小学生のなりたい職業・親が子どもに就かせたい職業ランキングまとめ

 過去、現在、未来の「職業」についての親や子どもの意識の違いやその変遷について、ランキングをもとにみていく。

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 年度代わりのこの時期に人気の高い子どもが「なりたい職業」ランキング。調査結果から、過去、現在、未来の「職業」についての親や子どもの意識の違いやその変遷についてみていく。

子どもが「就きたい」職業



 科学技術も通信環境も大幅に変わった20年間。この間、子どもの職業に対する意識はどのように変わったのかを見ていきたい。

 人工皮革を製造・販売する化学メーカーのクラレが2020年4月2日に、「将来就きたい職業」「就かせたい職業」のアンケート調査の結果を発表している。この調査は2020年4月に小学校に入学する子どもとその親(子ども4,000名・男女各2,000名とその親4,000名)を対象に、2019年7月から2019年12月に実施された。

 これによると、子どもが将来就きたい職業の1位は、調査開始以来22年連続で男の子「スポーツ選手」、女の子「ケーキ屋・パン屋」だったという。では2位以下に変遷はあったのだろうか。まずは男の子のランキングから見てみる。

2020年・男の子


1位 スポーツ選手 18.8%
2位 警察官 15.1%
3位 運転士・運転手 9.5%
4位 消防・レスキュー隊 7.8%
5位 TV・アニメキャラクター 5.5%
6位 研究者 4.7%
7位 ケーキ屋・パン屋 3.9%
8位 医師 3.4%
9位 大工・職人 2.6%
10位 ユーチューバー 2.4%

2010年・男の子


1位 スポーツ選手 30.1%
2位 消防・レスキュー隊 6.5%
3位 警察官 6.0%
4位 運転士・運転手 5.6%
5位 大工・職人 4.8%
6位 ケーキ屋・パン屋 3.9%
7位 研究者 3.6%
8位 TV ・アニメキャラクター 3.2%
9位 パイロット 3.1%
10位 医師 3.0%

2000年・男の子


1位 スポーツ選手 20.5%
2位 警察官 8.0%
3位 大工・職人 7.5%
4位 消防・レスキュー隊 6.8%
5位 運転士・運転手 6.7%
6位 自営業 6.3%
7位 おもちゃ屋 6.2%
8位 ケーキ屋・パン屋 4.4%
9位 パイロット 3.9%
10位 会社員 2.8%

 2020年では「ユーチューバー」が初のトップ10入りしているのがポイントだ。一方、「大工・職人」が徐々に順位を落としているのも顕著な傾向といえるだろう。

 女の子ではどうだろうか。

2020年・女の子


1位 ケーキ屋・パン屋 26.0%
2位 芸能人・歌手・モデル 8.8%
3位 看護師 6.0%
4位 花屋 5.4%
4位 保育士 5.4%
6位 アイスクリーム屋 4.9%
7位 医師 4.7%
8位 教員 4.6%
9位 警察官 3.7%
10位 美容師 3.5%

2010年・女の子


1位 ケーキ屋・パン屋 29.6%
2位 花屋 11.5%
3位 芸能人・歌手・モデル 10.2%
4位 教員 6.1%
5位 看護師 4.5%
6位 保育士 3.3%
7位 スポーツ選手 2.9%
8位 美容師 2.7%
9位 医師 2.7%
10位 アイスクリーム屋 1.6%

2000年・女の子


1位 ケーキ屋・パン屋 24.5%
2位 花屋 20.3%
3位 看護師 13.0%
4位 教員 6.3%
5位 保育士 4.5%
6位 自営業 4.5%
7位 医師 3.5%
8位 芸能人・歌手・モデル 3.5%
9位 音楽講師 2.2%
10位 美容師 1.6%

 2020年の3位の「看護師」は、過去最高タイの順位だという。また、7位の「医師」4.7%は過去最高比率。クラレでは「人々の健康を守る凛々しい仕事ぶりに、女の子は心惹かれているようです。」としている。

親が子どもに「就かせたい職業」



 親が子どもに「就いてほしい」と思う職業については変遷はあるのだろうか。以下がトップ10だ。

2020年・男の子の親の「就かせたい職業」


1位 公務員 19.8%
2位 医師 8.6%
3位 会社員 8.2%
4位 スポーツ選手 8.0%
5位 警察官 6.7%
6位 消防・レスキュー隊 6.1%
7位 研究者 5.0%
8位 エンジニア 3.8%
9位 運転士・運転手 3.6%
10位 医療関係 2.6%

