小川先生に聞く、入試直前「家族で体調管理」の大切さ

 入試直前。教育家で「かしこい塾の使い方」主任相談員の小川大介先生に、入試直前の受験生が発する見逃したくないサインや、体調面で気を付けたいポイントについて話を聞いた。

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小川大介先生
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  • 教育家・「かしこい塾の使い方」主任相談員の小川大介先生
  • 山形県舟形町におけるNK活性の試験結果
  • ヒト試験で風邪の罹患リスク低減を確認
 入試本番までカウントダウンが始まったこの時期は、例年、風邪やインフルエンザなどの感染症が流行している。来る本番当日を万全の体調で迎えるべく、さまざまな対策に心を砕いているご家庭も多いのではないだろうか。

 そこで、教育家で「かしこい塾の使い方」主任相談員の小川大介先生に、入試直前の受験生が発する見逃したくないサインや、体調面で気を付けたいポイントについて話を聞いた。

睡眠不足が引き起こす「悪循環」



--受験生は、試験の前になると特に睡眠時間を削りがちなのではないかと思われます。睡眠不足はどのような形で表に現れるのでしょうか。またストレスなどで体の不調を訴える子どももいると思いますが、小川先生が普段のご指導の中でお感じになっていることをお聞かせください。

 試験直前期の子どもの睡眠不足は、学習のやりすぎという物理的な要因もありますが、より大きな原因は「1日を終えることが怖い」という心理負担です。

 テストが近づくにつれて、少しでもいい点数を取りたいという焦りや、解けなかったらどうしよう、点数が悪かったらどうしようという不安が募ります。その焦りや不安感によって、「もっと勉強しなきゃ」とあれもこれも手を出したくなったり、逆に投げやりな気持ちになったりという影響が出ます。こうした心理になると、達成感を感じにくくなり、まだ1日を終えてはいけないような気持ちが生まれてきます。

 そのため就寝する踏ん切りがつきにくくなって、遅くまで勉強してしまったり、勉強しているわけではないけれどなんとなくずるずると遅くまで起きていたりというようすが見られます。達成感がないため、いざ布団に入っても眠りが浅くなりがちで睡眠の質が悪く、十分な疲労回復が図れないということもよくあります。

 十分な睡眠を取れていない子は目覚めても頭がスッキリしないため、学習効率が上がりません。記憶の精度が落ち、読み取りミスや判断ミスの頻度が上がります。不安がさらに高まるために、また睡眠不足になってしまうという悪循環に陥る危険性があります。また疲労回復できていないことで、肩や背中の筋肉がこわばって頭痛や腹痛を引き起こしたり、なんとなく無気力になったりというケースも少なくありません。

教育家・「かしこい塾の使い方」主任相談員の小川大介先生
教育家・「かしこい塾の使い方」主任相談員の小川大介先生

--保護者の方も、受験生のお子さんの体調管理に敏感になる時期だと思います。子どもからのどんな「サイン」に気を付けると良いでしょうか。

 子どものメンタル不調、体の不調はさまざまな表れ方をします。ですから親御さんには「いつもと何か違うな」と気付いてあげられる状態でいてほしいですね。そのためには、調子の良いとき、順調に1日を終えられているときのお子さんのようすをよく観察しておくことです。「うちの子の普通」がどんなようすなのかを意識しておくことで、変化に気付きやすくなります。

 不調を発見するポイントは、まず体の姿勢を見ることです。不安などネガティブな感情を抱え込むと、肩が落ちて自然と前かがみの姿勢になります。またストレスは胃腸の不具合を引き起こすので、舌の色はこまめにチェックしましょう。舌が白くなっていたり、舌の表面に地図状の模様が生じる「地図状舌」と言われる状態になったりしていたら、ストレスと疲労が蓄積されていると考えられます。

 目の動きにも注意を払うと良いでしょう。迷いがあったり自信がなくなっている子は、目を合わせて話そうとしても、すぐに目が泳いだりそらしたりします。手足の冷えから不調に気付けることもあるので、応援する気持ちを込めながら時折手を握ってあげるのもいいですね。

