<国語>講評
(練成会 提供)
配点が昨年の60点満点から100点満点となったが、昨年の平均点(31.6点)を100点満点に換算すると、昨年と同程度の平均点と予想される。
出題構成は例年とほぼ同じ大問四題、小問数が27題である。しかし、出題内容が大きく変更となっている。特に、例年出題されている説明的文章が今年度は出題されなかった。また、小問1題あたりの長文記述問題の指定字数は増えており、しかも、与えられた情報を整理し、それを表現するという問題もだされている。以下が出題の特徴。
大問一は、漢字の読み書きや品詞の転成、手紙文の知識、会話内容の読みとりなど基本的な問題による構成。会話内容の問題では、情報を的確に整理できているかが求められる問題であった。
大問二の文学的文章は、文章量が大幅に増えている。そのため、素早い読解が不可欠である。情景と対応する人物の心情が読みとれているかどうかを試す問題が中心となっている。特に問七の記述問題は、情景描写が伏線となっていて、そこから人物の決意を読みとり、表現する良問だった。また、文脈から語句の意味を判断する出題もあった。
大問三は、古典の問題。会話文の指摘、漢文の返り点の使い方に関する問題など基本的な出題のほか、本文をまとめた表に対応する内容を読みとる問題と、本文内容をもとに自分の考えを記述する作文問題となっている。
大問四は話し合いの場面からの出題である。話し合いから小見出し的なものを書く問題と要望に対する回答を作成する問題である。
長文記述問題4題で、字数はそれぞれ六十字程度、八十字程度、百五字程度と指数制限なしとなっている。従来通りの文章内容にそった記述のほか、話し合いの内容をまとめる問題や文章内容を評価し、その理由を含めて自らの考えを表現する問題が出題された。このような、分析力や表現力が求められる問題は次年度以降も出題されると思われる。したがって、今後は一般的な文章だけでなく、さまざまな情報を整理しまとめる力と、情報を評価し、それを表現できるようする力が必要とされる。
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このレポートは令和4年3月3日(木)に速報として練成会により作成されたもの。
協力:練成会