「活躍の場は世界」立教英国学院で得たブレない思いとは…立教英国学院OG・山本茉友さん

 日本初の私立在外教育施設として、英国ウェストサセックス州に設立された立教英国学院。人格形成にも大きな影響を与える多感な思春期を、立教英国学院でどのように過ごしたのか。現在は一橋大学法学部に在籍する学院の卒業生、山本茉友さんに話を聞いた。

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立教英国学院卒業生の山本茉友さん(現・一橋大学法学部在籍)
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  • 立教英国学院卒業生の山本茉友さん(現・一橋大学法学部在籍) 大学のボートレース競技でも活躍中だ
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 日本初の私立在外教育施設として、英国ウェストサセックス州に設立された立教英国学院。40年以上もの伝統に裏付けられた同校のミッションは「英国の地で、寮生活を通じて、他者を思いやり共に生きることを学び、真に国際社会に通用する人間を育成する」(棟近稔校長)である。

 人格形成にも大きな影響を与える多感な思春期を、立教英国学院でどのように過ごしたのか。卒業生の一人で、現在は一橋大学法学部に在籍する山本茉友さんに話を聞いた。

--立教英国学院を選んだ理由を教えてください。

 父の海外赴任に伴い、家族でドイツに在住していました。現地の日本人学校に通っていましたが、日本人学校は中学過程までしかありません。中学過程修了後も滞在が続くことになったので、日本国内の学校と同等の教育施設として認定されている立教英国学院の高等部進学を決めました。

 日本に帰国して進学したり、ドイツのインターナショナルスクールに転入したりする選択肢もありましたが、現地で英語を学べるうえ、小学生から高校生までが集団生活を送るという刺激的な環境に惹かれ、立教英国学院を選びました。

◆小さな幸せでいっぱい、身に付けたのは英語と「生きる力」

--立教英国学院での生活はどのようなものでしたか。

 立教英国学院での毎日は、小さな幸せでいっぱいでした。英会話の授業で不思議とたくさん話せた日、遠くの空に二重の虹がかかった日、食事の席で先輩や後輩との会話が弾んだ日。同じスケジュールに基づいて生活しているはずなのに、毎日何かしら楽しいことがあって、卒業した今、振り返ってみても「単調だった」とはまったく思えません。

 もちろん、友達とけんかしたり、勉強や部活がうまくいかなかったりして悩むことはありました。それでも、周りの人に相談したり、変えられない自分がいる環境の中で自分自身の考え方を変化させたりすることで、辛い時期も乗り越えました。大袈裟な言い方かもしれませんが、どんな環境でも生き抜いていけるバイタリティを身に付け、社会の中での自分の生き方を見つけていく毎日でした。

--立教英国学院での生活で得たものの中で、進路選択に生かされた能力はどのようなものがありますか。

 私は、立教英国学院での生活を通じて、世界の重要な共通言語である英語を使いこなす力と、人との協力や共存のための多様な方法という、国際人になるために不可欠なエッセンスを習得できたと思っています。それは世界や社会を広く捉えることができる能力であり、リーダーの素質であると考えます。

 10代の多感な時期に、立教英国学院での生活の中で多くの貴重な経験ができたことで、日本や国際社会に貢献したいと思うようになりました。そこで大学では、社会運営の基礎となる分野を学ぶことにしました。

--そういった思いから、現在は法学部に在籍されているのですね。

 はい。現在は、一橋大学の法学部に在学しています。社会科学に特化した大学で、学部間の垣根も低いので、法学分野だけにとらわれず、社会学なども幅広く学んでいます。専攻としては刑事司法分野を深めようと思っているので、刑法や刑事訴訟法の講義を多く履修しています。社会にはどのようなルールが存在し、それに基づいてどのように社会が機能しているのかが学びの中心です。

 同時に、英語とドイツ語の学習を続けています。海外在住時の国際交流経験は常に学びや思考の基盤となっており、言語の学習は目的のためのツール習得であるという意識が強いです。

--立教英国学院から大学での学びを通し、将来はどのような職業に就きたいですか。

 自分の中でぶれないのは、「世界で活躍していきたい」という思いです。立教英国学院での国際的な学びを通じて、英国文化に対比して日本文化が浮き彫りになることが多々ありました。

 日本人だからしっくりくるものが多いし、和の文化、和の社会にはそれ特有の魅力があります。けれど、その魅力に気づいていながらも、日本の社会の中にとどまるのはもったいないと思います。広く世界を知っているなら、その広い舞台に上がった方がいいし、そこで自国の魅力を知っているならそれを広め、生かしていった方が世界は多様で豊かになるはずです。

 今はまだ、具体的に就きたい職業をあげることができませんが、日本社会だけを見ず、広いビジョンを持って大学での勉学に励んでいきたいです。

--ありがとうございました。

 山本さんは、立教英国学院で得たものに英語力と並んで「人との協力や共存のための多様な方法」をあげ、それは「国際人になるために不可欠なエッセンス」と捉えていた。多様性の時代に、何がもっとも大切な要素かをすでに俯瞰しているのには感心させられた。

 内向き志向が嘆かれる世代だが、思い切って海を渡れば見方も変わる。立教英国学院での寮生活は、英語という「ツール」の習得にとどまらない、タフネスと柔軟性を育んでいる。それはひとえに、立教英国学院を支える多くの教員たちが、まるで家族のようなあたたかい雰囲気を醸し、生徒ひとりひとりの思いに寄り添い、支え続けている基盤があってこそ、なのだ。

【立教英国学院 入試情報】
■中学部1年
・B日程
出願期間:2017年1月27日~2月7日(必着)
入試日 :2017年2月12日
■高等部1年
・B日程
出願期間:2017年1月27日~2月7日(必着)
入試日 :2017年2月12日

 学期ごとに途中編入も受付けている。詳細は立教英国学院Webサイトで確認のこと。
《加藤紀子》

加藤紀子

京都市出まれ。東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は中学受験、海外大学進学、経済産業省『未来の教室』など、教育分野を中心に様々なメディアで取材・執筆。初の自著『子育てベスト100』(ダイヤモンド社)は17万部のベストセラーに。現在はリセマムで編集長を務める。

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