--冬場は風邪やインフルエンザなどの感染症が流行する時期です。受験生がこうした感染症から身を守るため、小川先生はどのようなアドバイスをされていらっしゃいますか。

 手洗い、うがいといった基本を大事にします。喉の乾燥を防ぐことも大切ですから、加湿器の使用、特に就寝時の湿度管理は気付けてもらいます。マスクの着用も、ウイルスそのものを防御する意味でも、喉の乾燥を防ぐ意味でも効果的です。水分をこまめに摂ることも勧めています。

 そうした目に見えやすい対策はきっちりと取り組んでもらったうえで、体の免疫力を上げるようアドバイスしています。具体的には栄養バランスが良く消化の良いものを食べること、睡眠の1時間前ぐらいにぬるめのお風呂に入って副交感神経を働かせ、リラックスした状態で眠れるようにすること、よく笑うことなどです。免疫系を働かせるには腸内環境を整えることが大切とも聞くので、発酵食品を食事に取り入れることもお勧めしています。

家族で生活リズムを整える



--試験本番直前期、体調管理は受験生本人のみならず、家族を含めた周りの人間も行う必要性があるのではと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 インフルエンザや新型コロナウイルスなど、罹患すると学習に重大な支障をきたし、最悪の場合試験そのものが受けられないといった感染症は特に怖いですね。お子さんの感染リスクを下げるためには家族全員が体調管理に努める必要があります。仕事などで人の出入りが多く、外からウイルスを持ち込んでしまう可能性のある家庭では、特に念入りに対策を打っておきたいですね。

 また感染症だけでなく、親が睡眠不足になってしまっては冷静な判断ができず、直前期に一番大切な「笑顔で応援する」ということができなくなってしまいます。子どもが頑張っているようすを見て、「親の自分はもっと頑張ってあげなければ」と、子どもが寝てから布団に入り、子どもが起きてくる前からお弁当づくりや食事の準備、勉強道具の整理をがんばるお母さんがたくさんいらっしゃいます。その気持ちは素晴らしいのですが、自分が疲れを溜めてしまっては子どものためにならないということも意識において、自分自身の生活リズムを整えること、休息を取ることを心がけてほしいです。

--ところで、先生のお子さんも受験のご経験があると伺いました。受験生の親としてこの時期、小川先生はどのようなことに気を付け、対策を行われていらっしゃいましたか。

 メンタル面を整える意味では、親の私が意識的に「大丈夫」という言葉を口にするようにしていました。息子が出来ていることに目を向け、努力が出来ていること、合格するのに十分な力が育ってきていることを確認し、褒めるようにしていました。これは息子自身のメンタルよりも、妻の不安心理を和らげる効果があったように思います。

 フィジカル面では、わが家の場合は息子がインフルエンザにかかることが一番怖かったので、感染リスクの管理と免疫力アップを心がけました。

 まず睡眠が十分取れるように、定期的に子どもと学習予定の確認を行って優先順位の低いメニューは大胆にカットし、遅くとも23時には布団に入れる生活を続けました。また妻は、野菜嫌いの息子に合わせて野菜を細かく刻んでハンバーグに入れてみたり、夜は消化がよく体が温まるメニューにするなど、食事面で工夫をしてくれました。

 また前述のとおり、ヨーグルトなどの発酵食品が免疫を活性化してくれるということを知り、入試まで半年以上は継続したほうがよいだろうと考えて、6月ごろから家族3人で毎日摂取するようにしました

注目の乳酸菌
Lactobacillus bulgaricus OLL1073R-1」



 小川先生がお話されたとおり、腸内環境を整える発酵食品や乳酸菌には、免疫に対しても良い働きをすることが数多くの研究からもわかっている。とくに「Lactobacillus bulgaricus OLL1073R-1(以下、乳酸菌1073R-1株)」については、免疫システムへの働きを調べた試験結果が発表されている。

