日本自動車工業会二輪車特別委員会が実施した都道府県教育委員会への調査で、高校生バイク利用に対する教育現場の姿が浮き彫りになってきた。3ない運動は、教育委員会が推進する場合と、学校長の独自判断によるもの、または、その両方という場合がある。教育現場はバイク利用をどう考えているのか。全体像がかすんで見えたのは、聞く相手によって回答が違っていたからだ。(以下=件数は、都道府県のこと)自工会は「高校生の二輪車利用に関する全国調査」で、まず都道府県教育委員会に質した。Q:教育委員会は高校生の原付免許取得について、どのような方針で臨んでいるか?免許を取得させてないようにしている…3件一定の条件付きで許可を促している…3件取得制限は特にしていない…15件取得を認めるように促している…0件その他の方針…26件数字は、免許禁止より何らかの形で認めているほうが多いみえるが、最も多いのは態度をあいまいにした「その他の方針」だ。半数以上もある。自工会はその内容についても調査分類を進めた。「26件のうち『免許を取得させない』または『条件付きで許可』に配分できそうな回答が8件、『とくに方針を示していない』が6件、『各学校の判断による』とした回答が12件ある」。さらに、この結果を自工会は「高校生の原付免許取得について教育委員会としての指導方針を持たないところが多かった」と、分析する。では、それぞれの学校長はどう判断しているか。教委を通してい聞いている。有効回答は31件。16件は調査を行っていないと回答した。定時制についても同様の調査をしているが、ここでは全日制を抜き出す。Q:全日制高校の原付免許取得状況は? (31件の高校総数1938校)免許取得禁止…978校(50.5%)条件付きで許可…841校(43.1%)制限なし…119校(6.1%)交通教育は利用実態と事故の徹底的な分析を積み重ねることで、その指導方針が絞り込まれている。高校生のバイク利用は「命の大切さ」を大きなテーマとしながら、全国の半数以上の教委や学校で、現場任せで放置しているとは言えないか。