京大H29年度式辞に歌詞引用、JASRAC使用料規程に該当?

 京都大学は、第26代総長の山極壽一氏による平成29年度学部入学式式辞を掲載。京都大学によると、山極総長がボブ・ディラン氏の楽曲歌詞の一部を引用したとして、日本音楽著作権協会(JASRAC)から利用手続きの案内があった。

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  • 京都大学 平成29年度学部入学式 式辞(2017年4月7日) ※画像は一部
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 京都大学は、第26代総長の山極壽一氏による平成29年度学部入学式式辞を掲載。京都大学によると、山極総長がボブ・ディラン氏の楽曲歌詞の一部を引用したとして、日本音楽著作権協会(JASRAC)から利用手続きの案内があった。

 外国曲が該当するJASRACの使用料規程は、「第11節 インタラクティブ配信」内の「2
包括的利用許諾契約によらない場合」。使用料規程によると、外国曲に関しては「1曲1リクエスト当たりの情報料の20%または歌詞、楽曲それぞれ20円のいずれか多い額を上限」として決定する。使用料規程は公開されており、JASRACのWebサイト内「JASRACについて」で閲覧できる。該当箇所は第11節のPDFファイル全19ページ中、13ページ目にあたる。

 山極総長は4月7日、平成29年度新入生に向けた式辞内でボブ・ディラン氏の楽曲「blowin' in the wind」の歌詞の一部を引用。京都大学は、山極総長の式辞をWebサイト上に掲載するにあたり、「引用との認識があったため、引用である旨を明記するため、『(“ ”は、Bob Dylan氏の「blowin' in the wind」より引用)』と表記し、公開した」という。

 その後、ゴールデンウィーク明けごろにJASRACから電話で音楽著作物の利用に関する確認の連絡があったという。JASRACも、「電話で説明したのは利用料の支払いに関してではなく、利用の事実確認と使用料規程を案内した」だけであると話している。

 京都大学は、利用に関する手続きの実施について「現状は検討段階にはない」とし、詳細な案内があった場合は担当現場内で確認するとした。京都大学、JASRACとも、今回の外国曲の歌詞利用が著作権法に認められた公正な「引用」ならば、問題はないと認識している。
《佐藤亜希》

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