名門中に多数合格、名家庭教師が説く計算力を鍛えるための3つの視点

 子どもの学力を上げる方法に限らず、より広い「子育てのヒント」を名門指導会代表 中学受験相談局主任相談員 塾ソムリエ 西村 則康氏が伝授。名門難関中学に2,500人以上を合格させてきたカリスマ家庭教師の最強の子育てのノウハウ、理系脳を育む秘訣とは。

教育・受験 未就学児
 子どもの学力を上げる方法に限らず、より広い「子育てのヒント」を名門指導会代表 中学受験相談局主任相談員 塾ソムリエ 西村 則康氏が伝授。名門難関中学に2,500人以上を合格させてきたカリスマ家庭教師の最強の子育てのノウハウ、理系脳を育む秘訣とは。

正確さとスピード両方を高めるために



 具体的な指示をせずに、ただ「計算を速くしなさい」と言うだけでは、子どもは計算ミスを多発するようになります。また、やみくもに多量の計算練習をさせると計算嫌いになってしまうこともあります。うちの子の計算が遅い原因は何だろうと、しっかりと分析をしてから指示を与えてあげてください。

 計算処理は、いくら速く解くことができても正確でなければ意味がありませんから、「正確さ」と「スピード」の両面を見ていく必要があります。そのためには、次の3つの視点が必要です。

1.数のユニットをたくさん覚えるようにする

 数のユニットとは、たとえば10にするためには4だったら6、15にするなら7だったら8というような、補数の練習です。

 また、「15分が4つ集まれば1時間だ」というような生活のなかでよく使う数字にも慣れておく必要があります。半分は1/2と同じ、1/8は0.125というような分数と小数の関係は、ぜひとも子どもに覚えさせてください。

 45度の扇形の場合、45/360を約分してやっと1/8が出せる子と、45度がすぐに1/8とわかる子では、当然ながら、スピードと正確さが大きく異なります。

 ぜひ身につけておきたい数のユニットは左を参考にしてください。

●10になる補数(1と9、2と8、3と7、4と6、5と5)
●15になる補数(1と14、2と13、3と12、4と11、5と10、6と9、7と8)
●15の倍数(これを覚えておくと、15分の2倍は30分、4倍は1時間……を素早く理解できます)
●25の倍数
●45の倍数
●2の累乗(2、4、8、16、32、64、128、256、512、1024……このあたりまで)
●3の累乗(3、9、27、81、243、729……このあたりまで)
●1/8=0.125、3/4=0.75

2.数字の短期記憶の訓練も効果的

 数字を短時間頭のなかに留めておく「短期記憶」を鍛えておくことは、スピードと正確さ両面において非常に有効です。数字の写し間違いによるミスがある場合はなおさらです。これは、短時間のうちに記憶された数字が別の数字に入れ替わってしまうという、子どもにはよくあるミスですが、短期記憶を鍛えることで簡単に改善できます。

 方法は、2ケタ×1ケタの暗算訓練を用います。

 お母さんは、適当に思いついた2ケタと1ケタを子どもに投げかけ、子どもはそれを書き取らずに頭のなかだけで計算する。たったこれだけのことですが、実際にやってみるといろいろな数字を同時に覚えておかなければいけないことに気づかされるのではないでしょうか。元の数字、繰り上がった数字、繰り上がったために増えた数字……。ぜひやってみてくださいね。

3.暗算と筆算とのバランスを取る

 計算ミスがあるからと、何から何まで筆算を要求するお母さんがいらっしゃいますが、それは間違いです。大切なのは、暗算の正確さを高めることです。

 暗算と筆算のバランスは、子どもごとに異なります。2番目でお話しした「2ケタ×1ケタ」の暗算訓練が進んでくれば、これも暗算の範囲に入れることができるようになります。

御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方(西村 則康 著/アスコム)より「最強頭脳のベースをつくる23の法則」

御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方

<著者プロフィール:西村 則康(にしむら のりやす)>

名門指導会代表 中学受験相談局主任相談員 塾ソムリエ.。30年以上、難関中学・高校受験指導を一筋に行う家庭教師のプロフェッショナル。一つの解法を押しつけるのでなく、その子に合った方法を瞬時に提示する授業で毎年多数の生徒を最難関中学の合格に導く。これまでに男子御三家の開成、麻布、武蔵、女子御三家の桜蔭、女子学院、雙葉をはじめ、灘、洛南高附属、東大寺学園、神戸女学院などの難関校に合格させた生徒は2,500人以上にものぼる。受験学習を、暗記や単なる作業だけのものにせず、「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込んでいく「名門指導会」の授業は、いずれの講師も翌年まで予約が殺到するほどの人気を誇る。また、授業を通して親子の絆を深めてほしいと、父母と子どものコミュニケーション術や声かけ法についてもアドバイスしている。家庭教育雑誌や新聞などに頻繁に登場し、情報発信も積極的に行う。特に16万人のお母さんが参考にしている中学受験No.1サイト「かしこい塾の使い方」では、保護者の質問一つずつに丁寧に答えることをライフワークとしている。

《リセマム》

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