国立天文台は2021年3月19日、日本の天体捜索者が2021年3月18日夜に、カシオペヤ座に9.6等級の新星を発見したと発表した。新星は3月19日現在、増光中の可能性がある。 三重県亀山市の中村祐二氏は、2021年3月18日夜、カシオペヤ座の方向に9.6等級の新天体を発見し、国立天文台の新天体通報窓口に報告。この発見報告を受け、京都大学が岡山県に設置する「せいめい望遠鏡」による分光観測が19日未明に行われ、白色矮星(わいせい)の表面で核爆発を起こした「古典新星」という種類のものであることが判明した。 海外で行われた追観測では、3月18日深夜(日本時)の時点での新星の明るさは9.1等級との報告。明るくなっている最中である可能性があるといい、今後の明るさの変化が注目される。 なお、2020年7月16日には、香川県観音寺市の天体捜索者である藤川繁久氏がいて座の方向に9.9等級の新天体を発見し、国立天文台の新天体通報窓口に報告。この発見報告を受けて海外で分光観測が行われ、この天体も今回の新星と同様、「古典新星」であることが判明している。 国立天文台によると、天の川銀河の新星の発見・報告は、1年間に10件程度。新星はいつどの方向で発生するかわからないため、天体捜索者による発見が現象の理解おおいに貢献しているという。