タブレットで小学校入学前準備「スマイルゼミ 幼児コース」新規開講

 ジャストシステムは、すべての学習がタブレットで完結する「スマイルゼミ」において、新たに「幼児コース」を開講する。今回は記者発表から新しい「幼児コース」の特長などをレポートする。

教育・受験 未就学児
ラーニングイノベーション事業部 企画マーケティンググループ 寺尾房代氏
  • ラーニングイノベーション事業部 企画マーケティンググループ 寺尾房代氏
  • スマイルゼミ小学生コースのアンケート結果より
  • スマイルゼミ幼児コースの10分野
  • 自立した学習とみまもりの学習サイクル
  • ラーニングイノベーション事業部 企画教材グループ 鎌田美代氏
  • 「きょうのミッション」の選択画面
  • ひらがなは赤い点をなぞって学習
  • アニメーションで「かず」を勉強
 ジャストシステムは、すべての学習がタブレットで完結する「スマイルゼミ」において、新たに「幼児コース」を開講する。これまでの「スマイルゼミ」は小学生および中学生が対象だったが、幼児向けの講座を望む保護者の声が高まっていることから、そのノウハウを生かした講座を開発した。今回は記者発表から新しい「幼児コース」の特長などをレポートする。

 なお「スマイルゼミ 幼児コース」は年長・年中・年少の3コースで構成されている。年少児向けの「年少冬講座」は毎年12月から翌年3月までの期間限定講座。2018年12月1日に開講するのは、現・年少児向けの「年少冬講座」と現・年中児向けの「年中コース」となっており、2018年11月20日(火)から申込み可能となっている。また、来年4月に小学1年生になる現・年長児向けには「スマイルゼミ 小学生コース 新1年生準備講座」が用意されている。

保護者の悩みや不安をスマイルゼミのノウハウで解決



 まずラーニングイノベーション事業部、企画マーケティンググループの寺尾房代氏から、幼児向け通信事業をはじめる背景や目的などについて説明があった。

 寺尾氏によると、昨今の教育改革のなかでは、幼児期の教育においても小学校の「新学習指導要領」との繋がりが強く意識されているという。幼児期の終わりまでに育ってほしい姿が提示されてはいるものの、幼児教育では共通のカリキュラムや教科書があるわけでもなく、いつまでに何を身に付ければよいか、小学校の入学前までに何をしておけば良いのか、保護者の悩みや不安は尽きない。そこで、これまでの「スマイルゼミ」で培ってきたノウハウをもとに幼児向けコースの開発に至った。

ラーニングイノベーション事業部 企画マーケティンググループ 寺尾房代氏
ラーニングイノベーション事業部 企画マーケティンググループ 寺尾房代氏

 「スマイルゼミ 幼児コース」は、小学校の入学前に身につけたい10分野の教材をタブレット1台に集約している。保護者が自分自身で市販の教材を選ぶ際などは、どうしても分野の偏りが心配になるが、このタブレットでは「ひらがな」「カタカナ」「ことば」「かず」「かたち」「とけい」「えいご」「ちえ」「せいかつ」「しぜん」の10分野をバランスよく習得できるカリキュラムとなっている。

スマイルゼミ 幼児コースの10分野
マイルゼミ 幼児コースの10分野

 「幼児コース」では幼児の特性を徹底的に研究しているとのことで、自立した学習の実現を念頭にして、「しっかり書いて学ぶ」「ひとりひとりに最適な教材を配信する」ことを重視。タブレットの特性を最大限に生かすことで、“触る、聞く、見る、話す”などの体感する教材を豊富に盛り込んでいる。

 また幼児コース専用の機能として、親子で一緒に学習の“振り返り”ができる仕組みを採用した。「きょうのできた!」に、ひらがなやカタカナの筆順や音読の音声、描いた絵などを映像や音声、静止画像として保存し、それらを親子で確認ができる。一緒に振り返りながら、花丸やコメント、スタンプなどをつけることで、子どもの自立心やモチベーションを保ちながらのコミュニケーションが可能となっている。保護者向け専用アプリとサイト「みまもるネット」ではPCやスマートフォンから「きょうのできた!」の内容を画像として確認することも可能となっているので、忙しい保護者の助けにもなるだろう。