2010年・男の子の親の「就かせたい職業」


1位 公務員 19.0%
2位 スポーツ選手 15.0%
3位 医師 10.5%
4位 会社員 6.8%
5位 大工・職人 4.5%
6位 消防・レスキュー隊 4.5%
7位 研究者 3.8%
8位 パイロット 3.0%
9位 教員 2.7%
10位 建築家 2.3%

2000年・男の子の親の「就かせたい職業」


1位 公務員 24.1%
2位 スポーツ選手 11.0%
3位 医師 8.8%
4位 会社員 7.5%
5位 大工・職人 4.9%
6位 エンジニア 4.5%
7位 教員 3.5%
8位 パイロット 3.4%
9位 自営業 3.0%
10位 建築家 2.8%

2020年・女の子の親の「就かせたい職業」


1位 看護師 17.9%
2位 公務員 11.9%
3位 薬剤師 7.9%
4位 医師 6.8%
5位 医療関係 6.0%
6位 会社員 5.1%
7位 ケーキ屋・パン屋 4.9%
8位 教員 4.3%
9位 保育士 3.9%
10位 芸能人・歌手・モデル 3.7%

2010年・女の子の親の「就かせたい職業」


1位 看護師 11.9%
2位 公務員 9.1%
3位 ケーキ屋・パン屋 8.4%
4位 教員 8.2%
5位 薬剤師 6.9%
6位 医師 6.3%
7位 保育士 5.1%
8位 芸能人・歌手・モデル 4.8%
9位 会社員 4.5%
10位 医療関係 3.2%

2000年・女の子の親の「就かせたい職業」


1位 看護師 16.3%
2位 公務員 12.4%
3位 教員 9.1%
4位 保育士 7.7%
5位 医師 6.9%
6位 会社員 5.2%
7位 芸能人・歌手・モデル 3.8%
8位 キャビンアテンダント 3.4%
9位 美容師 3.4%
10位 音楽講師 3.3%

 2020年のランキングでは、男の子の親では調査開始以来、毎年3位内をキープしていた「スポーツ選手」が初めて4位となり、トップ3は安定感のある職業が占めた。

 一方女の子の親では、調査開始以来連続1位の「看護師」ほか、3位に「薬剤師」、4位に「医師」、5位に「医療関係」と、医療系の職業が引き続き人気を集め、「医療関係」は過去最高タイ順位・過去最高比率になったのが特徴的だ。

将来活躍できる職業と就かせたい職業にギャップ



 2014年にオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が発表した論文「THE FUTURE OF EMPLOYMENT(雇用の未来)」によると、今後10年から20年で仕事の自動化が進み、仕事の約半分が機械に奪われるという衝撃的な予測を発表している。

 液晶ペンタブレットなどを販売するワコムでは2019年9月13日から24日にかけて、東名阪在住の30歳から50歳までの子ども(小学生~中学生)をもつ男女計540名を対象に「職業に関する意識調査」を実施。その結果を2020年3月31日に発表している。

 この調査で、今後10年間でAI(人口知能)やRPA(ロボットによる業務自動化)などで業務が自動化されても、生き残るであろう職種をたずねたところ、1位「医療・介護系」(55.2%)、2位「研究・教育系」(47.4%)、3位に「デザイナー・クリエイター系」(40.0%)となったという。

 また、今後デジタル社会がさらに進んでいくなかで、活躍できるであろう職業についてたずねたところ、「ITエンジニア・プログラマー」(51.9%)、「ゲームクリエイター」(32.8%)、「エンジニア」(30.6%)、「デザイナー」(28.7%)と、クリエイティブ系の職業が上位にランクインした。

 以下はこのアンケートでの「親が『子どもになって欲しい職業』」の調査結果だ。

子どもになってほしい職業


1位 医師・看護師
2位 会社員
3位 公務員
4位 学者・研究者
5位 エンジニア
6位 ITエンジニア・プログラマー
7位 建築家
8位 スポーツ選手
9位 デザイナー
10位 パイロット

 「ゲームクリエイター」などのクリエイター系の職業が、業務が自動化されても生き残るであろう職種として上位を占めたにもかかわらず、実際に親が「子どもになって欲しい職業」ではトップ10には入らず、今後活躍するであろう職業と保護者が希望する職業の間にはギャップがあることが明白となった。

 この4月から新学習指導要領にのっとり、小学校の教育でプログラミングが取り入れられる。今後の「なりたい職業」「就かせたい職業」のランキングに、そうした教育の影響が出てくるのか否かについても、引き続き注視していきたい。
《編集部》

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