震度6弱の地震発生、電車と自動車が衝突…西武鉄道が総合復旧訓練

西武鉄道は11月12日、震度6弱の地震災害を想定した「2019年度 総合復旧訓練」を玉川上水車両基地(東京都東大和市)にて実施した。

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震度6弱の地震が発生、電車と自動車が衝突---西武鉄道が総合復旧訓練を実施
  • 震度6弱の地震が発生、電車と自動車が衝突---西武鉄道が総合復旧訓練を実施
  • 発煙筒を使って、対向列車に警告をする。
  • 非常用はしごを持ってきた職員と、運転士がまずは現在の状況を情報交換。それからはしごが組み立てられる。
  • 扉部分にはしごが組み立てられ、乗客を安全に車外に避難させる。
  • 重傷者については、消防隊員が到着次第、担架によって運び出される。
  • 衝突した自動車の扉が開かない場合は、油圧スプレッダーを使用して扉をこじ開ける。
  • 重傷のドライバーは担架で救急車に搬送する。
  • 消防隊の本部には、車両内の乗客の様子、死傷者の状況などが逐一報告され、ボードに書かれていく。
西武鉄道は11月12日、震度6弱の地震災害を想定した「2019年度 総合復旧訓練」を玉川上水車両基地(東京都東大和市)にて実施した。

この総合復旧訓練は毎年開催されており、実際の西武線車両や、乗用車、踏み切り施設などを利用する本格的な訓練となっており、今年は以下のような想定のもと、訓練が行われた。

●想定……11月12日10時、西武線内に震度6弱の地震が発生し、玉川上水~武蔵砂川駅間の線路が一部陥没したほか、地震の影響により、玉川上水第2号踏み切り上で乗用車と列車が衝突して停止、その際、乗客に重傷者を含め多数の負傷者が発生した。また、沿線では地震の影響により多数の被害が発生し、池袋線の被害が甚大なため、新宿線を早期に復旧させることを特定災害対策本部で決定した。なお、西武鉄道の通信設備の使用は一部を除き可能。

訓練には、西武鉄道各部署の社員のほか、東京消防庁北多摩西部消防署も参加。また来賓として、警視庁警備第一課、台湾鉄路管理局の方々も見学。一般の人も見学が可能で、一部は乗客役として参加した。重傷のドライバーは担架で救急車に搬送する。

◆いつ起こるかわからない震災が起きた場合に最善を尽くせるように

開会式では西武鉄道取締役常務執行役員であり、安全統括管理者の飯田則昭氏が登壇し、「日本では先月の強い台風、大雨の影響で各地にて大変な被害がもたらされた。このような災害に対し、どのような形で私たちは災害に備えておけばよいかという趣旨のもと開催している。西武鉄道は日ごろからお客様の安心安全を第一に考え、様々な安全対策を講じているが、地震はいつ起こるかわからない。震災が起きた場合に最善を尽くして対応できるように、この訓練を真剣に取り組む」と語った。

訓練は列車が踏切内で立ち往生した車と接触したという想定のもと開始される。そのためまずは運転士、車掌による事故発生の報告などから始まる。運転士によって、上石神井乗務所、警察、消防への事故発生の連絡、事故現場への救援要請などが進められていく。特定災害対策本部の設置や、特定災害対策本部員に対する指示などは西武鉄道の社長によって行われた。

列車内に閉じ込められた乗客は、西武鉄道職員が乗降口にハシゴを設置し、ハシゴを使って降車し、安全な場所に避難した。重傷者などは、消防隊員が到着次第、担架による搬送が行われた。消防隊員は自動車内に閉じ込められたドライバー救出も担当。衝突の衝撃でドアが開かなくなっていたため、油圧スプレッダーでドアをこじ開け、重傷者のドライバーは担架に乗せて搬送した。

踏み切り警報機倒壊の復旧、電車線復旧については電気部が担当し、車両をジャッキアップし搬送台車を使った復旧については車両部が、線路の陥没箇所の復旧は工務部がそれぞれ作業に当たっていた。

今回は復旧作業や救助活動の様子を、西武建設の協力のもとドローンの映像で伝送する実験も行われていた。ドローンによる上空からの事故状況の把握は、災害復旧に非常に役に立つため、今後も積極的に運用を進めていくとのことだった。電車線の不具合については、軌陸車と呼ばれるゴンドラ部分が上下する乗り物で復旧作業が行われる。

◆台風の被害は今までにはなかったような頻度と規模に

復旧訓練が終わり、閉会式では北多摩西部消防署の中村学警防課長が登壇し、
「今後、大きな災害についてはいつ発生してもおかしくない。震災が発生した場合、人命救助が最も重要だが、交通機関の早期復旧もかなり重要で、多くの方が望まれることだ。本日の訓練はその早期復旧のためにも重要なものだった。」
と述べた。

次に台湾鉄路管理局の朱來順主任秘書が登壇し、「台湾と日本は似ているところがある。台風の上陸も多く、地震も多い。そのため、今回見学したこのような訓練は、大変参考になった。今日勉強したことは、本国に戻ったらすぐさま関係各位と情報共有し、今後の対応策としていかしていきたい。このような交流は今後も続けていきたいと考えている」と述べた。

最後に西武鉄道の若林久代表取締役が登壇し、「最近では地震や台風など大規模な災害が至るところで発生している。先月も関東地方に台風が上陸し、河川のはんらんなど甚大な被害が発生した。台風の被害については今までにはなかったような頻度と規模となってきている。このことからも、十分な防災体制を築くことが重要だ。自然災害はいつどこで発生するか予測がつかない。発生した場合は、冷静沈着な行動を取り、消防、警察など関係各所との連携を密にし、人命の救助を最優先に、二次災害を防ぎ、事業の早期復旧、再開を計るためにも、高い安全意識を持ち続けることが必要だ。今回の訓練を踏まえ、防災訓練の重要さを再認識してほしい」と講評した。

震度6弱の地震が発生、電車と自動車が衝突---西武鉄道が総合復旧訓練を実施

《関口敬文@レスポンス》

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