京都府公立【高校受験2020】入試出題傾向と攻略のポイント

 前期・中期・後期に分けて実施される京都府公立高校入学者選抜。来年度は2020年2月17日と18日に前期の学力検査が行われる。京都府の高校受験に詳しい京進の小林良氏に入試の特徴、併願パターン、受験生や中2生に向けたアドバイスなどを聞いた。

教育・受験 中学生
京進 小中部次長で第1エリア(京都)長の小林良氏
  • 京進 小中部次長で第1エリア(京都)長の小林良氏
  • 京進 小中部次長で第1エリア(京都)長の小林良氏
  • 京進 小中部次長で第1エリア(京都)長の小林良氏
 前期・中期・後期に分けて実施される京都府公立高校入学者選抜。来年度は2020年2月17日と18日に前期の学力検査が行われる。京都府の高校受験に詳しい京進小中部次長で第1エリア長(京都)の小林良氏に入試の特徴、併願パターン、受験生や中2生に向けたアドバイスなどを聞いた。

前期・中期とタイプの異なる2回のチャンス



--京都府の公立高校入試の特徴を教えてください。

 京都の公立高校の場合、前期選抜と中期選抜、受験者は少ないですが欠員補充などに伴う後期選抜があります。いずれも内申点の比重は高いです。

 前期選抜は、主に専門学科と普通科の2つに分けられます。前期選抜の内申点は、専門学科も普通科も傾斜配点ではなく、副教科を含めた9教科の5段階評価を3年分点数化して扱います。

 前期選抜の専門学科は、大半の高校で学力検査と内申点の割合がおよそ4:1となっており、当日点重視です。ほとんどの高校が独自問題を出題していますので、受験校対策は不可欠です。独自問題の難度は高く、十分な準備をしておかないと当日の学力検査で得点はできません。専門学科を目指す受験生は、5段階評価でオール4以上の内申点を取っておかないと厳しく、特に人気校、難関校の合格を目指す場合はさらに高い内申点が求められます。

 前期選抜の普通科は学力検査と内申点の割合が150点:135点となっています。学力検査は各教科50点で3教科あり150点となります。同じレベルの学力層の受験生が集まってくるため、当日点ではあまり差がつかず、多くの学校で内申点も重要となります。

 定員の20~30%程度の募集なので狭き門となりますが、これを弱気に考えるのではなく、進学したい高校の受験のチャンスが1回増えると考えて積極的に受験してほしいと思います。

 3月6日にある中期選抜は、内申点が傾斜配点になります。主要5教科は1倍、副教科は2倍で計算[(5教科+4教科×2)×5段階×3年]し、3年分で195点満点となります。中期選抜の学力検査は5教科あり、各40点、計200点ですので、学力検査と内申点の割合は200点:195点となります。

--専門学科の入試難度は難しいのでしょうか。

 そうですね。特に堀川高校探究学科群、西京高校エンタープライジング科、嵯峨野高校京都こすもす科は京都御三家ともよばれ、特に人気が高く、難度も高いです。各高校にはさまざまな特徴があるのですが、魅力的なカリキュラム、主体的な学習プログラムなどの特色ある取組みや、高い大学合格実績も受験生に注目されています。

最大4校の私学受験のあとの公立前期



--私学を併願する場合は、どのような形で受験するのでしょうか。

 入試日程は、2月初旬の滋賀県の私立高から始まり、奈良県の私立高、京都府の私立高、京都府公立高の前期選抜と続きます。滋賀、奈良、京都と、最大4校の私立高を受験することが可能で、その後に公立高の前期選抜という流れになります。

 京都の中学生の7~8割は公立高志望です。以前は私立高校の人気が高かったのですが、さまざまな改革によって公立高の人気も高まってきました。嵯峨野高校京都こすもす科を皮切りに特色ある専門学科が設置されたことも大きな要因です。また、学区制が廃止されたので、人気校へ優秀な生徒が集まる流れが進んでいます。

--京都府は周辺県の私立高が受験できますね。

 大半の生徒は私立高校を3~4校受験するのが一般的です。一部の私立高を除けば、内申の比重は低いので、チャレンジしやすいと思います。私立高が第1志望の生徒は、先に滋賀か奈良の私立高を受験してから、京都の第1志望校を受験します。公立が第1志望の生徒は、上位層であれば奈良の東大寺学園高や西大和学園高、帝塚山高などを受験し、京都の私学、公立専門学科を受験するという生徒が多いですね。

 京都で難度が高いとされている堀川高を目指す生徒は、東大寺学園高や洛南高を受験してから堀川高に挑戦という併願パターンがあります。

--他の私学はいかがでしょうか。

 同志社や立命館など、京都の大学附属校は根強い人気があります。優秀な生徒に入学してもらいたいという思いがあるので、推薦制度も設けられています。

 同志社・立命館の人気には、大学入試改革と私立大学の定員の厳格化(※)も影響しているようです。中学受験をするお子さんも多いですね。
※ 文部科学省は主に三大都市圏の大・中規模大学の入学定員超過を抑制することを目的に、2016年度から入学定員充足率が一定の基準を超えた場合に私学助成を全額不交付とする措置を実施している。これにより人気大学の合格者数が減少し難化した。

多様な併願校選択パターン



--進路指導でポイントとなるのは何でしょうか。

 もちろん第1志望を早期に決めることが一番大切ですが、大きなポイントは第2志望の決定です。第2志望が公立の普通科なのか、私学なのかによって、受験パターンは大きく変わります。

