デジタルネイティブ世代が開発、コクヨのテープのり「ツインズハート」

 コクヨのテープのり「ドットライナー」に、イベント限定パッケージが登場する。2つの製品が重なりハート型に納まった「TWINSHEART by DOTLINER」と名付けられたものだ。

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「TWINSHEART by DOTLINER」のロゴを紹介する「McCANN MILLENNIALS」のメンバー。左から、足立さん、斎藤さん、折茂さん。
  • 「TWINSHEART by DOTLINER」のロゴを紹介する「McCANN MILLENNIALS」のメンバー。左から、足立さん、斎藤さん、折茂さん。
  • 「TWINSHEART by DOTLINER」のパッケージ。
  • 「TWINSHEART by DOTLINER」のロゴを紹介する「McCANN MILLENNIALS」のメンバー。
  • プランナー・折茂さん /2015年カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルの若手コンペティションに日本代表として参加。寝る前にSNSを巡回して、若い世代で何が起きているのかをチェックするのが日課だという。
  • クリエイティブプランナー・斎藤さん / 「McCANN MILLENNIALS」に参加するようになり、仕事の幅が広がったという。自身も中学生時代には「おそろ」を楽しんでいたとのこと。
  • アートディレクター・足立さん /「TWINSHEART by DOTLINER」でデザインを担当。「形にさせていただけてよかったです。これをきっかけに、周りの子と一緒にツインズハートをつくって自撮りしたり、仲良くなれるきっかけに少しでもなればいいなと思います。」
  • 「TWINSHEART by DOTLINER」のパッケージデザイン。
 コクヨのテープのり「ドットライナー」に、イベント限定パッケージが登場する。2つの製品が重なりハート型に納まった「TWINSHEART by DOTLINER(以下、ツインズハート)」と名付けられたものだ。


 この「ツインズハート」を生み出したのは、『McCANN MILLENNIALS(マッキャン ミレニアルズ)』というイノベーションプロジェクトのメンバー。様々な世代の特徴を、マーケティングの世界では「団塊の世代」だとか「団塊ジュニア」「ジェネレーションX」などと名付けているが、「ミレニアルズ」というのは、1980年代から2000年初めに生まれた世代のことで、日本では「ゆとり世代」に相当する。

◆固定電話を知らない世代

 ミレニアルズ世代の有志が集まり、世代名をそのまま冠した『McCANN MILLENNIALS』は、世界的な広告会社グループであるマッキャン・ワールドグループの若手社員が立ち上げたもの。社内外の共感してくれる人たちとディスカッションしたり、コラボレーションのアイデアが浮かんだら、組織にとらわれずにグループ内の若手だけで新規クライアントに飛び込みもするという型破りなスタイルで活動している。「ツインズハート」はそういった若手社員だけで考え出したアイデアだ。


(以下、敬称略)

―― McCANN MILLENNIALS発足の経緯を教えてください。

折茂: 以前は、20代のクリエイターがプレゼンする機会がなく、若手にも元気がなかったんです。一方、SNSでのコミュニケーションとか、デジタルネイティブな世代にしかわからないことがあると思うんですね。

 象徴的な面白い話があるんです。通話機能のアプリアイコンは、固定電話の受話器をモチーフにしているのですが、今の若い世代には、なぜあの形なのか知らない人もいる。そういう世代に向けてのコミュニケーションは、TVCM時代の「15秒に全てかける」的なものとは違うアプローチが必要になると思っています。

―― 確かに、コミュニケーションのあり方は劇的に変わってますね。

折茂: はい。世の中こうしたら面白い、と思っても様々な意見を聞いているうちにカドが取れてくる場合もあるので、これだ!というアイデアが出たら、自分たちで飛び込みのプレゼンをしています。信じたことをやってみたら、本当に世の中にフィットしたコミュニケーションが出てくると思っています。

◆女子中学生の「おそろ」文化

―― 「ツインズハート」のアイデアはどうやって生まれたのですか?

足立: コクヨ様から依頼いただいたテープのりの広告プランを考えている時にひらめきました。いただいた課題から、より一歩絞り込んだコンセプトだったのですが、どうしても実現したくてプレゼンの場でその思いとともにご提案したんです。そうしたら担当の方にとても気に入っていただいて採用になったのですが、広告キャンペーン化や、製品化のハードルが高かったので、共同プロジェクトとしてコクヨハクというイベントで発表しようということになりました。つい1か月前のことです。(笑)

―― 展開が早いですね(笑)

足立: いまの女子中学生の間で流行っているという、仲のよい友達と同じものを持つ「おそろ」に着目しました。ブレストしている中で、「おそろ」にしてみようとドットライナーを2つ重ねたら「ハート型」になることを発見したんです。「これだ!」と思いました。そこから、スピーディーにアイデアを形にしていきました。まず、2つのドットライナーがハート型に重なった状態をモチーフにロゴを作って、よりアイコニックなアイテムに見えるようにした上で、同じくハート型に重ねたパッケージデザインを考えていきました。

―― まさに発見ですね。アイデアを生み出すために大変な思いをするのではないですか?

斉藤: このプランを考える時は、とても楽しかったです。自分が中学生に戻った感じで。まさに「おそろ」してましたから。(笑) このパッケージにすることで、プレゼントにしたり、「おそろ」として友達と一緒に持ったりというように、使い方が広がります。そのままオブジェとして置いてもかわいいと思います。

―― 最後に読者のみなさんに一言お願いします。

一同: 3月31日から開催されるコクヨハクで限定販売をします。パッケージだけではなく、ディスプレイにもこだわりましたので、ぜひ見に来てください。

<取材を終えて>
 デジタルネイティブというだけでなく、取材中も次々とアイデアが飛び出して、若いクリエイティブなパワーを感じた。「ゆとり」というネガティブなイメージを持つ世代「ミレニアルズ」が、これからどんなことを生みだしていくのか、その動向を見ていきたい。

デジタルネイティブ世代が生み出した! イベント限定販売「ツインズハート」とは

《防災訓練生.S》

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