 そのうちの1つが、山形県舟形町に住む70~80歳の健康な高齢者57名と、佐賀県有田町に住む60歳以上の健康な高齢者85名を対象に行われた試験。それぞれ乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトを1日90グラム食べる群と、牛乳を1日100ミリリットル飲む群とに分けて、継続して8~12週間摂取し続けたあとの体調や免疫の変化を比較している。

 この試験によると、乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトを食べた群では山形県・佐賀県の双方の地域で、免疫の最前線で働くNK細胞という免疫細胞の活性が、摂取前に低かったグループで有意(※)に上昇したことがわかっている。
※統計学的にその効果が認められること。一般的に危険率p<0.05(100回データを取り、違う結果となる可能性が5%未満であること)のもので、今回も同様とした

山形県舟形町におけるNK活性の試験結果
山形県舟形町におけるNK活性の試験結果

 また、風邪罹患リスクを低減することもわかっており、牛乳を飲んだ群の風邪をひくリスクを1としたときに、乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトを摂取した群では、大きくリスクが減少した。

ヒト試験で風邪の罹患リスク低減を確認
ヒト試験で風邪の罹患リスク低減を確認

 こうしたことから「乳酸菌1073R-1株」は、睡眠不足やストレスをためがちで体調管理に不安を抱える受験生とその家族に寄り添う、よりどころ的な存在になってくれるのではないかと期待される。

免疫システムへの働きを調べた試験結果の詳細はこちら

受験生・保護者へのメッセージ



 これから佳境を迎える受験シーズン。春には納得のいく結果を皆が手にできることを切に願っている。最後に、小川先生からのメッセージを紹介し、記事の締めくくりとしたい。

<小川先生からのメッセージ>


 これまで30年近く、受験直前期の親子を見てきました。多くの場合、受験生本人は試験が近づくにつれて腹がすわってきて、「なるようになる」といった心境に近づいていきます。一方、親御さんは不安が日に日に高まって居ても立っても居られないような気持ちになっていきます。平常心が大切とよく言われますが、少なくとも親の側は、子どもの受験が近づいていく中で平常心を保つことなどできるはずがありません。そういうものだと思ってください。

 ただもう1つ、お子さんがこれまで積み重ねてきた努力は間違いなく力として身に付いていて、学力も集中力の持続も、試験に立ち向かう気力も伸びてきているということも忘れないでください。「この子は、やれることはやってきた」という確信を親の側が抱くようにすることが大切です。実際にやったこと、できていることに目を向けてください。ほかの受験生家庭のようすが気になったり、試験倍率のことが気になったり、心を乱す要因はいくらでもありますが、どの受験家庭も不安を胸に抱えています。わが子の出来ていないところばかりに目が向いて、焦りや不安をお子さんにぶつけてしまう心の乱れに打ち勝つことが、親としての受験直前期の最後の仕事です。

 心を乱さないコツは、できるだけ毎日を決まった過ごし方で淡々と過ごすことです。朝起きる時刻、夜寝る時刻を一定に保つようにしましょう。学習メニューについては事前に計画するようにして、毎日落ち着いて取り組めるようにしましょう。家族でおしゃべりできる時間を確保して、本人の努力をねぎらうようにしましょう。「やれることはやっているんだから、十分だよ」と声をかけてあげましょう。口に出すことで、それを言っている自分自身の気持ちも落ち着きます。

 そして受験生のあなたへ。

 受験当日も、特別な日と思わないことがポイントです。いつもと同じように起きて、いつもと同じ気持ちで試験会場に向かいましょう。指定された席についてテストの開始を待っている間も、「問題文をいつもどおりに読んで、今まで勉強してきたとおりに答えるだけだから、いつもと一緒」と思うようにしましょう。そしてテストが開始したら、一回息を吐いて、それからテスト全体に目を通してみてください。今まで過去問で練習してきたものと同じようなテストが目の前にあるはずです。これまでどおり解いていけば大丈夫です。あなたと親御さんのこれまでの努力に自信をもってください。

 心より応援しています。
《編集部》

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