「きょうのできた!」は親子で学習内容を共有できる
「きょうのできた!」は親子で学習内容を共有できる

 日常的に学習の習慣付けをしたいと考える保護者は多い。しかし、幼児ひとりで学習を習慣化するのは難しく、付き添う保護者の時間的な負担をはじめとして、特に共働き世帯などでは習慣化のハードルが高くなる場合があると考えられる。スマイルゼミのタブレット学習ならば、幼児が自発的に楽しく学習に取り組み、また保護者も無理なくその過程を見守ることができるのではないだろうか。こうした“自立した学習”と“保護者の見守り”による学習サイクルの仕組みは、多くの保護者から支持されるのではないかと感じた。

幼児が自分一人で学習できるための徹底的なこだわり



 続いて、ラーニングイノベーション事業部、企画教材グループの鎌田美代氏が幼児コースの教材の説明を行った。実機体験と合わせて、以下にその特長を紹介しよう。

ラーニングイノベーション事業部 企画教材グループ 鎌田美代氏
ラーニングイノベーション事業部 企画教材グループ 鎌田美代氏

 電源を入れるとすぐに「きょうのミッション」で取り組むべき講座が提示され、音声やアニメーションによって画面操作を誘導することで、幼児ひとりであっても学習を開始することが可能となっている。ドリルなどの教材や鉛筆、消しゴムを用意して、じゃあ今日はここをやって…といった毎日の準備がなくなることは、子どもだけでなく保護者にとってもありがたいことだろう。

「きょうのミッション」の選択画面
「きょうのミッション」の選択画面

 解いた問題は、その場で自動丸付け、間違えた場合には自分でその原因に気付けるようガイドされる。この機能も保護者にとっては本当に助かる機能と考えられる。日常の丸付けの負担、間違えた問題をどのように説明して気づいてもらうかなど…悩みの多い保護者もかなりいるのではないだろうか?「何でわからないの?」と思わず子どもの学習意欲を削ぐような言葉も発してしまう場合もあることだろう。そのような学習支援をタブレットに安心して任せることができれば、保護者は適切な声掛けに徹することができるのではないだろうか。また、同じ問題に何度も取り組めて、解くたびに変わる類題も多数収録されているため、反復学習による知識や能力の定着が期待できるのも素晴らしい。

 「ひらがな」「カタカナ」の学習では、まず画面上の赤い点を追いかけてなぞると自然と正しい書き順や字形をマスターできる。そして、幼児が自分で書いた文字をタブレットで自動判定することで、具体的にどこがどう間違っているかが指摘される仕組みとなっている。そして何よりインターフェイスやユーザビリティが幼児向けに最適化されていることも心強い。なぞり書きをする文字が大きければ、幼児の手では書きにくくなることから、ユーザー検証を繰り返し実施して、幼児でもスムーズに書ける大きさを実現するなど、そのこだわりには驚かされた。

ひらがなは赤い点をなぞって学習
ひらがなは赤い点をなぞって学習

 幼児を持つ保護者の多くが、小学校までには「ひらがな」「カタカナ」の習得を終えておきたいと望んでいると思うが、この「幼児コース」では独自のカリキュラムによって学習のペースを自動的に配分していくため、小学校の入学までには「ひらがな」「カタカナ」の読み書きが無理なくできるようになるとのことだった。

空間認識力など今後重視される力の養成にも有用



 タブレットの特長のひとつに、指や声を使って能動的に操作が可能であることがあげられるだろう。スマイルゼミのタブレットに付属の高性能三角デジタイザーペンを利用すれば、さらにタブレット上で書く・描くことでさまざまなものを表現することもできる。

 このようなさまざまなアクションを直感的に行いながら、幼児が自ら進んで学習していくために、保護者が課題を一方的に与えることによって子どもがどうしても受け身になりがちな紙の教材とは異なり、難しい学習内容であっても自発的な行動からより深い理解が得られる可能性があるのではないだろうか。

