幅広い読書が「思考力・創造性」に好影響、学力向上にも

 幅広い読書が子どもの「思考力」や「創造性」によい影響を与えることが2019年10月25日、ベネッセ教育総合研究所の調査・研究より明らかになった。多くのジャンルの本を読んでいる子どもほど学力が向上し、教科では特に「社会」の成績に効果があった。

教育・受験 小学生
 幅広い読書が子どもの「思考力」や「創造性」によい影響を与えることが2019年10月25日、ベネッセ教育総合研究所の調査・研究より明らかになった。多くのジャンルの本を読んでいる子どもほど学力が向上し、教科では特に「社会」の成績に効果があった。

 「小学生の読書に関する実態調査・研究」は、進研ゼミ会員が自由に使える電子書籍サービス「電子図書館まなびライブラリー」の利用者の読書履歴と学力テストやアンケート調査の結果をもとにベネッセ教育総合研究所が2018年8月から2019年7月の1年間にわたり、追跡して調査・研究したもの。対象は、同期間に継続して進研ゼミを利用した小学5年生(調査終了時は小学6年生)。

 調査対象者のうち、1,756人が回答した読書アンケートによると、「いろいろな種類の本」を読む子どもと読まない子どもを比較したところ、読む子どものほうが読書の効果を実感していた。読む子どもと読まない子どもとでは、「わからないことを自分で調べるようになった」40.6ポイント、「いろいろな人の考えを知ることができた」「難しいことを考える力がついた」39.7ポイントなどで大きな差が見られた。

 調査では、子どもが読んだ本のジャンルを「お話・読み物(絵本を含む)」「自然・科学に関する本(図鑑・事典、自然・生物、科学・技術)」「社会・歴史に関する本(歴史・伝記・地理、社会・文化)」「生き方に関する本(哲学、職業・産業、芸術・趣味、言語)」の4つに分類。学力テストを受けた4万4,608人のうち、期間中に1冊以上の本を読んだ2万639人について電子書籍の読書履歴から集計したところ、読んだジャンル数は「1ジャンル」が29.3%、「2ジャンル」が29.2%、「3ジャンル」が24.7%、「4ジャンル」が16.9%だった。

 読んだジャンル数別に学力テスト4教科の偏差値平均の変化を見ると、「4ジャンル」が0.9ともっとも高く、教科ごとでも同様の結果となり、多くのジャンルの本を読んでいる子どもほど学力が向上していることがわかった。「4ジャンル」の教科ごとの偏差値平均の変化では、「社会」2.0、「理科」0.5、「算数」0.3、「国語」0.1と、社会の成績で特にその傾向が顕著に表れた

 このほか、よく読まれた本をジャンル別に見ると、「お話・読み物」では「おれがあいつであいつがおれで」(KADOKAWA)のような定番の児童文学のほか、「小説 劇場版 七つの大罪 天空の囚われ人」(講談社)など映画や人気コミックのノベライズが上位となった。

 「自然・科学」「社会・歴史」に関する本では、「いきもの最強バラエティーウソナンデス」(学研プラス)、「ジュニア空想科学読本」(KADOKAWA)、「しくじり歴史人物事典」(学研プラス)など、専門的な内容を子どもが手に取りやすいやわらかい切り口で扱った作品がよく読まれた。手に取りやすい切り口の科学・歴史などの本が、子どもたちの興味の幅を広げることに役立ち、読書のジャンルを広げることにもつながっているという。

 ベネッセ教育総合研究所では、「幅広い種類(ジャンル)の読書には、興味や知識の広がり、考える力(思考力)の向上、創造性の涵養など、さまざまな力を高める効果があるとともに、教科の学力、特に『社会』の成績を向上させる効果もあることがわかった。幅広い読書を通して、自分の興味を広げながら、調べたり考えたりしたことが『社会』の成績にも結びついたと考えられる」と分析している。
《奥山直美》

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