5-11歳のコロナワクチン接種を推奨…VPDの会

 新型コロナワクチンの対象拡大にともない、「VPDを知って、子どもを守ろうの会」は2022年3月4日、「5歳から11歳の新型コロナワクチン接種の考え方」をWebサイトに掲載した。5歳以上の子供のワクチン接種を推奨するとし、保護者に向けたメッセージも公開している。

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5歳から11歳の新型コロナワクチン接種の考え方
  • 5歳から11歳の新型コロナワクチン接種の考え方
  • 5歳から11歳のお子さんの保護者の方へ 新型コロナワクチン接種の考え方
 新型コロナワクチンの対象拡大にともない、「VPDを知って、子どもを守ろうの会」は2022年3月4日、「5歳から11歳の新型コロナワクチン接種の考え方」をWebサイトに掲載した。5歳以上の子供のワクチン接種を推奨するとし、保護者に向けたメッセージも公開している。

 VPD(Vaccine Preventable Diseases)とは、ワクチンで防げる病気のこと。「VPDを知って、子どもを守ろうの会」は、ワクチン接種で子供たちをVPDから守るための啓発活動をしている約1,000人の小児科医を中心とした医療者の団体。今回、新型コロナワクチンの対象が5~11歳の子供に拡大されたことを受け、考え方や保護者向けメッセージを公開した。

 オミクロン株の流行とともに新規陽性者に占める10代以下の割合が増え、年代別陽性者率は5~9歳が最多、10~14歳が続いている。同会は5歳以上の新型コロナワクチン接種について、子供たちの健康を守り、社会生活を維持するために「推奨する」と明記。「今後出現する新しい変異株が、より感染力が増したり、小児がより重症となったりする可能性は否定できない」とし、「そのための準備としても、現在のワクチン接種が重要」との考えを示している。

 また、5~11歳に対する新型コロナワクチンの有効性は高く、副反応の発生頻度は12~15歳、16~25歳よりも低く、心筋炎は12~15歳、16~17歳よりも起こりにくく、発症した全員が回復していると説明。ワクチン2回接種後1~2週間経過すると、免疫がつき予防効果が高くなり、一度免疫を獲得しておけば、ワクチンの効果が低下しても追加接種によって迅速に効果を高めることができるとして、新型コロナウイルスから日常を守るベースをつくるため、ワクチン接種で小児期に免疫を獲得しておくことを勧めている。

 5~11歳の子供の保護者に向けたメッセージでは、子供の感染の多くは軽症に分類されるが、発熱やのどの痛み等のつらい症状が現れ、まれに重症化すると入院治療を要したり、数週間経ってから多系統炎症性症候群(MIS-C)という命にかかわる病気を発症したりすると指摘。「子供たちを感染や重症化から守るためにワクチンを受けることをお勧めする」としている。

 さらに従来のVPDとは異なり、新型コロナウイルス感染症は子供たちの生活にさまざまな変化や制約を課すだけでなく、感染の不安等、精神面にも影響を及ぼしているとも指摘。副反応の多くは軽症だが、つらい痛みや発熱等が現れる場合があることから、子供に接種の意義、メリットとデメリットを説明し、保護者が接種を勧める理由を子供がそれぞれの年齢なりに理解することも大切だとしている。

 接種に対して不安や迷いがあるときは、急いで結論を出す必要はなく、かかりつけ医等に相談し、適切な時期に接種するよう呼びかけている。
《奥山直美》

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