リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査・進学指導重点校「八王子東高等学校」の講評を速報する。この他の共通問題(全5教科)と進学指導重点校(全7校)についても同様に順次掲載する。
八王子東高等学校<英語>講評
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1.リスニング問題:小問数5
例年通り、問題Aと問題Bの2つに分かれていました。問題Aは設問ごとに対話とそれに関する質問を聞き、適切なものを選択肢から答える形でした。問題Bはカナダの中学生によるスピーチで、その内容に関する選択問題と英文記述問題でした。
2.対話文の読解(約1490語):小問数12
偶然の出会いや奇跡についての対話文でした。適切な語や文を空所に補う問題は頻出で、大問2では6問ありました。4つの文が入る組み合わせを選ぶ問題は2021年の2問から3問に増えました。そのうちの1問である問7は連続する4つの文の並べ替えの問題で、本文の流れを把握しながら、注意して解答する必要がありました。適切な1語を本文中から抜き出す問5の(5)-aは、前後関係や会話の流れから答えとなる単語を把握する必要があり、やや難問でした。
3.エッセイの読解(約1260語):小問数10
人に親切にすることで得られる気持ちについてのエッセイでした。大問2同様、適切な語や文を空所に補う問題が複数あり、日本語のない並べかえ英作文、内容一致問題などもありました。問1は大問2でも問われた連続する4つの文の並べ替えの問題でした。選択肢の文頭のつなぎ言葉に注目すれば、解くことができたと思われます。問9の自由英作文は、本文で述べられていることに関して自分の体験を説明するという問題でした。2020年と2021年であった「本文を参考にして」という指示がなくなり、「本文中に出てくる例は使用しないこと」という指示が加わりました。
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八王子東高等学校<数学>講評
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1.小問集合
平方根の計算、連立方程式、二次方程式、さいころの確率、作図の5問からなる小問集合でした。いずれも標準レベルの問題であり、確実に得点したい大問でした。
2.二次関数
〔問1〕は変域についての基本問題でした。〔問2〕と〔問3〕は座標平面上の図形についての問題で、演習経験があれば取り組みやすかったことでしょう。
3.平面図形
正方形を折り返してできる図形に関する問題でした。〔問1〕は角度に関する典型的な問題でした。〔問2〕(1)の証明問題は、方針に迷った受検生も多かったと思われます。(2)は、(1)で証明した結果や、証明を考える過程で気づいた性質を利用して解き進める問題でした。
4.空間図形
三角柱と、その辺上を動く点に関する問題でした。〔問1〕(1)の求積は基本問題です。〔問1〕(2)と〔問2〕は、必要な図を自分で丁寧に描くことで、着実に正解したいところです。
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八王子東高等学校<国語>講評
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1.漢字の読み取り
2021年と同様にやや難度の高い四字熟語を含む5問が出されました。標準的な難度の問題は確実に正解したいところです。
2.漢字の書き取り
日常生活ではあまり使われることのない語句が多く出されました。分からない語句であっても、文脈から推測する力が必要とされました。
3.原田マハ『斉唱』
主人公が自然体験学習に訪れた先でトキの保護についての話を聞く様子を描いた小説文からの出題です。登場人物の心情が読み取りやすい文章であったため、時間をかけずに処理することは可能だったと思われます。記述では心情を丁寧に読み取り、まとめる力が求められました。
4.バトラー後藤裕子の文章
音と表記の関係という点から言語について論じた文章です。高校入試ではなじみの薄いテーマであったため、内容理解に時間がかかった受検生もいたと思われます。2021年と同様に文中に含まれている図表に関する設問がありました。しかし、その説明がされている箇所を丁寧に読んで理解していけば、焦らず正解を選ぶことが可能でした。制限字数240字の課題作文を余裕を持って解くには、記号選択を素早く処理することが鍵となりました。
5.鉄野昌弘『歌謡の仕組み』
『万葉集』について、「類歌性」という観点で論じた文章です。設問は記号選択中心で、抜き出し1問も含めていずれも標準的な難度でした。文中に和歌がいくつかありますが、現代語訳が書かれているため古文の知識がなくとも解答することは可能でした。
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このレポートは、令和4年2月24日(木)に速報としてSAPIX中学部が作成したもの。
SAPIX中学部は、新小学5・6年生、新中学1・2・3年生(現小4・5・6生、現中1・2生)を対象に「高校入試分析会 ~地域別 入試概況~」および「高校入試分析会 ~志望校別 データ分析~」をオンライン配信する。3月18日(金)から視聴可能。講演内容や視聴方法などの詳細は、SAPIX中学部のWebサイトで確認できる。
協力:SAPIX中学部