【高校受験2022】北海道公立高入試<理科>講評…昨年度と比べて易化

 令和4年3月3日(木)、令和4年度(2022年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。 リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「理科」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2022】北海道公立高入試<理科>講評
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 令和4年3月3日(木)、令和4年度(2022年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。北海道教育委員会が3月1日に発表した、再出願後の確定出願状況によると、学校別の倍率は、室蘭栄(理数)1.9倍、釧路湖陵(理数)1.9倍、札幌東(普通)1.5倍、札幌西(普通)1.6倍等。

 リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「理科」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<理科>講評
(練成会 提供)



 今年度より1科目60点から100点満点に変更されたが例年通り大問5題の出題となった。物理・化学・生物・地学の各領域の配点は25点ずつである。大問1で各領域からの小問を出題することで幅広い知識が問われている。

 大問2~5は実験や観察に基づいて必要な情報を整理するとともに、実験結果をもとに科学的思考力や表現力が試された。実験や観察に関わる記述問題が7問、作図問題は3問出題されており、昨年から大幅に増えていることから表現力を試す傾向がより鮮明になった。しかし、昨年の出題と比べると問題数が39問から32問に、完全解答が10問から5問にそれぞれ減少したこと、実験や観察がやや平易となっていること、与えられた実験について考察や予測が必要な問題が減少していることから、得点率は昨年より上がることが予想される。

 大問1小問集合は昨年と同様合計12問で各分野からまんべんなく出題されており、網羅的な学力が要求される。計算問題は与えられた数値を公式に当てはめる基本的な問題のため確実に得点に結び付けたい。

 大問2は生物領域から植物の蒸散について出題された。問2(3)蒸散量が変化する理由を気孔の状態にふれて説明する問題は蒸散が光合成と深く関わることを理解していることが前提になっている。また気孔の開閉が明るさによって変化することも知識として必要となるため教科書内容を深く理解することが求められた。

 大問3は化学領域から電気分解とイオンについて出題された。問2(2)イオン数のグラフは実験文中から30分後も塩化銅水溶液の色が青色だったことを手掛かりにイオンが残っていることに気づく読解力が試された。問1(2)、問3 (1) 塩素の性質の記述はイオンの授業で扱う代表的な実験結果に基づく出題のため、日頃の実験の重要性を印象付けることとなった。

 大問4は物理領域の電流回路に関する出題だった。問2(2)異なる回路における豆電球の明るさ、問3並列回路で片方の抵抗値を大きくしたとき回路全体の電流が一定の値に近づく理由はともに回路の性質について深い理解が必要な出題だった。正答を導くためには具体的な数値を用いた計算を行うなど実際に手を動かして考えることがポイントとなる。

 大問5は地学領域から冬の天気の特徴に関する出題だった。問2(2)冬の北海道の日本海側と太平洋側での天気の違いは頻出問題ではあるが正答とするためには正確かつ細かな記述が要求される。また問2(3)湿度は(1)水蒸気量を求める計算、(2)水滴を求める計算、(3)湿度の計算といった、湿度に関わる全ての計算が出題されており、地道な計算練習が活きることとなった。

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 このレポートは令和4年3月3日(木)に速報として練成会により作成されたもの。

協力:練成会
《編集部》

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