昨今、おもに集団的自衛権や9条に関して、改憲論が叫ばれている。日頃のニュースでも取り沙汰されることもある中、たとえ未就学児であっても、何となく話題の重要性を感じ取っている子どもたちは多いのではないだろうか。
1947年の今日施行された日本国憲法の成り立ちとは。そこに込められたメッセージとは。そもそも「けんぽう」とは。純粋な子どもたちからの核心をついた質問にたじろがないためにも、今一度学び直してみたい。
長い長い10連休も後半。子どもとともに憲法に触れてみてはいかがだろうか。
口語調の条文&イラストで腑に落ちる、憲法入門書
小学校中学年~高学年を想定して書かれた子ども版憲法解説書。6年生の社会科で学ぶ「国民主権」「平和主義」「国民の義務と権利」など、要点をしぼって解説する。「法律」と「憲法」の違いなど、わかったふりになっている大人たちを救ってくれる本。
教育学者×話題のイラストレーターの最強タッグ
東大法学部、教育学研究科を経て、明治大学文学部で教鞭を振るう教育学者・齋藤孝氏が、子どもにとって身近で大切な条文をピックアップ。多数の絵本賞を受賞した「もう ぬげない」などで人気のヨシタケシンスケ氏によるイラストで、癒されながら憲法を学ぶことができる。
立川談志氏・永六輔氏も大絶賛の芸人が、ひとり芝居を絵本化
「こんにちは、憲法です。70歳になりました。わたしがリストラされるといううわさを耳にしたんですけど、ほんとうですか」…芸人・松元ヒロのひとり芝居を絵本化。政治風刺を交えつつ、憲法自体を擬人化したユーモラスなストーリー。
「みんなが守るべきルール」の基本がわかる絵本
憲法を「檻」に、権力を「ライオン」にたとえて、立憲主義のしくみをイラストで解説する『檻の中のライオン ─憲法がわかる46のおはなし』を絵本にして、さらに低年齢の子どもたちにもわかりやすく伝える。現在9刷を重ねるベストセラー。紙芝居版もある。
英文日本国憲法を再翻訳することでわかる、憲法の本質
一般にはあまり知られていないが、英文日本国憲法が存在する。再び日本語に読み替えることで、見える本質がある。一世を風靡した人気作品『世界がもし100人の村だったら』を世に出した翻訳家・池田美代子が手がける憲法の本。
マンガの挿絵がわかりやすい憲法入門書
2人の大学生が憲法を学ぶ設定で進行する憲法入門書。9条、改憲、集団的自衛権など、今話題のトピックスにも言及し、読者に考えさせる仕組みも。他国の憲法と比較することで日本国憲法の特徴をよりわかりやすく伝える。
憲法と関わって社会で活躍する8人が贈る、憲法の意味
女性議員である福島みずほ氏を中心に、社会活動家や弁護士など、憲法に関わりながら活躍する8人による授業形式の入門書。職業と憲法との関わり合いも学べる、一種のキャリア教育本として活用することもできる。
直木賞受賞作家が子どもの言葉に憲法を翻訳
平和憲法の精神を表す前文と9条を、直木賞作家である井上ひさしが子どもにも伝わる言葉で翻訳。いわさきちひろによるやわらかい色彩の挿絵とともに、温かい気持ちになる憲法解釈本。
出版社:講談社
単行本
著:井上ひさし/イラスト:いわさきちひろ
ページ数: 76ページ
価格:1,028円
発売日:2006.7.21
サル山共和国のゆるふわストーリーで、憲法を学ぶ
架空の国・サル山共和国で起こる事件や出来事を通して、法律の考え方と解釈をわかりやすく解説する。うさぎのヤスヒコとともに「みんなの幸せ」を探すストーリー。刑法や民法に関するサル山共和国での物語も刊行されている。
憲法制定に関わった当事者が残した、子どもたちへのメッセージ
著者の佐藤功氏は、内閣法制局参事官などとして憲法の制定に関わり、後に上智大学などで教鞭をとった憲法学の権威。1955年に残した子どもたちへのメッセージに、首都大学東京教授・木村草太氏が解説を付けた復刻新装版。