東大2回合格の医師が教える!「脳」率アップな勉強法その3

 「偏差値アップには医学的根拠が必要」。東大に「2回」合格した医学博士・福井一成氏の言葉である。この記事では脳の働き、記憶のメカニズムを受験勉強に応用する利用法を紹介する。

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「改訂版・東大に2回合格した医者が教える脳を一番効率よく使う勉強法」表紙
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 「偏差値アップには医学的根拠が必要」。東大に「2回」合格した医学博士・福井一成氏の言葉である。この記事ではKADOKAWA発行、著・福井一成氏の『改訂版・東大に2回合格した医者が教える脳を一番効率よく使う勉強法』より、脳の働き、記憶のメカニズムを受験勉強に応用する利用法を紹介する。今回はその第3弾。

歩くと記憶しやすくなる理由



暗記ものは歩きながら覚える



 時と場合によっては、歩きながら勉強したほうが効果的ですし、それが正しいことが脳科学的に証明されています。

 歩いたり走ったりすると脳が働くことは、皆さんもすでに経験しているはずです。たとえば、高校の授業中にイスに座って先生の話を聴いていると眠くなりますが、体育のときに眠くなる生徒はいません。つまり、イスに座っているより、体を動かしているほうが脳が目覚めているのです。

 歩いたり走ったりするほうが脳が働く理由は、2つあります。

 1つは、脳の血流量が増加するからです。足の筋肉が縮んだり緩んだりをくり返すことがポンプの役目となり、体の血液の流れがよくなって脳への血のめぐりもよくなります。このことから、足は「第二の心臓」といわれています。

 もう1つの理由は、「脳幹網様体(のうかんもうようたい)」が刺激され、眠気がなくなるからです。脳の「幹」、脳幹は生命の維持に重要で、ここにダメージを受けると意識がなくなります。

 たとえば、交通事故で意識不明になった患者が病院に運ばれると、手足などに針を刺す検査をします。もし手足を引っ込めれば脳幹は大丈夫で命は助かりますが、まったく反応しなければ脳幹がダメージを受けていて、助からない可能性が高いのです。

 針刺し検査と同様、歩いたり走ったりするときに足が地面を踏んでいる感覚が脳幹網様体に伝わり、目が覚めるわけです。

 歩きながらの勉強法は、暗記科目に使えます(当然ですが、計算問題や記述式問題には向いていません)。まず、イスに座ったまま教科書や参考書の1ページを読みます。次に、部屋の中を歩き回りながら、頭の中で暗記事項をくり返すのです。

 もし忘れている部分があったら、イスに座って教科書や参考書で再度確認しましょう。それから、また歩き回りながら暗記します。

 そのページが暗記できたら、イスに座って教科書や参考書の次のページに進む。以下、同様です(ずっと歩くのが疲れるという人は、立って勉強すればいいでしょう)。

聴きながら歩けば効果は倍増



 前に「教科書や参考書を音読し、録音したものを聴いて暗記しよう」と書きました。この勉強法が効果的な理由は、2つあります。

 1つは、視覚だけで覚えるより、視覚と聴覚の両方を使ったほうが記憶が定着しやすいからです。もう1つの理由は、空いた時間、たとえば通学時や食事、体が疲れて横になっているときなどを有効に活用できるからです。

 高校や予備校への行き・帰りなど、電車やバスの席が空いていても座らないで、両耳にヘッドホンをつけ、立って聴きましょう。電車やバスが揺れたり曲がったりするときに足を踏ん張るので、脳幹網様体が刺激されるからです。

 歩いて通うときは、ヘッドホンは片耳だけでOKです。左耳ではなく右耳で聴いてください(ただし、男子は左耳で)。右脳の海馬に音として記憶されると同時に、左脳の海馬にも言語として記憶されるからです。

 日本体育大学の研究によると、分速100メートルの早足で歩くときに脳の覚醒度が最大になるという結果が出ています(走るときは分速150メートル)。ですから、通行人や車にぶつからないように注意しながら、分速100メートルで歩きましょう。

 駅の近くや繁華街に、「足の裏マッサージ(=リフレクソロジー)店」がたくさんあります。リフレクスとは「神経の反射」という意味で、足の裏の特定部分を押すと、神経反射によって特定の内臓が活性化します。

 たとえば、親指なら頭、ほかの指のつけ根なら目や耳などです。

 これだけ多くの店があるということは、多くの人がリフレクソロジーの効果を認めている証拠です。特に主婦やOLに人気ですが、お金がかかるので高校生には難しいでしょう。しかし、安い値段ですませる方法があります。

 それは「健康サンダル」を履くことです。このサンダルは、足の裏を乗せる部分が凸凹(でこぼこ)しており、その刺激が脳幹網様体に伝わります。屋外用と室内用とがありますが、室内用(=サンダルというよりもスリッパ)がオススメです。部屋の中を歩きながら暗記するときにも、室内用の健康サンダルを履くわけです。そうすれば、脳がもっと活性化します。