紙教材では難しい空間認識力の育成
紙教材では難しい空間認識力の育成

 多くの幼児が積み木やブロックなどを利用して遊びの中で実際に触れて図形や立体を認識しているが、学習教材では紙や画面の中で二次元の図形になって出てくることがほとんどである。そしてそのことが図形における学習上の戸惑いになる場合もある。スマイルゼミのタブレット画面上で表示されている立方体や円柱などの図形は、幼児が自分の指で能動的に動かすことができる。ぐるぐる自由に動かすことで、さまざまな角度から図形の見え方を理解していく。昨今、注目されている空間認識能力の育成、見えない部分への想像力、わからないことへの思考力を深める工夫が施されている

保護者の関心も高い「英語」



 自分の子どもに英語だけは習得させたいという保護者の要望はかなり根強いものがある。そして、だからこそ保護者としてはどの時期に何を教材として用意すれば良いのか悩みも多いことだろう。

 今回の「スマイルゼミ 幼児コース」では、全会員に「英語」教材が提供される。特に文法や読解などの規則を覚え込ませるのではなく、幼少期だからこそ、いかにネイティブの音声に数多く触れることができるか、そして「英語」そのものを楽しみながら慣れ親しむことができるかに重点が置かれている。絵本の読み聞かせや英単語を聞いてリズムに合わせながら発音を真似するチャンツ、体操(リトミック)などの教材から英語に親しめる基本的な環境が準備できるのは頼もしい。

 また、オプション講座の「英語プレミアム」では、さらに英語に触れる量を増やすことができる。なおオプション講座「英語プレミアム」は「スマイルゼミ 幼児コース」の会費に加えて、月額680円(税別)が必要となる。

モチベーションを継続する“ご褒美”



 日々の学習後は、学習意欲を継続するための仕掛けとして「きょうのごほうび」がもらえる仕組みとなっている。

 その1つが「コレクションカード」。たとえば、世界のおやつや恐竜などのカードをコレクションとして取っておけるものだ。さまざまなテーマから知的好奇心を引き出すことを目的としているため、モチベーションを継続させるだけでなく、学習効果も期待される。もう1つは「マイキャラ」というアバターに使うことができる服やアクセサリーなどのパーツ。タブレット上で幼児が自分で編集できるアバターを、徐々にグレードアップできる仕組みとなっている。

ごほうびの「コレクションカード」
ごほうびの「コレクションカード」

 こうしたゲーム的な楽しさや面白さがあるからこそ、子どもたちは自発的に学習に取り組み、スモールステップで少しずつ課題を自分で乗り越えていくのだろう。

小学校の入学準備に最適な幼児教育の総合パッケージ



 小学校の入学準備といっても、読み書きをはじめ、思考力の養成や英語、ほかにもスポーツやピアノなど、いろいろと始めていくならば、習い事の多さから親子ともども疲れてしまい、結局のところどれも継続できないという話も実は多いのではないだろうか。

 前述したとおり「スマイルゼミ 幼児コース」は1つのタブレット内に10分野という実に豊富な講座群を有しており、学習を続けるための工夫も満載。月あたりの会費2,980円(税別)からとなっており、別途専用のタブレット代9,980円(税別)が必要となるものの、そのコストパフォーマンスは非常に高いと考えられる。

 スマイルゼミでは体験会や約2週間のお試し入会も用意しているので、一度、実際に体験してみて子どものようすをまずじっくり見てみるのも良い手ではないだろうか。「楽しい体験」からもっと学ぶことは続けられるのだから。
《佐久間武》

佐久間武

早稲田大学教育学部卒。金融・公共マーケティングやEdTech、電子書籍のプロデュースなどを経て、2016年より「ReseMom」で教育ライターとして取材、執筆。中学から大学までの学習相談をはじめ社会人向け教育研修等の教育関連企画のコンサルやコーディネーターとしても活動中。

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