 京都の場合、前期選抜と中期選抜があるので、たとえば堀川高の前期選抜で不合格の場合、中期選抜で堀川高の普通科を受験するという生徒もいますし、堀川高の探究学科群が不合格だったら私立高に行くと決めている生徒もいます。その判断は、生徒の希望、地理的状況、内申点などによります。

 中期選抜では内申点が重視されます。中期選抜で堀川高や嵯峨野高を受験するとなると、5段階評価で平均4.5以上の高い内申点が必要になりますので、たとえば内申点が高くない生徒の場合、公立でレベルを下げるよりは私立高校を選択するというケースもあります。

京都府の高校入試について語る小林良氏


--大学入試改革の影響はありますか。

 専門学科は大学入試改革で求められる思考力、表現力、判断力を問うような問題がこれまでも多く出題されてきました。記述も多いですし、資料の読み取り、分析はどの教科でも出題されてきました。また、私立高でも、思考力、表現力、判断力を問う問題が増加していると感じます。

 また、リスニングは年々、比重が高くなり、問題も難しくなっています。一部の高校では、センター試験のリスニングより速いスピードで読み上げられ、英検準2級程度の力が無いと対応できないものもあります。

ポイントは時間の使い方と復習



--受験生(中3生)に向けて、入試までの学習についてアドバイスをお願いします。

 まず一番意識してほしいことは、時間の使い方ですね。学校が終わって塾へ行くまでの時間など、すき間の時間の使い方をどう管理するかというところは重要です。「時間が空いていたらやろう」ではなく、「この時間には必ずこれをしよう」と、勉強のスケジュールを決めてほしいです。もう11月に入っていますから、過去問も曜日や時間を決めて取り組んでもらいたいです。

 あとは、復習をきっちりやってもらいたいですね。この時期は、不安や焦りが強くなり、新しい問題集をやりたくなるものです。でも、解いたからといって賢くなるわけではないし、解くという作業は「できた」と「できなかった」を分ける作業にすぎません。大事なのは「できなかった」問題をどうできるようにしていくかです。解いて終わりではなく、できないことをできるようにすることが勉強であり、成績向上の秘訣です。手当たり次第に問題を解くのではなく、やり直しをしなくてはいけない問題には付箋などで印をつけて、意識を向けられるような仕組みを作ってください。

--過去問はいつごろから取り組むのがお勧めでしょうか。

 早く始めたから正解とか、遅く始めたからダメというものではありません。重要なのは、時間の感覚を意識することと必ずやり直しをすることです。特に堀川、嵯峨野、西京、東大寺などの人気校では、時間内に解けない問題を見極めて、得点できる問題にどれだけ注力できるかが重要になります。専門学科の場合、合格ラインが50~60%くらいのテストがほとんどです。50%しか得点できないとなると、生徒の感覚は「取れてない」「ぜんぜんできなかった」といった印象になります。そんな状況の中で戦意喪失するのではなく、「これは絶対に正解できそう」「ちょっと頑張ったら部分点がもらえそう」という問題にどれだけ注力できるかどうかが大切だと思います。

--過去問は何年分やればよいのでしょうか。

 まずは第1志望と第2志望の5年分ができればよいと思います。できれば、第1志望は2周できるといいですね。2周がゴールではなく、直しをしながらきっちりできていることが大切です。

中2生は勉強の習慣付けと定期テストの振り返りを



--中2生へのアドバイスもお願いします。

 まずは勉強の習慣をつけることです。たとえば、家に帰ってご飯を食べたらこれをするなど、習慣化していってほしいです。そうすると、忙しくても勉強の時間が確保できるようになります。

 もうひとつは復習です。定期テストを含めたいろいろなテストについて、間違ったらそこに成長の機会があると思って、きっちりやり直しをしましょう。

 また、受験を間近に控えた先輩がどんな勉強をしているのか、見たり聞いたり、塾の自習室をのぞいてみたりするなどして、その雰囲気を感じるのはとても大事だと思いますね。

--志望校選択についてもアドバイスをお願いします。

 中3生は12月に入ると、学校で三者懇談が始まるので、ほぼ志望校が決まっている時期ですね。中2生は、入試が終わったら中2向けの説明会、塾のイベントなどが増えるので、そういうものに積極的に参加することが大切です。3年生の秋ごろになって慌てて学校説明会に行く生徒が多いのですが、そのころには受験勉強も忙しくなるので、早めに志望校、併願校を決めておくことが大切です。

 志望校を考えるうえでは、今の成績や内申点だけでなく、将来のことも考えながら選択することも大事です。将来どんな仕事に就きたいか、それが決まっていないのであれば、やはり選択肢が増える学校を選んだほうがいいと思いますし、将来の自分がどうなっていたいかを想像して志望校を決めてほしいです。



--ありがとうございました。

 京都府では、前期選抜・中期選抜という内申ウエイトの異なる公立高校入試があるほか、周辺府県も含めた私立高の複数校受験が可能だ。人気が高い専門学科では、独自問題対策も欠かせない。併願校を含め、どの学校・学科を受験するのか、将来を見据えてよく考え、入試までに残された時間を有意義に過ごしてほしい。

イベント情報



 京進では、今冬も模試や冬期講習会など受験生等を対象としたイベントが予定されている。最新情報については公式サイトで確認してほしい。

中3京都公立専門学科前期選抜模試


開催日:2019年12月14日(土)
対象:中3生

新中3京都公立専門学科前期選抜模試


開催日:2020年1月19日(日)
対象:中2生

冬期講習会


開催日:2019年12月22日(日)~2020年1月7日(火)
(校・クラスにより開講日は異なります)
《編集部》

【注目の記事】

編集部おすすめの記事

特集

page top

旬の教育・子育て情報をお届け!(×をクリックで閉じます)