 健康サンダルは流行に関係なく、昔からサンダル売り場の片隅に、ほんの少しですが必ず置いてあります。このことは、今も昔も、多くの人が健康サンダルの効果(=脳の活性化)を認めている証拠でしょう。

裸足で暮らした子どもたち



 私の小学生時代には、「裸足教育」が流行していました。体育や運動会はもちろん裸足ですが、国語や算数など教室内の授業も裸足です。つまり、1日中ずっと裸足でいることを、小学校が生徒に強制するわけです。

 グラウンドで裸足になるのは、扁平足を予防して土踏まずを作るのが目的です(=土踏まずのアーチがクッションの役目をするので、膝や腰の負担が少なくなる)。教室でも裸足なのは、脳内にβエンドルフィンを分泌させ、A10神経を活性化して学習能力をアップするためです。

 もっと詳しく説明すると、
「足の裏が教室の床に触れる→神経が気持ちいいと感じる→脳の中でβエンドルフィン(=脳内モルヒネ)が分泌→βエンドルフィンがA10神経(=快感神経)を活性化する→A10神経は海馬・側頭葉・前頭葉などに分布→海馬の記憶力がアップする→側頭葉で過去の記憶を再生→前頭葉の思考力がアップ→前頭前野で勉強の達成感を味わう→A10神経自体の働きで裸足は快感と感じる」
となります。

 脳科学的にみると、こういうプロセスによって学習能力がアップするわけです(注意:教室の中で足の裏が気持ちいいと感じない生徒は、上記のプロセスが起こらないため、学習能力がアップしません)。

 残念なことに、その当時は脳科学があまり発達していなかったので、裸足教育のメリットが世間の人に理解されませんでした。やがて、「裸足は原始的だ、野蛮だ」と考えられ、裸足教育の流行も終わってしまい、現在では裸足教育の小学校はほとんどなくなりました。

 私が通学していた小学校は、裸足教育ではありませんでしたが、生徒が裸足になるのは自由だったため、私は自分から積極的に裸足になりました。裸足になると気持ちがいいし、「ヤル気」が出るため、裸足になっていたのです。

 不思議なことに、私の小学校の場合、男子より女子のほうが裸足になる子が多くいました。女子は足の裏の皮膚が薄いので、裸足の感覚が脳に伝わりやすい。そして、それが気持ちがいい(=βエンドルフィンの働き)という感覚が、右脳→脳梁→左脳の前頭葉と伝わるため、「裸足になりたい」と考えて実行します。

 だから、女子はすぐ裸足になる。βエンドルフィンを利用した裸足教育は、女子に向いている勉強法というわけです。

長時間の勉強を可能にした、私の「裸足ジョギング」



 私が東大入試の受験勉強を本格的に始めたのは、高2の夏休みですが、その際、裸足を勉強に利用しました。

 朝起きたら、近所を裸足でジョギングします。道路の凹凸(おうとつ)が足の裏を刺激するので、眠気が覚めて頭がシャキッとします(=脳幹網様体の働き)。それに、裸足になること自体で「ヤル気」が出ます(=A10神経の働き)。体を鍛えることが目的ではなく、脳を刺激するのが目的なので、走る時間は5分~10分くらい。家に帰ったら、スッキリした脳ですぐ勉強を開始します。

 しかし、何時間も勉強していると、だんだん脳が疲れてくるので、勉強のスピードが遅くなります。そこで、午後にも裸足でジョギングし、再び脳をシャキッとさせてから受験勉強を再開しました。つまり、裸足のジョギングが勉強計画の中に組み込まれていたわけです。

 この方法は、足の裏が気持ちいいと感じる(=βエンドルフィンの働き)人でないと、効果はありません。もちろん、高校生の私は、そういう脳科学的なことは知りませんでしたが、裸足のジョギングが脳をシャキッとさせるし、ヤル気も出ることはわかっていました。それが長く続けられた理由です。いきなり裸足で走るとケガをしてしまうので、靴底(ソール)の薄いシューズをはくことをおすすめします。

改訂版 東大に2回合格した医者が教える 脳を一番効率よく使う勉強法

発行:KADOKAWA

<著者プロフィール:福井 一成>
 医学博士。開成中学・開成高校を経て、東大の文2に入学。文2の在学中に、記憶のメカニズムや効率的な勉強法を身につける。その効果を確かめるため、10月に仮退学しわずか4ヶ月半の受験勉強で、東大の理3に合格した。東大医学部を卒業後は、医師として勤務しつつ、勉強法や脳科学に関する著書や雑誌記事を執筆。医学的根拠のある科学的勉強法を受験生に薦めている。現在は老人ホームの施設長・理事。


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