そんな元気先生が伝授してくれる、おうちでできるインパクト抜群、人々を魅了する科学実験を「子供の科学2020年8月号」より紹介する。
写真:佐藤克秋/イラスト:新保基恵
市岡元気先生の魅力
科学で人の心を動かす
市岡元気先生プロフィール
サイエンスアーティスト。東京学芸大学卒業。米村でんじろうサイエンスプロダクションのスタッフとして活動し、2019 年に独立。サイエンスショーなどに出演するほか、科学教育系動画クリエイターとしてYouTubeで科学実験動画を紹介している。
サイエンスアーティスト。東京学芸大学卒業。米村でんじろうサイエンスプロダクションのスタッフとして活動し、2019 年に独立。サイエンスショーなどに出演するほか、科学教育系動画クリエイターとしてYouTubeで科学実験動画を紹介している。
子供のころから自然や科学のことが大好きだった元気先生。山にカブトムシを採りに行ったり、科学クラブで科学実験に励んだりする日々を送っていた。そんな元気先生が「サイエンスアーティスト」になったきっかけは、少年時代の夢にある。
その夢は2つ。演技ができて歌って踊れる「アーティスト」と、わかりやすく物事を教える「先生」になることだ。この2つの夢が融合していって、科学のおもしろさをわかりやすく伝たえる「サイエンスアーティスト・市岡元気先生」が誕生したんだ。
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実験をリアルに伝える
元気先生は 「実験のおもしろさをリアルに、そして身近に感じてほしい」と考え、科学教育系動画クリエイターとしても活動をスタート。実験には失敗がつきものだけど、その失敗もしっかりと伝える。
「自分がおもしろいと思ったことをありのままの形で伝えたいんです。スマートに成功している姿だけでなく、必死さや苦労も実験の楽しさだと思います」(元気先生)
たちまち人気YouTuber となった元気先生がつくる動画の視聴数は100 万回を超えることも。日々、魅力的な実験を生み出し続けている。
では、元気先生に人々を魅了するスゴい実験術を伝授してもらうぞ!
インパクト★★★ 実験「火山大噴火」
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用意するもの
●材料(家で試しやすい分量)
水(40度程度に温めた湯)…50mL
食紅…適量
サラダ油(菜種油)…100mL
発泡剤(入れ歯洗浄剤や入浴剤など、炭酸水素ナトリウムを含むもの)…1個
●道具
ガラスの容器(コップなど、容量200mL程度)
※元気先生が三角フラスコで紹介している実験は、水500mL、サラダ油2.5L を使った大規模なもの。家庭で手軽に行うには一般的なガラスのコップでOK だ。
※ サラダ油は、揚げ物などに使った後の廃油を冷ましたものでもOK。
実験手順
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解説「火山大噴火」の秘密
なぜ水と油は混ざらない?
水にサラダ油を注いだら、水と油の層に分かれたね。このとき、水が下側に溜まったのは、油よりも水の方ほうが重いからなんだ(図1)。
水に何かを入いれたときに、水よりも軽いものは浮き、重いものは沈む性質がある。では、なぜ水と油は混ざらずに、境目がはっきりと分かれたのだろうか? この現象のカギを握るのは「表面張力」という力だ。表面張力とは「できるかぎりまとまって、表面の面積を小さくしよう」として働く力のこと(図2)。
違う種類の液体同士が接するとき、表面張力はバリアのようにも働く。サラダ油の表面張力は水の半分くらいで、水のバリアを破って混ざり合うことができず、水と油の境目がはっきりと分かれるんだ。
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ここに発泡剤を入れると水の層まで沈み、二酸化炭素の泡を発生させる。二酸化炭素は水や油よりずっと軽いから、油の層まで水を持ち上げる。二酸化炭素の泡が抜けると水はまた沈む、ということを繰り返して“大噴火” が起きるんだ(図3)。
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さらに難易度もインパクトもアップする実験「実験2 光るかき氷」「実験3 氷のわた毛」は「子供の科学2020年 8月号」でお楽しみに下さい。実験動画のつくり方や元気先生の秘密のラボも初公開!
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→ 詳細はこちら
<協力:誠文堂新光社>
発行:誠文堂新光社
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