2020年~24年にかけて全国で発生した歩行中の交通事故死傷者は、7歳がもっとも多く3,436人にのぼることが2025年3月27日、警察庁発表の調査結果から明らかとなった。児童の歩行中の事故は、例年4月~6月に増加する。登下校に不慣れな入学当初は、特に注意してもらいたい。
2025年春の全国交通安全運動が4月6日から15日までの10日間、全国で実施される。子供をはじめとする歩行者が安全に通行できる道路交通環境の確保はもとより、正しい横断方法の実践など、車両だけでなく、歩行者にも安全意識の徹底が求められている。
警察庁の発表によると、2020年~24年の過去5年間に全国で発生した歩行中の交通事故の死傷者数は、7歳がもっとも多く3,436人にのぼった。7歳児を含む児童の通行目的別死者・重傷者数は1,875人で、このうち「下校時」が25.8%と4分の1を占める。
月別では、幼児は大きな差は見られないが、児童は4月から6月にかけて増加傾向にあった。法令違反等別でみると、児童・幼児とも「飛出し」が多いという。
一方、自転車事故は年初から6月にかけて増加する傾向にあり、通行目的別では、小学生は「訪問」が最多、中学生・高校生は「登校」が最多となっている。死者の約5割は「頭部」に致命傷を負っているため、ヘルメットの着用が推奨される。2020年~24年の過去5年間に全国で発生した自転車の死傷者数は、16歳がもっとも多く、1万7,141人にのぼった。
また、車両においてはチャイルドシートの使用率が年齢とともに低下していることが明らかとなっている。チャイルドシート不使用時の致死率は使用時の約3.5倍となることから、警察庁はチャイルドシートの着用を呼び掛けている。