【高校受験2018】千葉県公立入試後期3/1<国語>講評…平均点下がる予想、読みに「殊」

 平成30年度(2018年度)千葉県公立高等学校入学者選抜の「後期選抜」が平成30年3月1日(木)、全日制課程121校148学科で実施された。リセマムでは、京葉学院の協力を得て、後期選抜学力検査の「国語」の講評を速報する。

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2018年度千葉県公立高校後期選抜<国語>講評
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 平成30年度(2018年度)千葉県公立高等学校入学者選抜の「後期選抜」が平成30年3月1日(木)、全日制課程121校148学科で実施された。募集人員11,599人に対し16,281人が志願し、志願確定倍率は1.40倍だった。リセマムでは、京葉学院の協力を得て、後期選抜学力検査の「国語」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

◆<国語>講評(京葉学院 提供)

 大問構成や大問毎の配点は例年通りでした。読解問題での記述問題は4問で、合計字数は72字(以内)と、例年よりも多くなりました。これらの記述問題は、本文の語句をそのまま用いることができないものが多かったため、受検生は苦労したことと思われます。また俳句や短歌が本文中にあり、それらに関する問題も出題されたことも例年と異なるところです。聞き取り問題は比較的平易で、作文も書きやすいものだったと思われますが、制限時間が40分と短い時間の中で処理することが求められるため、全県平均点が67.2点と高かった前年度よりも、平均点は下がるものと思われます。

1、放送聞き取り
 「千葉アクアラインマラソン」を応援する横断幕に書くキャッチフレーズを学級の話し合いで決めるという場面で、二つに絞られた候補の推薦者から意見を聞いて、設問に答えるものでした。放送内容が話される前に問題用紙を開き、選択肢を見ながら放送を聞き、設問は放送されるという型式が3年間続いています。設問は、説明の仕方や発言の構成・展開に関するものがそれぞれ1問ずつ、二つの候補の共通点を問うものが1問、放送場面以降の話し合いの進め方に関するものが1問の計4問でした。設問形式別に見ますと、選択問題が3問、抜き出し問題が1問で、この抜き出し問題は、二つの候補の共通点を3字で記述するというもので、字数が指定されていること、その前後の文が問題用紙に示されていることから、放送内容を把握できていればさほど難はなかったものと思われます。大問の配点は例年通り12点でした。

2、漢字の読み
 例年通り、中学校配当漢字の読みが4問出題されました。「貪(る)」「殊(に)」はやや難しかったと思われます。「貪」はH22年に追加された常用漢字です。例年漢字の書き問題に四字熟語が出題されますが、今年度は読み問題に「一網打尽」が出題されました。また配点は各2点、合計8点と例年通りでした。

3、漢字の書き
 例年通り、小学校配当漢字の書きが5問出題されました。「汽笛」「卵黄」と、受検生には馴染みが薄いと思われる語句の出題がありました。毎年三字または四字熟語が出題されますが、今年度は読み問題で出題されました。また配点は各2点、合計10点と例年通りでした。

4、文学的文章の読解
 「図画の教師に『元町のガクブチ屋の絵だ』と絵を批評された級友が、その後苦悩しながら描いたと思われる絵を見た主人公が、『ガクブチ屋の絵』ではなく情感がこもっていると感心し、それを伝えたところ級友に『お前は、絵がわかる』と言われた」、という趣旨の文章を読んで設問に答えるものでした。選択問題が5問、記述問題が1問出題されました。これは主人公の心情理由を記述するものですが、本文の語句を使用して解答を作成する、というものではなかったため戸惑った受検生も多かったものと思われます。選択問題のうち4問は登場人物の心情を問うもので、1問は文章全体について問うものでした。登場人物の心情や場面、出来事を把握できれば、それほど難はなかったものと思われます。大問の配点は例年通り24点でした。

5、説明的文章の読解
 「俳句の情報量は少ないが、それをきっかけに読者が脳裏に収めているさまざまな情景を思い出すことができる」という趣旨の文章を読んで設問に答えるものでした。例年現代文読解の大問から文法問題が1問出題されますが、今年度は説明的文章の読解の中で、助動詞「ようだ」の識別問題が出題されました。読解問題は、選択問題が3問、記述問題が2問出題され、季語を答える問題が1問出題されました。文章は論理的な要素よりも随想的な要素が強く、筆者の主張や思いをつかむことが求められました。季語を抜き出す問題は、文章中に挿入されている俳句のそばに解答語句が書かれていたことから、季語の知識さえあれば発見するのにさほど難はなかったでしょう。3問出題された選択問題も、筆者の主張や思いをつかむことによって正解肢を得ることが出来ました。記述問題は、本文の語句をそのまま使用して解答を作成できる、というものではなかったため、苦労した受検生も多かったものと思われます。大問の配点は例年通り24点でした。

6、古典の読解
 「『風流の友』の三人のうち一人が、見事な鯉をもう一人に送り、受け取った者がそれをさらに別の一人に送り、その者が結局もともとの送り主に送った」という古文を読んで設問に答えるものでした。本文中に「料理」という語があることから、この鯉が食用であったことがわかります。設問は、現代仮名遣いに直す問題、選択問題、記述問題がそれぞれ1問ずつ、抜き出し問題が2問出題されました。現代仮名遣いに直す問題は平易であり、また抜き出し問題と選択問題も本文内容がおおよそつかめていれば解答できるものでした。記述問題は本文全体の内容から解答を作成するというもので、難度は高いと思われます。大問の配点は例年通り12点でした。

7、条件作文
 友だちとの会話について提示されている二つの意見のうち、大切だと思う意見を選んだ上で、それを選んだ理由を書き、次に友だちとコミュニケーションにおいて大切にしていることを7行以内(1行は20字)で書く、というものでした。書くべきことが明らかになっていることから、比較的書きやすい作文だったものと思われます。配点は例年通り10点ですが、採点基準の細部については各学校で定めることになっています。
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 このレポートは平成30年3月1日(木)に速報として京葉学院により作成されたもの。

 京葉学院は、千葉県内で学習塾や個別指導タクシスなどを展開している。平成30年度の千葉県公立高等学校入学者選抜については、各校で入試報告会を実施。開催日時など、詳細は各校へ確認すること。

協力:京葉学院
《編集部》

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