【話題】都が「こどもの城」購入予定か、閉館理由に言及する声

 2015年2月1日に閉館した東京都渋谷区に所在する国立の児童施設「こどもの城」を、東京都が複合型の公共施設として活用する計画を進めているとする報道が話題だ。閉館理由を振り返る。

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こどもの城 国立総合児童センター(画像は2018年9月26日時点のもの)
  • こどもの城 国立総合児童センター(画像は2018年9月26日時点のもの)
  • 国立総合児童センター「こどもの城」の概要
 2015年2月1日に閉館した東京都渋谷区に所在する国立の児童施設「こどもの城」を、東京都が複合型の公共施設として活用する計画であるとする報道が話題だ。惜しまれながら閉館した施設を巡り、歓迎と疑問の声があがっている。

 「こどもの城」は、昭和54年(1979年)の国際児童年を記念し、日本ではじめての国立総合児童センターとして1985年11月1日に開館した児童施設。開館から2014年11月末までの入館者は延べ2,831万6,290人。国からの委託を受け、児童育成協会が運営を行っていた。閉館後、2018年9月26日現在は内閣府子ども・子育て本部の管轄内にある。

 館内には、体育室・プレイホール・造形スタジオ・音楽ロビー・ビデオライブラリー・パソコンルームなどの施設を有したほか、青山劇場と青山円形劇場の2つの劇場、ホテル・研修室・レストラン、小児保健クリニック、保育施設などを備えていた。

国立総合児童センター「こどもの城」の概要
国立総合児童センター「こどもの城」の概要

 厚生労働省の2012年9月28日発表によると、おもな閉館理由は3点ある。1点目は、開館当時と比べ子どもの遊び方が多様化し、子どもを取り巻く環境が大きく変化していること。2点目は、地方自治体における児童館・地域子育て支援拠点の整備が進んできたこと。そして、3点目には建物の老朽化が進行していることがあげられていた。

 多くの都民が親しんだ施設であることから、閉館当時は施設の老朽化が原因なら「補強工事で対応してほしい」「大好きな劇場のひとつだったから悲しい」「子どもの大好きな場所」「本当に残念」などの嘆きの声があがった。「こどもの城」の象徴とも言える、建物正面に設置された岡本太郎氏によるシンボルモニュメント「こどもの樹」の行方を案じた反応も見られた。

 「こどもの城」復活の兆しを受け、インターネットユーザーからは「思い出がいっぱい詰まった場所の嬉しいニュース」「青山劇場と青山円形劇場が戻ってくることだとしたら嬉しい」といった歓迎の投稿が見られた。その一方、報道の一部には施設活用予定として「中高年の生涯学習の拠点」との内容が含まれていたことや、閉館当初の理由になっていた老朽化に関する言及がないことから、購入への疑問を示す者も見られた。また、閉館当時は建物と敷地を都が購入し、都立広尾病院を移転する計画もあったことから、二転三転する計画に説明を求める声もあった。

 東京都によると、都による「こどもの城」の購入は現時点では決定していない。国の所有物であることから、活用方法などに関わる詳細は今後、検討していくとしている。
《佐藤亜希》

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