ。
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「どんこ舟」に乗って柳川の自然をゆっくりと満喫しよう
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「柳川市立歴史民俗資料館」には、明治・大正・昭和の三時代を生きた白秋の足跡を追える貴重な資料がそろう (公財)北原白秋生家記念財団
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北原白秋。明治18年柳川市沖端に生まれる。北原家は代々柳川藩御用達の海産物問屋だったが、父の代には酒造業となる。明治42年に詩集「邪宗門」を発表。2年後、詩集「思ひ出」を発表。詩壇の第一人者となり、数々の話題作を発表した (公財)北原白秋生家記念財団
◆千葉先生のポイント
作家や画家、歴史的人物への興味が薄くても、実際に関連する土地に訪れてビジュアルで体感することで、興味を持ちやすくなります。
・北原白秋生家・柳川市立歴史民俗資料館
福岡県柳川市沖端55-1
アクセス:西鉄福岡駅から電車で50分
■ 博多グルメ
博多市周辺を回って、へとへとになった体は、博多の夜のグルメで癒そう。家族連れなら、もつ鍋や水炊きなどのお鍋がおすすめ。そのほかにも博多ラーメン、ひと口餃子、海の幸など、一晩では食べつくせないほど。
【2日目】
博多の食と文化の博物館ハクハク→ランチ→福岡アジア美術館→空港
■自分で作る“マイ明太子”!
博多の名産品といえば、明太子。明太子メーカーの「ふくや」がプロデュースした博多の食と文化を学べる体験型ミュージアムにもぜひ足を運びたい。工場の見学はもちろん、「my明太子作り体験」や、「味覚チャレンジ」で明太子味比べができるなど、福岡ならではの体験ができるのが魅力だ。
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博多の名産品やレアアイテムなど、土産の購入もできる
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館内にはミュージアム、工場見学、体験工房、カフェ、ショップの5つのゾーンがある
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工場では明太子の原料や作り方、歴史を学べる
・博多の食と文化の博物館ハクハク
福岡県福岡市東区社領2-14-28
JR吉塚駅より2km
◆千葉先生のポイント
見学だけでなく、体験メニューを加えることで、飽きずに楽しく「学び旅」ができます。工場見学は事前予約が必要なので、早めに計画を立てて準備をしましょう。
■アートで学ぶ、アジアの交流地点・福岡
“アジアの文化交流拠点”の福岡にふさわしい、世界初の「アジア近代美術」に特化した美術館「福岡アジア美術館」。夏休みには絵本ミュージアムも開催され、定期的に絵本の読み聞かせも行なわれる。キッズスペースも用意されているので、子連れでも安心して楽しめる。
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博多の中心地という好立地
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子どもが飽きてきたらキッズスペースで休憩を
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夏休みには子ども向けのイベントが開催される
◆千葉先生のポイント
美術館は、気に入った絵や作品を1枚見つけ、旅の思い出に、そのポストカードを買って帰るといった課題設定をしましょう。
・福岡アジア美術館
福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル7・8F
福岡空港駅より9分、JR博多駅より3分、西鉄福岡駅より1分
このほか、福岡には、工場見学のできるトヨタ自動車九州や、福岡ヤクルト工場、イルカトレーナーチャレンジができるマリンワールド海の中道、日本で一番高い海浜タワーである福岡タワーなど、見どころがたくさん。
「単なる物見遊山ではない、当地ならではの体験や交流を重視するのが学び旅。遠方まで足を運び、その土地でしかできない体験や地元の人との交流によって、感動が生まれ、思い出にも残りやすいので、子どもに合ったプランをしっかりと立てましょう」(千葉先生)。
ここまで紹介してきた福岡の「学び旅」。「もっと事前に福岡を知りたい!」という人は、梅ヶ枝餅、もつ鍋など、福岡ならではのグルメが登場する福岡発の純愛ドラマ「福岡恋愛白書11 キミと見る景色」も要チェック。主演は、今年7月にガールズユニット・9nineを卒業することを発表した女優の川島海荷と、NHKの朝ドラ「マッサン」で一躍ブレイクした俳優の浅香航大。ドラマでは恋人が失明してしまい、それを支えて一緒に生きて行く純愛が描かれており、病やハンディキャップについても考えさせられる。