大阪メトロ中央線、夢洲まで延伸…大阪・関西万博に向け

国土交通省総合政策局と大臣官房公共事業調査室は8月27日、2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)におけるインフラ整備計画を発表した。

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大阪メトロ中央線の延伸ルート。海面下の夢咲(ゆめさき)トンネルを抜けて人工島にある夢洲駅へ至る。
  • 大阪メトロ中央線の延伸ルート。海面下の夢咲(ゆめさき)トンネルを抜けて人工島にある夢洲駅へ至る。
  • 大阪府北部から万博会場へ向けてのアクセス向上を図るため、2023年度の開業を目指して建設が進められている北大阪急行電鉄延伸区間(千里中央~箕面萱野間約2.5km)のシールドトンネル。
  • 関空へのアクセス改善が期待されている、なにわ筋線北梅田付近のルート。JR西日本と南海が相互に乗り入れ、大阪中心部と関空の間は現行より20分程度短縮した40分程度で結ばれる計画。
  • 大阪モノレール延伸区間(門真市~瓜生堂間)の大阪市鶴見区付近。開業後は都心を経由せずに大阪市北部と南部を結ぶルートが形成され、到達時間が30分程度短縮される。
  • 安全性の向上策として大阪メトロやJR西日本、民鉄の主要駅でホームドアの整備が推進される。
  • 大阪駅前地下空間(大阪駅前地下道東広場)の更新後のイメージ。
  • 関空へのアクセス拠点である難波駅における周辺再編のイメージ。万博との相乗効果が図られる。
国土交通省総合政策局と大臣官房公共事業調査室は8月27日、2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)におけるインフラ整備計画を発表した。

大阪・関西万博は2025年4月13日から10月13日までの184日間、大阪市此花(このはな)区に所在する人工島・夢洲(ゆめしま)で開催されることが決定しており、期間中の来場者数を約2820万人と想定。経済波及効果は約2兆円が試算されている。

開催へ向けた準備・運営については内閣官房の国際博覧会推進本部が担っており、今回の整備計画は8月27日に開かれた2回目の推進本部会合で、大阪府・大阪市・関西広域連合などからの要望を受けて決定されたという。

発表によると、整備計画は「会場周辺のインフラ整備」「会場へのアクセス向上」「安全性の向上」「にぎわい・魅力の向上」「広域的な交通インフラの整備」を5つの柱として、鉄道・道路・空路・海路の交通インフラを機能強化するとしている。

このうち鉄道では、会場周辺のインフラ整備策として、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)中央線(長田~コスモスクエア)を仮称・夢洲駅まで延伸し、「鉄道南ルート」とすることが盛り込まれている。

会場へのアクセス向上策としては、1970年の日本万国博覧会(大阪万博)開催を契機に開業した北大阪急行電鉄(江坂~千里中央)を箕面(みのお)市方面へ延伸し、大阪府北部と会場とのアクセスを向上させる点や、南海電気鉄道(南海)本線・高師浜(たかしのはま)線の高石市付近連続立体交差化の推進が盛り込まれている。

広域的な交通インフラ整備策としては、大阪モノレール門真市~瓜生堂間の延伸による、大阪北部~南部間のアクセス向上、なにわ筋線(仮称・北梅田~JR難波・南海新今宮)による大阪都心部~関西国際空港間のアクセス向上が盛り込まれている。

安全性向上策としては、大阪メトロの御堂筋・中央・谷町・四つ橋・堺筋各線やJR西日本、民鉄主要駅におけるホームドア整備の推進、大阪駅前地下空間の更新、防災・減災対策が盛り込まれている。

にぎわい・魅力の向上策としては、大阪駅周辺のうめきた2期開発や難波駅周辺における空間再編が盛り込まれている。

国土交通省総合政策局と大臣官房公共事業調査室は、これらの整備計画決定を受けて「開催後の大阪・関西の成長基盤となる交通インフラの機能強化や会場周辺のインフラの整備等を実施し、広域からのアクセス向上、地域の安全性向上や魅力の向上等を進めてまいります」としている。

大阪メトロ中央線を会場の夢洲まで延伸…2025年大阪・関西万博へ向けたインフラ整備計画が決定

《佐藤正樹(キハユニ工房)@レスポンス》

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