【大学受験】コロナ禍の医学部入試動向は?旺文社が分析

 旺文社教育情報センターは2020年8月3日、「医学部入試を見る ~国の施策の変遷、地域枠の状況、コロナ禍のもとでの入試動向~」をWebサイトに掲載した。2022年度以降の医学部定員や志願者数などについて分析している。

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  • 医学部の入学定員の推移 (c) 2020 旺文社 教育情報センター
  • 医学部入試の入学志願者数の推移 (c) 2020 旺文社 教育情報センター
  • 医学部の地域枠募集の推移 (c) 2020 旺文社 教育情報センター
  • 医学部志願者、入学者に占める女子比率の推移 (c) 2020 旺文社 教育情報センター
  • 女性医師数と割合の推移 (c) 2020 旺文社 教育情報センター
  • 医学部一般入試 志願者数・合格者数の指数、倍率 (c) 2020 旺文社 教育情報センター
 旺文社教育情報センターは2020年8月3日、「医学部入試を見る ~国の施策の変遷、地域枠の状況、コロナ禍のもとでの入試動向~」をWebサイトに掲載した。2022年度以降の医学部定員や志願者数などについて分析している。

 医師不足・偏在などに対応するため、この13年で医学部入学定員は1.2倍になっている。2022年度以降は、「地域間、診療科間で医師の偏在が見られ、医師不足という意見もある。医師の働き方改革や、医学部の地域枠が地域医療に果たしてきた役割なども精査しつつ、課題解決のための方策を検討する」としながらも、やがて医師は過剰になることから、基本線として定員は減らす方向になるという。

 医学部の入学志願者数は、国公立大では一定の増減で推移。私立大では2014年に10万人を超え、2018年に11万2,957人でピーク、2019年は10万6,127人となっている。私立大医学部の志願者数(延べ数)は、2000年4万7,602人から2019年10万6,127人と約2.2倍増加、女子は3倍弱にまで増加している。国公立大医学部は、地域枠などで推薦・AO入試が導入されてきたが、後期日程を廃止したところが少なくないため、志願者数は横ばいを続け、近年は減少傾向にある。入試が難化しすぎた、理工系人気の高まり、ここ数年の堅調な就職状況、厳しい労働環境などにより、国公立大・私立大ともに志願者数が減少傾向に入ったと考えられるという。

 医学部入試で特徴的な「地域枠」は、その在り方が検討されている。臨時定員に関わる地域枠は、2020年度以降は「別枠方式」のみとすること、地域枠の趣旨を募集要項などに明記すること、充足できなかった定員分については再度の定員増を認めないなどとなった。2022年度以降の地域枠については、その定義を明確にするよう検討されている。今後、医学部の定員は減員に進む方向性の中、受験生にとっては、各入試方式の募集人員がどうなるのか、方針の公表が待たれる。

 医学部入試の女子比率は、国公立大ではおおむね志願者・入学者ともに30~35%の間で推移。私立大では、学費を値下げした2010年あたりの時期から志願者・入学者ともに35%を超えた。2018年に一部大学の医学部入試において、性別、年齢などで不適切な合否判定をしているという事案が発覚し、2019年の入学者に占める女子比率は40%を超えている。女性医師数は、医学部の定員増が講じられる以前から増えており、2018年時点で7万人超、2000年と比べると約2倍にのぼる。

 医学部は、入試の難化、理工系人気の高まり、ここ数年の堅調な就職状況、厳しい労働環境が報じられたりしたことなどが影響して、受験生の人気は低調になっている。新型コロナウイルス感染症の影響で、日本だけなく、世界経済も不況となる。いつ終息するかわからないコロナ禍のもとでは、今後のことは予測困難だという。不況時には受験生の資格人気が高まるが、医療系に関しては、院内感染のリスクや病院経営の悪化などにより、今回のコロナ禍は向かい風となっている。

 近年は理工系人気が高まっている。中でも、データサイエンスやAIなどの情報系の人気が高く、学校の臨時休業によりオンライン授業が進んだことも、理工系人気、情報系人気を後押ししている。そのため、「成績がいいから医学部に」「不況だから資格を取りたい」といった動機の医学部志望者は減ることが予想される。これは、本気で医学部を目指す学生にとっては、競争緩和となればチャンスになるという。
《外岡紘代》

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