12年間でスポーツ少年団団員数2割減、団員数1位の競技は?

 日本体育協会と笹川スポーツ財団は共同で、「日本スポーツ少年団現況調査報告書」をまとめた。登録団員数はこの12年間で2割減となり、小学生人口の減少率と同様に減少が進んでいることがわかった。団員数1位の競技はサッカーで、2位は軟式野球だった。

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 日本体育協会と笹川スポーツ財団は共同で、「日本スポーツ少年団現況調査報告書」をまとめた。登録団員数はこの12年間で2割減となり、小学生人口の減少率と同様に減少が進んでいることがわかった。団員数1位の競技はサッカーで、2位は軟式野球だった。

 報告書は、日本スポーツ少年団登録データ(2002年~2014年)を、団員数や団体などを都道府県別、競技・種目別に分析してとりまとめたもの。近年の推移や特徴を明らかにし、子どもの地域スポーツの基盤強化とスポーツ少年団の活性化を図るための方策を検討することを目的としている。

 2014年のスポーツ少年団の登録団員数は、74万1,797人。2002年の93万4,196人を100%とした場合、79.4%まで減少した。2014年の小学生人口は2002年の91.2%で、小学生人口よりも団員数の減少が10ポイント以上進んでいることがわかった。都道府県別では、全国の団員数、各都道府県の小学生人口の増減率と比較すると、団員数の増減率のほうが低い都道府県が多かった。都道府県別のスポーツ少年団加入率をみると、もっとも多いのは加入率17.3%の岩手県、ついで14.3%の山形県、11.6%の福島県。東京都はもっとも低い0.7%だった。

 2014年のスポーツ少年団の団数は、2002年の97.2%にあたる3万4,036団で、わずかな減少でとどまっている。都道府県別に小学校数の増減率と比較すると、団数の増減率のほうが高い都道府県が多かった。一方で2002年から2014年の間に、すべての都道府県で1団あたりの平均団員数は減少。1団あたりの平均団員数は21.8人で、2002年と比較して4.9人減少している。

 団員数が多い40競技・種目では、2002年と比較して団員数増減率は79.4%だった。しかし、半数以上の24競技・種目の増減率が3ポイント以上高くなり、中でも団員数が増加したのはソフトテニス、陸上競技、野球(軟式を含まない)などの14競技・種目。

 団員数がもっとも多かった競技はサッカーで、2002年と比較して増減率は89.9%の14万4,178人。2位の軟式野球の増減率は79.8%で13万10人。サッカーと軟式野球の増減率を時系列で比較すると、サッカーの登録団員数が増えると軟式野球の登録団員数が減り、その逆の時期もあり、男子を中心に人気が拮抗(きっこう)している。

 団員数の増減が特徴的な都道府県と競技・種目について、一部電話などでヒアリングを実施。実態について詳細を把握している人は限られており、「単位スポーツ少年団」「市区町村スポーツ少年団」「都道府県スポーツ少年団」の間で課題を共有する機会が十分に確保されていないことがわかった。報告書では、スポーツ少年団以外の組織を含めた小学生年代のスポーツ活動状況を把握する体制を整備することが急務だとまとめている。
《田中志実》

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