<数学>講評(練成会 提供)
例年どおり大問数は5題。標準問題は小問数も変わらず、裁量問題は小問数が17問から16問に変更。全体を通して例年より解法の糸口が見つけやすい問題が多く出題されている。そのため教科書レベルの基本問題を確実に得点できるかがポイントとなる。変更があった点としては、2年連続で出題されていた文章記述問題が出題されなかった。
図形単元からの出題が標準問題選択で60点中25点、裁量問題選択では27点と総得点のおよそ4割を占めている。そんな中で、空間図形と円周角の定理が今回は出題されなかった。標準問題3、裁量問題2で出題された魔方陣に関する問題は問題文が読み取り辛く、特に問1で時間を使ってしまったのではないかと予想される。一方、標準問題4、裁量問題3の関数は非常に解き易く、高得点につながるのではと考える。裁量問題5は、非常に解き易かったであろうことと、問2で「資料の整理」からの出題(記述問題含む)があったことが特筆すべき点。(資料の整理は、ここまで標準問題・裁量問題の共通部分でしか出題されていなかった)
総じて、得点しやすい問題と、得点しづらい問題とにはっきり分かれている。その中でも今回は得点しやすい問題が多く、また中間点として得点できる部分も多くあり、中間点の結果が合計点の差に繋がると予想される。
全体を通して、各単元の基本事項を完全に理解し、そのうえで問題集などを通して応用力を養成する必要がある。図形に関する問題が多い傾向は続いているので、証明や円周角・三平方の定理・空間図形などに関する問題も早いうちに着手することが大切である。融合問題など難度の高い問題の対応策としては、普段から全国の入試問題などに触れ、正確に図やグラフを実際に描くことで解法の糸口を探す訓練が不可欠となる。
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このレポートは平成31年3月5日(火)に速報として練成会により作成されたもの。
協力:練成会