卓球選手は頭がいい…ナショナルチームに入る条件に学力テスト

 2020年の東京オリンピックを1年後に控え、世界で活躍するスポーツ選手たちの姿を目にする機会が増えてきた。幼いころから活躍する選手たちはどのように育ってきたのだろうか。「世界卓球解説者が教える卓球観戦の極意」(ポプラ社)より、育成秘話を紹介する。

教育・受験 未就学児
イメージ写真
  • イメージ写真
 2020年の東京オリンピックを1年後に控え、世界で活躍するスポーツ選手たちの姿を目にする機会が増えてきた。幼いころから才能を伸ばし、小学生、中学生、高校生、大学生と選手生活を送りながら学業と両立し、頭角をあらわす選手たちはどのように育ってきたのだろうか。

 日本卓球協会常務理事、強化本部長、Tリーグ理事、前・JOCエリートアカデミー総監督、前・男子日本代表(ナショナルチーム)監督の宮崎義仁氏の著書「世界卓球解説者が教える卓球観戦の極意」(ポプラ社)より、日本の顔となる選手の育成秘話を紹介する。

頭の良くない子は卓球が上達できない



 練習以外の部分で厳しい特別な規定があったりはしないのだが、協会としては「とにかく勉強しなさい」ということを言っている勉強の科目も社会もやれば国語もやる、英会話だけじゃなく韓国語もと、非常に多岐にわたる。だから、中学生も高校生も選手はみな、海外に教科書を持っていっている。男女で1人ずつ家庭教師を帯同している。そして1日の中で1時間は勉強時間と決めている。家庭教師の費用は日本卓球協会が捻出している。

 卓球選手には頭のいい子が多い。去年の全日本ジュニアチャンピオンは学校の成績がオール5で、東大を受験できるくらいの学力がある。これまでのインターハイチャンピオンにも学年で1位という子はたくさんいた。卓球の実力がある選手は、みな例外なく頭が良い。

 逆に頭の良くない子は卓球が上達できない。各学校へ行って先生に「エースの子は勉強の方はどうですか」と聞くと、決まって学年1位とか、クラスで1位とか、特進クラスに入っている、と返ってくる。「うちのエースは、勉強は全然ダメなんだけど、卓球だけは強いんですよ」という子はあまり聞いたことがない。

 他の競技では、「練習だけに打ち込んできたので、勉強は全然ダメ」ということを聞くこともあるが、卓球の一流選手にはそれはあり得ない。強い選手は学力も高い。一方で、卓球以外のスポーツをやらせたら全然できない、という選手は多い。こういったスポーツはなかなか類に例を見ない。

 卓球には運動能力の優劣は関係ない。関係ないというのは、運動能力がある子はそれを活かすプレーをし、運動能力がない子にも、ないなりのプレースタイルがあるので、それを極めていけばチャンピオンになれる、ということだ。それよりも、頭の回転が速い子の方が確実に卓球は伸びる。だから、勉強ができる子の方が強くなる。勉強ができない子は伸び悩む。戦術も自分で考えなければならない。自分の頭で考えることができず、監督やコーチの指示通りのことしかできない選手は、将来的には絶対に試合では勝てない。

 今後も協会としては、卓球と勉強を必ず両立させるということも徹底してやっていくつもりだ。勉強を捨てて、卓球一筋でいこうというような子は絶対にどこかで行き詰まるからだ。だから選手として大きく成長していくためには、勉強もする、整理整頓も行うう、食事も好き嫌いせず何でも食べて、挨拶もきちんとできる、そういう部分がしっかりとできている子でないと頂点は取れない。

張本選手もいつも100点



 小学校のナショナルチームの合宿中も、夜は必ず勉強の時間を取っているし、国語や算数、それに英会話のテストも実施している。

 そもそも小学生ナショナルチームに入る条件として6割は試合の結果、2割は体力とコーチの評価、そして残りの2割は学力テストだ。卓球のナショナルチームには勉強ができないと入れないのだ。

 張本選手も合宿のときのテストはいつも100点だった。ここまで頭がいい子は見たことがない。それと相関するように、ここまで卓球が上手な子も見たことがない。

 テレビで「スポーツマンナンバーワン決定戦」といった運動能力を競う番組では、卓球選手はごく一部を除いてほとんど活躍できないだろう。しかし、「スポーツマン学力ナンバーワン決定戦」などというのがあれば、きっと1位だ。

世界卓球解説者が教える卓球観戦の極意

発行:ポプラ社

<著者プロフィール:宮﨑義仁(みやざき よしひと)>
 公益財団法人日本卓球協会常務理事、強化本部長。一般社団法人Tリーグ理事。世界卓球解説者。前・JOCエリートアカデミー総監督。前・男子日本代表(ナショナルチーム)監督。
男子日本代表監督として、2004年アテネオリンピック、2008年北京オリンピック、2012年ロンドンオリンピックで指揮をとる。監督退任後は、強化本部長としての選手育成やTリーグの創設などに尽力する。テレビ中継のわかりやすい解説が評判で、「リオオリンピック」、「世界卓球」「グランドファイナル」などの解説を担当する。くわえて、「Going!」「上田晋也の日本メダル話」「中居正広の6番勝負」(以上、日本テレビ)「ビートたけしのスポーツ大将」「とんねるずのスポーツ王は俺だ?」(以上、テレビ朝日)などのメディア出演多数。


《リセマム》

【注目の記事】

編集部おすすめの記事

特集

page top

旬の教育・子育て情報をお届け!(×をクリックで閉じます)