東京都教育委員会は2019年6月27日、2019年度(平成31年度)東京都立高等学校入学者選抜における学力検査結果の調査について公表した。教科別の平均点を見ると、国語と理科は2018年度より上昇し、数学と英語、社会は低下。特に英語は13.6点低い平均点となった。 東京都教育委員会は、都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査を毎年実施し、その結果を公表している。各教科・各問の分析や結果を提供することで中学校や高校の教科指導改善に役立ててもらうことを目的に調査を実施。第1次募集・分割前期募集(2019年2月22日実施)において、全日制高校を志願し、共通問題による学力検査を受検した者を対象とした。2019年度都立高等学校入学者選抜の最終応募状況によると、全日制の募集人員3万1,619人に対し、志願者数は4万4,160人だった。 教科別の受検者数は、国語3万6,273人、数学3万6,276人、英語3万6,030人、社会4万590人、理科4万590人。平均点を見ると、国語71.0点、数学62.3点、英語54.4点、社会52.7点、理科67.1点。前年度(2018年度)の平均点と比べると、国語は5.1点の上昇、数学は4.2点の低下、英語は13.6点の低下、社会は8.8点の低下、理科は5.6点の上昇となった。もっとも点数差が大きかった英語の2019年度得点分布を見ると、64点~67点の割合が若干高くなっているものの、40点~67点までがほぼ同じ割合。80点以上の受検者の割合が減少した。 そのほか、各教科の「各問の内容および正答率ならびに誤答分析」「指導の改善の視点」も掲載。たとえば、数学の正答率について、大問2の問2は5.2%、大問4の問2(2)は1.9%と低く、2018年度と比較した場合も低下していたという。このことから、推論の過程を的確に表現する力を育むことが課題とし、「数学的な表現を用いて根拠を明らかにしながら伝え合う活動を通して、正確にわかりやすく表現する能力を高める指導を充実させること」などを改善の視点としてあげている。 調査の結果は、東京都教育委員会Webサイトに掲載。出題方針や各問のねらいなども確認できる。