【高校受験2022】北海道公立高入試<数学>講評…昨年度と比べて難化

 令和4年3月3日(木)、令和4年度(2022年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。 リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「数学」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2022】北海道公立高入試<数学>講評
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 令和4年3月3日(木)、令和4年度(2022年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。北海道教育委員会が3月1日に発表した、再出願後の確定出願状況によると、学校別の倍率は、室蘭栄(理数)1.9倍、釧路湖陵(理数)1.9倍、札幌東(普通)1.5倍、札幌西(普通)1.6倍等。

 リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「数学」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<数学>講評
(練成会 提供)



 例年通り大問数は5題でしたが、小問数はやや増加し21問となりました。(昨年:標準問題19題、裁量問題16題 ※100点満点に変更された影響もあります。)基本的な問題から、思考力・判断力・表現力を問う問題まで幅広く出題されました。今回の入試で、「空間図形」の出題はありませんでした。記述問題が総得点の3割を占めています。また、問題文に登場する人物の「考え・予想」などから「仮説・検証」を行う力が求められました。新しい傾向の入試問題といえます。得点しやすい問題があった一方、問題内容の把握力・記述問題の対応力などが大きく問われる問題も多く、解決の糸口を見つけることにとまどってしまったのではないかと予想されます。

 2「データの活用」(16点分)では、箱ひげ図からデータの分布の傾向をとらえ比較する問題でした。特に問2は、全体の平均値とA組とB組の中央値をそれぞれ比較・分析することから正答を導きます。基礎力と考察力が融合した問題です。

 3問2は、太郎さんの予想が成り立つことを説明する記述問題で、「直角二等辺三角形になることの説明」と「座標を文字を使って表す」という定番の知識を絡めて表現する力が求められました。

 4問2では、円周角の定理の逆を満たすために相似な図形を見つけて証明する視点と、証明の中でも二等辺三角形の定理を利用するという視点が必要でした。

 5問1・2ともに、(1)の結果が(2)に影響する問題です。これまでの北海道の入試では見られなかった傾向です。(1)(2)ともに失点してしまうと大きな差になってしまうことも考えられます。問1では相似・三平方の定理を利用し、複数個所の長さを導く準備力が求められました。長方形の2つの対角線は、それぞれの中点で交わることに気付いたかがポイントです。問2は素因数分解の利用問題で、条件を満たす2つのさいころの目の和=n(2以上12以下)を求める問題でしたが、記述問題になっていたことはかなり戸惑ったと思います。2以上12以下で、2または3(あるいは両方)を因数に持っているnを見つけることができたかがすばやく正解にたどりつくことのできる視点でした。(地道に探しても正答にたどり着ける問題でもありました。)

 総じて、得点しやすい問題と差のつく問題がはっきり分かれる形となっています。高得点をとることは難しいかもしれませんが、基本問題の得点や中間点をどれくらいしっかり積み重ねることができたかが数学の合計点の差になると予想されます。

 100点満点の入試となり、問題が一本化されたことから見えた傾向は「各問題の配点の増加」「難易度の幅が拡大」「思考力・判断力・表現力を問う問題が多数出題」などが挙げられます。来年度以降の入試への対策として、普段から答えを導くプロセスをしっかり理解し、問題の本質をしっかり見極める訓練を行うことが大切であると感じます。

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 このレポートは令和4年3月3日(木)に速報として練成会により作成されたもの。

協力:練成会
《編集部》

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