5歳未満の4人に1人が出生登録されず…ユニセフ報告書

 73回目の創設記念日を迎えたユニセフ(国連児童基金)は2019年12月11日、世界の出生登録に関する報告書を発表した。世界中の5歳未満の子どもの4人に1人に相当する1億6,600万人が現在でも出生未登録であることを明らかにした。

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ユニセフ事務局長 ヘンリエッタ・フォアから出生登録書を受け取るネパールの母親。(2019年11月3日撮影)
  • ユニセフ事務局長 ヘンリエッタ・フォアから出生登録書を受け取るネパールの母親。(2019年11月3日撮影)
  • 生まれてすぐに出生登録をすることができず、1歳になって完了したブルンジの男の子とその母親。(2019年9月25日撮影)
 73回目の創設記念日を迎えたユニセフ(国連児童基金)は2019年12月11日、世界の出生登録に関する報告書を発表した。出生登録されている子どもの数は世界で大幅に増えているものの、5歳未満の4人に1人に相当する1億6,600万人の子どもが現在でも未登録であることを明らかにした。

 ユニセフによる報告書「2030年までにすべての子どもに出生登録を:その進捗は?」(原題:Birth Registration for Every Child by 2030:Are we on track?)は、174か国のデータを分析した結果、世界で出生登録されている5歳未満児の割合が、10年前に比べ約20%増加したことを示している。

 大きく改善がみられたのは、おもにバングラデシュやインド、ネパールを中心とした南アジア。たとえばインドでは、ユニセフがインド政府と協力して出生登録所の増設やアクセスの改善、職員らの訓練といった啓発プログラムを実施したことから、出生登録されている子どもの割合は10年間で41%から80%に上昇した。

 一方、出生未登録の5歳未満の子どもはいまだ世界に1億6,600万人いるとされる。特にサハラ以南のアフリカの国々の大部分では出生登録率が低い傾向にあり、なかでもエチオピア(3%)、ザンビア(11%)、チャド(12%)は世界で最低水準の登録率となっている。

 出生登録がされない理由としては、登録方法に関する知識不足、申請料金の高さ、登録が遅れた場合の追加料金、最寄りの登録施設までの遠さなどがあげられる。また、出産直後の母親は屋内にいるべきなどの一部の伝統的な慣習も原因となっている。

 ユニセフ事務局長によると、出生登録されていない子どもは政府の政策や法律においては存在しないことになるため身元の証明ができず、その子どもは教育や保健、その他の不可欠なサービスから除外されることが多くなるほか、搾取や虐待を受けやすくなるという。

 ユニセフの報告書ではすべての子どもを守るため、次の5つの行動を求めた。「すべての子どもに、出生の証明書を提供する」「すべての親に対し、出生時、性別を問わず子どもを登録するよう後押しする」「出生登録をほかのシステムと連動させ、保健、社会保障、教育などのサービスに対する子どもの権利を促進する」「安全で革新的な技術に投資し、出生登録を促進する」「すべての子どもの出生登録を実施できるようコミュニティに働きかける」。

 ユニセフ事務局長は、「すべての子どもには名前、国籍、法的身分に対する権利があり、出生登録数が増えたことは歓迎すべきこと」としつつ、「2019年に30周年を迎えた子どもの権利条約で定められているように、すべての子どもが登録されるまで行動を止めてはならない」とも述べている。
《勝田綾》

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