世田谷区立中の制服、男女別なくスラックス・スカート選択を検討

 世田谷区教育委員会は平成30年3月19日、区立中で男女の別なくスラックスとスカートを選択できるよう検討する方針を明らかにした。世田谷区議会にて、中学校の標準服を「LGBTに限らず、生徒の選択の幅を広げるよう求める」という区議会議員の質疑に答えたもの。

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  • 平成30年4月1日施行予定「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」
 世田谷区教育委員会は平成30年3月19日、区立中で男女の別なくスラックスとスカートを選択できるよう検討する方針を明らかにした。世田谷区議会にて、中学校の標準服を「LGBTに限らず、生徒の選択の幅を広げるよう求める」という区議会議員の質疑に答えたもの。

 世田谷区は平成30年4月1日より、「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」を施行予定。すべての人が「多様性を認め合い、人権が尊重され、尊厳を持って生きることができる」「自らの意思に基づき個性および能力を発揮し、多様な生き方を選択することができる」「あらゆる分野の活動においてともに参画し、責任を分かち合う」ことを基本理念としている。

 上川議員(レインボー世田谷区)は世田谷区議会予算特別委員会の質疑にて、三重県や大阪府などが行ったLBGTなど性的マイノリティーに関する調査と世田谷区が把握している実態との差を指摘。この差は調査方法の違いによるものだとして、「当事者人数の把握方法をさらに工夫し、現場の対応力強化も図っていただきたい」と発言。区教育委員会は、「学校教育においても、性同一性障害者や性的指向などを人権課題のひとつとして捉え、多様性を認め、人権を尊重する教育を進めるとともに、個別の対応や適切な支援が重要であると認知している」として、各校の実態把握の方法や情報共有について検討していくという。

 上川議員は、一部の学校では女子生徒が中学校の標準服でスカートとスラックスの選択ができるが、となりの中学校では選択できないといった現状を指摘。また、条約が施行されるなか、女性だけが選べるのもどうかと疑問を呈し、「LGBTに限らず、生徒の良識を信用して、選択の幅を広げるよう求める」と述べた。

 教育委員会によると、入学前の保護者会で提示される資料などで、標準服の例示となる写真として男女の別が記載されたものをほとんどの学校で使用。着用については、一部の学校でスカートとスラックスを選択できる旨を記載しているという。上川議員の発言に対して「日ごろから子どもたちが自分らしく学校生活が過ごせるよう意識を醸成することが大切」だとして、「いずれの学校においても生徒が選択できるような環境整備について、校長会と連携し検討する」と答えた。

 世田谷区議会ではインターネット議会中継を行っており、会議の録画映像も公開している。
《黄金崎綾乃》

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